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データ入力をサボりたいッ!全人類の悲願を叶える『怠け機能開発』

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こんにちは。ブレインパッドのカミムラです。今回はLowCode開発をテーマにした Salesforce Advent Calendar 2019の11日目。コードを書かなくても便利なシステムを作りたい人向けの連載企画です。

さて、イキナリ唐突なのですが、
僕、冒頭の場面が大スキです。

心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!』
 (by ジョジョの奇妙な冒険 第5部 プロシュート)

こういう感覚を、
企業の業務システムであるSalesforce上で、
この世界観を再現できたなら。

想像してみてください。

きっとこういう世界です。

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という感じ!

70億人の全人類の悲願。
「社内向けの事務作業なんてしたくない、お客さんのために時間使いたい」

これが実現された世界。ステキだと思いませんか??


一方、各社の現実

ここ最近、Salesforceのコミュニティに顔を出していると、他社での運用の話を聞くことも多いです。例えばこんな感じ。

『うちは1年更新の商材なので、新規受注した時には翌年の商談も作らなきゃなんです。けれど、新規営業と更新営業で担当が分かれることもあり、次の商談が作られてないことがよくあるんですよね。。。』
by某SaaS企業のシス管
『うちでは商談にキャンペーンを紐付けて、どのキャンペーンの施策効果が高かったか見たいんですけど、データが汚すぎて結局、手作業や目検で整理しなきゃなんですよね。。。』
by某東証一部のマーケ課長
『うちでは営業が初訪しても商談が作られてなくて、フェーズがある程度進んでから商談が作られるので、いったいどのマーケ施策で作られた商談なのかも不明だし、パイプラインを作る前の開拓状況が全然データで見えないんですよね。。。』
by数年前のうちの会社

現実はきっとこれ。

『データ入力』されない問題は、全国16,000社のSalesforce Adminの
98%くらいが抱える共通課題のように思います。

みんなデータ入力したくないのよね。そりゃそうだ。
だって、事務作業って売上にならないし。めんどくさいし。

この状況を打破するためには、

現場がデータ入力をサボっても、必要なデータが入力されるようになる
いわば『怠け機能』が必要なのではと思います。

『良い業務システム』って何か?と考えた時に、
堅牢なシステム、見たい指標が見れるシステムは、もちろん価値が高いですけど、それに加えて『現場が極限まで怠けられるシステム』も同様に価値が高いと認識されるようになったらいいなぁと思います。

というわけで。

営業出身で事務嫌いなAdminである僕がこれまで手掛けた、
極限まで怠けられる『怠け機能』のいくつかをご紹介します。

全部LowCode。プロセスビルダーとフローがたくさん。

さぁ、怠ける心の準備はできてますか?
Are you Lazy?


1.怠け機能 for マーケティング

マーケの仕事の1つ、ハウスリストへのメール配信。セミナーとかに集客したり、ホワイトペーパーのダウンロードを誘発したり。

そして、それぞれのメールでどれくらい成果出たの?を集計するためのフラグ付けや集計業務は割と手作業が残るもの。早く次の施策を企画したいのに、、、

これを怠けてみます。

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細かいところは以前のnote#3に一部書きましたが、これをすることでセミナーや資料DLのキャンペーンメンバー1人1人に「どの施策からCVしたか?」のデータが入ります。

ってことはレポートやダッシュボードで可視化し放題。

・どのセミナーには、どの施策からそれぞれ何人CVしたか?
・どの施策が、どのセミナーに何人ずつCVさせたか?
・どの施策が効果高くて、どの施策はイマイチだったか?

が、自動的にレポートされていきます。
週次集計も月次集計も自由自在。

データ入力、怠けてても大丈夫です!


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パラメータがついてればなんでもいけるので、Webサイトのどの導線からCVしたかを追跡したりも自由自在。

GAで見てもいいのですけど、Salesforceのレポートで表示できると、GAが見れない営業や上司への報告もラクになりますね。


2.怠け機能 for インサイドセールス

インサイドのメイン業務。見込み客への電話アプローチ。

1件電話するたびに活動入力をして、首尾よくアポイントが設定できたなら商談レコードも作らなきゃいけない。あと、商談には主キャンペーンソースもつけておかないと後でPDCA回せない。考えただけでめんどくさい。早く次のお客さんに電話したいのに、、、

これを怠けてみます。

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細かいところまで見たい方は以前のnote#2へ。これをすることでキャンペーンメンバーに対応履歴がついて、営業に引き渡すリードには商談が作られます。主キャンペーンソース項目とか入力がモレがちなところも全部自動でデータが入ります。

これにより、

・インサイドは、どのリード郡にどのくらいのアプローチできたか?
・担当別のアポ率は?キャンペーン別の率は?残リードは?
・商談生成への貢献量は?パイプラインへの貢献量、売上貢献量は?

が、自動的にレポートされていきます。

ちなみに、今週からMiitelを入れてるので通話終了と同時に活動履歴が自動で作られるようになりました。こうなると本当にデータ入力が極小化されますね。

目指せ怠けのユートピア。

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3.怠け機能 for セールス

営業活動でめんどくさいことの1つ、日程調整。

お客さんに3つくらい候補日送って、返信来るまでは一応カレンダーに全部の仮予定入れておいて、返信返ってきたら予定確定にして仮予定は削除、、

しかもそれが並行して何社とも。。。
メールで日程やり取りするのは地味にたいへん。

これを怠けてみます。

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これにより、日程調整が格段にラクに。

この機能の活用シーンはこれに留まらなくて、Pardotのシナリオメールに載せたりすれば、Engagement Studioを使った定期状況確認メールでそのままアポ打診までできるように。

ちなみにRevComm社は、Webサイトの資料請求後の完了ページに、これと同様なページを配置してるようです。要は、資料請求後に自動的にお客さん側からアポを入れてもらえるように設計されてる。アポ率は40-50%だとか。

すごい。怠けの極み。(もちろん良い意味で!)

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『怠け機能』をシステムの美徳に

以前、僕が登壇したとき
「定着しない業務システムの3パターン」を話しました。

ユーザの運用コストを最小化するようなシステムは定着するし、
組織のチカラになる『良い業務システム』だと思うんですよね。

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最近、消費者向け産業では「顧客体験/UX」なんて言葉が流行ってます。
ユーザの利用体験を考えることは大事。

『企業ユーザは、データ入力をサボりたい。まじで。』
という気持ちは、100年経っても変わらない真理だと思っています。

その気持ちに、最大限寄り添える業務システムが良いなぁと思ってます。


結局、根底にあるのは、
「社内向けの事務作業なんてしたくない、お客さんのために時間使いたい」
という世界観。

それに近づくよう、これからも試行錯誤しようと思います!

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