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オペレーショナル・エクセレンス of BizOpsチームのカルチャーづくり

この記事はBizOpsアドベントカレンダー 24日目クリスマスイブの記事です。前回は株式会社Merの澤口さんによる「1年でアジアNo.1まで押し上げたBiz Opsの底力」でした。

こんにちは。hacomonoの上村です。
気づけばBizOpsという部署を社内に作って1年9ヶ月になりました。

メンバー採用が進み、今のチームメンバーの輪郭が整ってきたのは2023年4月頃です。現在は8人。今回のアドベントカレンダーでもチームから3人が寄稿してくれています。

僕のこんなひとこと(焚き付け?)から巻き込んでしまったのですが、結果的に、3人それぞれが自分の個性や考えが表現された、素敵な記事を作成してくれました。師走で日々の業務も忙しいなかありがとうございました!

noteをいつか書こうとしていたメンバーがいることは1on1で知ってた上で、、笑



さて、こうして頼もしく活躍するメンバーを見ると、2023年の春にCEOからこんなオーダーがあったことが思い出されます。

これからのフェーズ、そろそろプレイングマネジャーからマネジャーに専念できるようにして、チームで推進する体制作りを強化してください。
そのためにもチームの強いカルチャー作りをお願いします。

by CEO蓮田

「強いカルチャー作り」 is 何?

チームで成果を出そうとか、事業貢献しようとか、チームのモチベーション高めようとか、スキルアップしようとかではなくカルチャー。社会人生活もそろそろ20年ですが、こんなオーダーをいただいたのは初めてだなぁと感じていました。

改めて強いカルチャー作りって、なんだろう?

いろいろな業務があるなかでカルチャー作りにずっとコミットするわけではありませんし、プロジェクトがあるわけではありません。けれど、その後のチーム運営で何かを判断するとき、割とことあるごとにこの言葉を思い出していました。

そんなときに、どうせ選択するなら強いカルチャーが作れるような選択がいいなぁと。成果でもなく、成長でもなく、カルチャーという観点を優先した判断をしていたように思います。

というわけで今回のnoteでは、強いカルチャーをつくることに舵を切る最初のアクションとなった、2023年5月のオフサイトMTGのことを紹介したいと思います。


部門のOKRづくりのやり方からちょっと変える

それまでは、BizOps部門のOKRは僕の方で作成して言語化した状態でメンバーに通達していました。当時は、組織の意図や重要事項を部門長がちゃんと構造化・言語化して提示するのが「良いマネジメント」だと思っていたのですよね。

でも、強いカルチャーがつくれている状態という仮想の情景を想像すると、部門のOKRは部門長から降ってきてそれをそれぞれが実行に移す、ってなんか違う感じがしますね。

メンバーみんなにとって、それぞれの課題意識やWillが反映されているOKR。かつそれが組織課題とも一貫している。そんなみんなで作るOKRを旗印に、その実現を目指すチームの方が強いカルチャーだなと感じます。そこで2023年7月からのOKRをみんなでつくることにチャレンジしました。

Let's オフサイトMTG!

高い山をこれから登る心持ちで。画像はそのときマイブームだった生成AIで自作。

オフィスのセミナールームを確保して、チーム7人全員参加のオフサイトMTGを設定しました。総務にお願いして、付箋と模造紙とペンも用意してワークショップの準備。こういうとき、社内に広めのセミナールームがあるって便利です。

ステップ1:いま取り組んでいることを、付箋に書き出す

ワークショップは、いきなり課題とか理想像のようなものをストレートに考えてもうまくいきません。抽象的なものをいきなり言葉にするのは難しいですし、場に慣れていない状態で自分の意思を表明するような発言をするのは難しいものです。

なのでまずは、具体的なことや、自分の意思が絡まないこと、今取り組んでいることのような挙げやすいものから付箋に書いてもらいます。ゆっくりエンジンかけていくような感じ。

付箋の文字が崩壊してるのは、、生成AIの御愛嬌

特に今回は初めての取り組みでもあるので、この部門OKRづくりが、マネジャーである僕や古くからいるメンバーの声だけで決めていくようなものではなく、みんながそれぞれ均等に発言の機会があり、平等に発言を反映する場であるというのを体感してもらうことが大切な前提でした。

そのために、付箋と模造紙を使ってそれぞれが書いたものを貼り付けるという進め方にしています。

マネジャーが書いた付箋も1枚。新しく入ったメンバーが書いた付箋も同じ1枚。それぞれが等しくその場に関与できるということを体感いただきたかったので、重要なステップです。

ステップ2:関係者に「Wow!」と喜んでもらえている状態を想像する

2つ目のステップは、目指すべきよりよい状態を想像するステップです。
ここも、あまりにも制約なしで考えると、まとまりにくくなってしまうので、いくつか自然と良いバイアスがかかるようにガイドをしておきます。

「利他」をベースに考えたいので、「関係する人たちにWow!と感じてもらえている状態」というテーマにします。スライドには営業部門の部門長や、現場の営業リーダー、事務業務をサポートすることが多い忙しい営業に加え、経理部門の部門長や、hacomonoの顧客の顔など、仕事で良く関係する人の実際の顔をスライドに並べておきます。

外向けなのでモザイクあり。でもきっと社内の人が見たら、左の4人は誰かわかってしまいそう。

この人たちに「Wow!」と感じてもらえるような状態を想像しようというガイドをつけることによって、自然と顧客視点で将来の状態を考えてもらいたいなと意図していました。

さらに言うと、様々な立場の人を想起してもらうことによって、現場の営業にもっと喜んでもらえるようなアイデア、成果を追求したい営業部門長が喜ぶようなアイデア、間違いのないQTCオペレーションをしたい経理部門長など、BizOpsが関与するステークホルダーに貢献できるアイデアを観点の漏れなく考えてもらいます。

ステップ3:理想の状態を少し違う視点で考えてみる。

ある程度アイデアを出してくると筆が止まってきます。でもここのアイデア量が大事なので、新たな視点を追加しながらもう少し頑張ってみます。

アイデアの呼び水となるようなコトバを引用してみます。フォードの創業者のこれ。

本当にこんなことを言ったのかどうかは定かではないですが、示唆に飛んだフレーズですよね

OKRですから非連続な未来を考えます。現状の延長線上にとどまることなく、もっと自由に発想したとき、本当にWow!と感じてもらえている状態のとき、それはどんな状態だろうかと発想の制約をなくして考えてみます。

そして出てきたアイデアを付箋に書いて、模造紙にペタペタ貼りながら、似たものをグルーピングしていったり、貼り場所を変えたりしながら、OKRの素材となる重要テーマの輪郭を作っていきます。

このとき、メンバー主体でペタペタやってるときはひたすら見てるだけ。EVeM長村さんも「ベンチャーマネージャーは、メンバー同士が楽しんで成果を上げてるプロジェクトに楽しそうだからと首を突っ込まない」と言ってますし、ここはみんなの時間。

このワークショップでは細かなワーディングまではしないので、ある程度テーマとしてのカタマリが見えてくるまでやります。

ステップ4:実現のためにあったほうが良い道具・武器を考える

大きな目的を実現するためには、それに対応する大きな資源が必要です。最後にその点について考えてみます。

山のてっぺんがWow状態。僕たちはふもと。登る道がOKRテーマ。

でも実は、BizOpsミッションの大半は人的資源によって価値創造されます。予算がたくさんあったら、とか、社員がもっとたくさんいたら実現できるということはさほど多くありません。自分たちがレベルアップしていくことが大きな目的を達成できるようになるための1番重要な資源です。

「目標達成に必要な行動改善とかスキル習得」とか言うと、ストレートに現実と向き合い過ぎて重たいので、ふんわりとライトにします。「あったらいいなと思う道具・武器」です。

その下にはガイドとして知識スキル・関係構築・姿勢などと、実はしっかり書いてあるのですが、コトバって不思議なもので、はじめに「道具・武器」として捉えて考えると、「あれもこれもあった方がいいよね!」として付箋に出てくるものなのですよね。

ちなみに、いろいろ出てきた道具・武器のアイデアをグルーピングしたらこうなりました。

道具と武器には、いわゆる緊急だけど重要ではない「第二領域」のことがぎっしり

ここまで出してオフサイトMTGは終了。約90分間お疲れ様でした!

持ち帰って、マネジャーとリーダーでOKRにまとめる

出てきたアイデアを素材として、その後はマネージャーとリーダーで具体的な言葉に落としていったり、粒度を揃えたり、重要なものに絞り込んだり、定量的なKeyResultを作ったりして、OKRの形に仕上げていきます。

こうしてできあがった半期のOKR。言葉そのものは抽象的・包括的なコトバにはなりますが、そこに対する理解と思い入れは、半期前とはずいぶん異なるものに仕上がってくれたように感じます。しかも高い視座で、チャレンジングで、利他のスタンスが盛り込まれた内容。なんとなく強いカルチャーのチームに一歩近づけたような気がしました。

日々のコミュニケーションもちょっと変える

さて、2023年7月からはBizOps部のマネジャーを当時のリーダーにお任せしたので、BizOpsとはVPとしての関わりになりました。そうなると日々のプロジェクト管理や案件相談での関わりはぐっと減ってしまうので、日々のコミュニケーションのあり方も変えねばなりません。

強いカルチャーをつくるために、どんなことができるかなぁと思いながらやってたことを少しピックアップすると、、

1ヶ月ごとの出社奨励Dayで、みんなで顔を合わせて進歩を実感する

BizOpsの仕事のうち特に企画系・プロジェクト系の業務は、営業とか経理みたいに月間の「締め」のようなものがないので、リズムが作りにくいです。

なので7月からは1ヶ月に1回、出社奨励Dayをつくることにしました。そこで月次振り返りMTGを行い、各チームの進歩や、実現した取組みを共有してもらいます。

毎月、本当にいろいろなことが進んで実現していってくれるので、その場で報告してもらう自分としては、素直に感動します。「そんな仕組みがもうできあがったんだ!」「あれもできるようになったの!」と。

特に、12月に6ヶ月分のアウトカムをまとめてくれた一覧を見たときは、「6ヶ月前にはこのどれも存在しなかったところから、6ヶ月でこんなにも多くのことができるようになったのね」と改めて驚きました。日々取り組んでいるメンバーも同じことを感じたようで、チーム全体の組織効力感がぐっと高まる瞬間だったように感じます。「進歩」を実感するって大事です。

第二領域にチャレンジする舞台をつくる

日々の業務に追われているとなかなか取り組むことができないことを、勢いで舞台に乗ってもらうということを、ひそかにチャレンジしてます。

加減を間違えるとただの無茶振りになるのでサジ加減大事。

  • salesforceの認定資格取得にチャレンジしてもらう

  • 導入システムの事例登壇にチャレンジしてもらう

  • ちょうどいいアドベントカレンダー企画に、チャレンジしてもらう

  • 割と大きな仕事を、まるっとお任せしてみる

ちなみに資格は、この1年間の中でチームメンバー3人が見事に認定アドミン×2と認定アソシエイト×1に、それぞれ一発合格して資格と自信を掴み取ってくれました。

事例登壇も開催後にこんな記事にしてくれていました。ちなみにこのあと、懇親会の乾杯まで任されていた三輪の頼られ方ははんぱないなと思いました。


強いカルチャーという競争優位

さて、オフサイトMTGから7ヶ月たった現在、BizOpsの自走ぶりとスキルの高さは新しいマネジャーのもとでどんどん加速しているように感じます。

1年前だったら「あー、その依頼内容だとちょっと技術的に大変そうだから自分でやろうかな。。」と思うような依頼も、メンバーが直接引き受けてくれて光のスピードで解決しています。スピードもクオリティも僕がやるより全然良い、、と寂しさを通り越して、いちプレイヤーとして尊敬を感じる今日このごろです。

さて、2023年4月に入社して2ヶ月目のころ、COOとCFOとご飯を食べにいってこんなことを言ってる自分を思い出しました。

日本一のBizOpsチーム、定義することも測定することも難しいですが、そうなっている状態というのをぼんやり想像しながら、それに向かう一手を考えていきたいなと思います。

でもたぶん1つ、わかったことがあります。どうやら、noteで多くの人に共感される発信力はhacomono BizOpsチームは日本一だと思います!

みんなすごい!🎉🎉🎉

強いカルチャーを持つチームって、それそのものが競争優位だと思います。BizOpsだけじゃなく会社全体にそんなカルチャーが根付くように、上から横から後ろから、いろんな角度でさりげなく関与していくことをやっていきたいなと思います。

チームメンバーの成長と成果は、僕にとって最高のギフトです。みんなの日々の活動と情熱に本当に感謝しています。そしてBizOpsというテーマに挑戦するすべてのひとが、この業務に関わって良かったな、成長できたな、貢献できたなと実感できたらとても素敵なことだなと思います。

クリスマスイブに良いプレゼントをいただきました。
メリークリスマス!みなさま良いお年を!