かみしょー

プロ山岳ランナー。選手&コーチ。長野県白馬村。Mountain Addicts 代表。 トレラン・スカイランニングのトレーニングについての情報発信。

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  • レースレポート

    トレラン・スカイランニングのレースレポートです。海外レースの様子や現地での生活、レース展開などリアルをお届けします。

最近の記事

夏のトレーニングまとめ

毎月記録するつもりが気づいたら4ヶ月過ぎてた🙇‍♂️ ざっくり4ヶ月のハイライト🔽 手術前シーズンの締めくくりとして5月末にヒルクライムレースに初挑戦。その直後に足首の手術、退院してまだ松葉杖も取れない6月末に肩の手術と入院と自宅のベット生活を1ヶ月半ほど。7月末から室内バイクを再開して8月は外でもロードバイクを漕げるようになり元の練習量に復帰。ランニングはつい最近、8月末に再開。骨の痩せによる痛みでぎこちないフォームでちょっとしか走れないけど久々の感覚にワクワクが半端ない!

    • インターバル走の前にスタミナを鍛えよう

      シーズン初めや怪我からの復帰直後などはスタミナをまず強化するのがセオリー。だがなぜインターバルを行わないのだろうか。ひとつは筋や腱の強度が低い状態で高強度トレーニングを行うと怪我のリスクが高いためである。しかし生理学的にも理由があるはず。 生理学的に見るスタミナの重要性 ランニング中にエネルギーを供給するシステムは有酸素系と無酸素系の二種類に分けられる。有酸素系は酸素を使って主に脂肪をエネルギー源としてエネルギーを作り出す。一方、無酸素系は酸素を必要としないシステムで、糖

      • なぜベストパフォーマンスは続かないのか

        楽しく走るだけじゃなく結果を出そうと思うと考えるようになるのがシーズン計画。狙った大会でベストな状態で臨めるように逆算してトレーニングの内容やボリュームを時期によって変えたりする。最近はトレーニングを管理するアプリもたくさんあり、今のコンディション、ピークの持って行きかたを示唆してくれる。だが、ふと思うのはベストな練習メニューを一年中繰り返すことで右肩上がりにずっと成長を続けることはできないのだろうか。なぜベストコンディションは続かないのか。なぜオフシーズンを設ける必要がある

        • 【論文解説】登りで大事な筋肉は?

          今回はジョージア大学で1997年に行われた研究についての紹介。論文のタイトルを日本語訳すると「水平および上り坂走行中の下肢筋の活性化」ってな感じ。トレッドミルで傾斜0%と10%で疲労困憊まで走り、直後の右足をMRIでスキャンして活性化された筋肉の違いを調べたもの。登りではどの筋肉がより重要で鍛えればいいのか参考になる研究です。そんな研究が30年近く前に行われていたとは! 対象:レクリエーションレベルの女性ランナー12名 手法:トレッドミルで傾斜0%と10%で比較。被験者はV

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        • レースレポート
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        記事

          2024/4月トレーニングまとめ

          総練習時間 : 51時間 距離 : 1,241km 累積標高 : 15,266m 雪もすっかり溶けたので室内バイクから実走にシフト。親父から譲ってもらったアルミのロードバイクにずっと乗ってきたが色々とガタがきてるのでついに新しいのを購入。っていっても新車は高くて手が出せないので中古の2008年もの。サーヴェロR3。前のアルミに比べたら驚くほど軽くてトレーニングが楽しくて仕方ない!FTPだとかトレーニングを上手く組み立ててパフォーマンスを上げるとかは考えずにに手術まではとにか

          2024/4月トレーニングまとめ

          3月トレーニングまとめ

          総練習時間:45時間 自転車:40時間 スイム:2時間 その他:3時間 足首の怪我は…日常生活は全く痛くないし、自転車も漕げる。でも走るのだけができない。2ヶ月以上リハビリやら色々やってきたけど手が尽きたのでついに東京の病院に変わることになりました。走れない苛立ちをペダルを回る力に変えてます🚴‍♂️ 3月はじめに注文したスマートトレーナーが届いたのでひたすら室内でZwifざんまい。ジムで1時間バイク漕ぐのは苦行だったけどZwiftはゲームしてるみたいにあっという間に終わる

          3月トレーニングまとめ

          登りの強さは何で決まるか?

          登りの強さは何で決まるのか。マラソンではVo2max、LT、ランニングエコノミーの3つがパフォーマンスを決定すると言われるが登りではどうなのか。持論を展開します。 まずは3要素の簡単な説明。もっと詳しく知りたい人はググるとたくさん出てきます。 ・Vo2max:どれだけ多くの酸素を取り込み、使ってエネルギーを生み出すことができるか。肺で取り込んだ空気から酸素をこし取り全身の隅々の細胞まで届ける総合的な能力。心臓の強さ、毛細血管の密度、ミトコンドリアの量と質が関係する。 ・LT

          登りの強さは何で決まるか?

          【2024年2月】トレーニングメモ

          合計トレーニング時間:36時間 スイム:41.4km バイク:60km トレミウォーク:25km ジョグ:25km 補強:5時間 人生で一番泳いだ1ヶ月。スイマーズハイ。でも泳ぎまくってるってことは走れてないってこと。怪我後1ヶ月くらいは良い感じかなと思ったけど捻挫による痛みが引いてきた分、距骨がひっかかる痛みがしっかりわかるようになってきた。お医者さんの意見と自分の痛みの感覚がどうも合ってない気がする。。。ジョグ再開の許可が出たけど走ると明らかに腫れるので未だバイクとスイ

          【2024年2月】トレーニングメモ

          有酸素と無酸素のピラミッド

          持久系アスリートのパフォーマンスは土台部分にあたる有酸素性能力とその上に乗っかる無酸素性能力の二つで成り立つ。主張したい大事なポイントは①パフォーマンス全体における土台(有酸素能力)の割合が大きいこと、②無酸素性能力は土台の大きさに依存しているということ。 有酸素性能力 低い強度の運動を継続する能力。強度の目安としては会話を無理なく続けられるかどうか。息が上がって会話が難しくなってきたら無酸素性の域に入っているかも。有酸素性ではその名の通り酸素を使って主に脂肪を分解してエ

          有酸素と無酸素のピラミッド

          【2024年1月】トレーニングメモ

          まとめ 43時間(1月25日まで) ラン :32時間(320km) スキーモ:11時間 累積標高:13,500m 年末年始もしっかり動いて良いスタートが切れた。鎖骨の抜釘手術後は骨が弱くなるのでスキーモはしばらくお休み…のつもりだったけど凍った道を走る方が危ないので天気と路面状況見ながらランとスキーモをバランスよく。 手術したので左の腕振りがぎこちない。左に偏った走りでちょっとスピード上げたらすぐに坐骨神経痛発症。それもありスキーモの頻度が増える。 そして、1月25日に裏

          【2024年1月】トレーニングメモ

          持久系スポーツのトレーニング原則①

          トレーニング=刺激と適応 トレーニング、日本語で鍛錬。鍛錬を辞書で引くと「金属を火で熱し、また水に入れて打ちその密度を細かくし強くする」。トレーニングとは刀作りとイメージが似ている。丁度いい強さ、タイミングで継続して刺激を与えることで徐々に強くなっていく。刺激が強すぎると壊れてしまうし、弱すぎると強くならない。刺激とセットで意識をもっと向けないといけないのが適応。トレーニングセッション後に起こる身体が回復&強化されるプロセスのこと。刺激を与えると疲労によって一時的にパフォー

          持久系スポーツのトレーニング原則①

          ジュニアトレランチームのコーチをして思うこと

          2021年にMountain Addicts(マウンテンアディクツ)というトレランのジュニアチームを始めて2年半が経った。少しずつ人数も増えてきて10〜15人くらいの人数で月に2度、平尾富士山(長野県佐久市)での練習と毎週木曜にオンライントレーニングをしている。さすが成長期って感じで練習すれば見る見る速くなっていくのが羨ましい笑。と思うと同時になんでも純粋に吸収してしまうので正しい知識やコーチングで接してあげないと勿体ないというか、危険だなと思うことも。大人でもトレーニング理

          ジュニアトレランチームのコーチをして思うこと

          高地トレーニングや順応ついて

          今年は国内でも海外でも高地にたくさんいた。8月にはヨーロッパアルプスでモンブランなど4000m級の山をいくつか登って今まで経験したことのない苦しさを体感できた(単に高山病?w)。山岳競技ではどれだけ標高に身体を順応できるかがパフォーマンスに直結するのでしっかり理解したいと思い本や論文を読んだ。なるほどがたくさんあったので自分なりにまとめてみた。 高地トレーニングの効果 高地、つまり低酸素状態でトレーニングすると血中酸素濃度の低下を引き起こす。すると腎臓でEPO(エリスロ

          高地トレーニングや順応ついて

          [トレラン]疲労について①

          疲労と言っても種類はそれぞれ。レース中に感じる一時的なものや慢性的なもの、内臓疲労や筋肉疲労など。それぞれの原因を知って対処できるようにする。まずはレースやトレーニング中に感じる急性の疲労について。 疲労の種類 エネルギー、代謝系 筋肉系 特定の物質の蓄積、不足 熱 脱水 慢性疲労 内臓疲労 オーバートレーニング 脳疲労 エネルギー枯渇による疲労 良く言うガス欠状態。マラソンで言うところの30kmの壁。筋肉や肝臓など体内にストックしていた糖が尽きてエネ

          [トレラン]疲労について①

          Chamonix & Zermatt旅行記

          8月1日から1ヶ月間、フランスとスイスに登山とトレーニングとレースをしに。その日記。 1日目 前日まで大会とイベントで忙しく、当日の朝に急いでパッキング。80Lザックでもパンパン。スカイランニングユース世界選手権に参加する莞爾とたまたま飛行機が同じだったので長野駅で待ち合わせて羽田へ向かう。最後の日本飯は吉野家の牛丼。 2日目 ドバイで乗り継いでジュネーブに到着。1時間半バスに乗ってChamonixに着いたのが19時。近くのキャンプ場にテントを張ってスーパーに買い出し。ま

          Chamonix & Zermatt旅行記

          Mont Blanc登山

          ヨーロッパアルプス最高峰モンブラン(Mont Blanc)登頂の記録 仕事の夏休みを利用して1ヶ月フランスとスイスに武者修行。まずはシャモニー(Chamonix)。去年の6月はモンブランマラソンに出場するために訪れたが今回は標高4807mヨーロッパアルプス最高峰のモンブランを登りに来た。 今回の滞在はキャンプサイト。 初の4000m峰、しかも海外でソロということで今回ばかりは事前にいろいろ準備した。 ルート モンブランに登るルートはいくつかあるが最も一般的なのがグーテ

          Mont Blanc登山