untitled-52

逃げ出せない悲しみの中で

脱け出せない沈黙の中で

服に落ちた銀の雨を払い

駅までの15分を歩く

ボールペンのインク

残り少ない影の色

語ろうとすれば抜け落ちて


胸にしまったままでおいた方が

いくらかましだと思うのです


砂漠は遠い海のはてで

何十年も口をつぐんでいるのです

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