『村上T 僕の愛したTシャツたち』を読んで
今までワンピースは何十枚と自分で選んで買ってきたけれど、たぶんTシャツは2〜3枚しか買ったことがない。いちばん記憶に新しいのは3年くらい前、諏訪湖でフラッと寄った古着屋で買ったデフレパードのバンドT。村上さんが「やれ具合」って言うのと同じかわからないけど、くたくたに仕上がった安物Tの感触はだいすき。
プリントTシャツが一般に流通し始めたのは70年代という話に、へー!と驚く。でもよく考えてみれば、プリントもストレッチ素材も量産技術の産物であるし、それもそうなのだけど、Tシャツの誕生を考えたことなんてなかった。村上さんが「これはよく着る」「これはさすがに普段着れない」と言う線引きがおもしろい。わりとキュートなものに「いいデザイン」と言っていて、少し意外。
最終章のビールの話がいちばんよかったな。野村訓一さんがインタビューするあとがきも。村上さん、プロントとか行くんだ。私も疲れたときに行くプロントが結構すきだ。展示会後にくたくたで行ったビックサイト横のプロントとか、へとへとで電車に乗る前にピットインした新梅田食道街のプロントとか、個展のときひとりで入った札幌のプロントとか。あれ、プロントの話になってしまった。
これから古着屋さんやミュージアムでTシャツもっと見てみよう。ひとの偏愛ってたのしいね。