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障害のある子の収入構造

前回からの引き続きとなるが、今回はまず収入について説明していきたい。


みづら…

収入の組み合わせ


ざっくりと、収入に関する大まかなパターンを把握していただくため作成した図である。
子ども本人が支援学校を卒業後、能力に応じて進路を決めていく流れとなるが、各人の収入は上記図の上中下段の要素を組み合わせて考えることとなる。

上段については、左に行くほど月の収入は多くなる。一般就労はその名の通りで、一般企業へ障害者枠、もしくは一般枠で就職し、勤務する形である。
つまり、月収も初任給に関しては、時給単価で変わらない。
もちろん時短勤務というケースもあるので、その分は少なくなることもあるが、基本的には社会保険の加入も可能となり、将来の収入としての厚生年金が選択肢として使えることになるため、非常に心強い。
一方必ずしもではあるが、障害年金の受給ができないケース、例を挙げると、知的能力はボーダーライン上で、努力を伴えば日常生活がこなせるようなこの場合、などでは、収入のベースとしての年金が確保できなくなるため
仮に申請を考えるのであれば、やはり障害年金とくに、精神の障害での取り扱いを専門とする社労士に依頼することを前提に、検討していっていただきたい。もちろん申請自体は再チャレンジは可能なものの、時間の無駄感が否めないからだ。

つぎのA型事業所も、労働契約下の就労となるため、最低賃金保証が付くこととなり、賃金も10万前後が期待できるため、障害年金とセットであれば、一定の収入は確保できる。

問題なのは、B型事業所である。これは一部の例外はあるものの基本的には2万円前後の工賃ということになるため、前回の事例のケースに近く、親の援助が必要になることが多い。
一方で障害が重い、ということも増えてくるため、障害年金はほぼ受給できるという状況である。

収入構造変化のタイミング

さて、問題は、子が青壮年から中高年に移行した段階である。
なぜなら、特性の先鋭化、あるいは退行という症状が出てきた結果、
就労を続けていくことが厳しくなってくることも想定しなければならない。
その場合、収入は、障害基礎年金のみになるか、あるいは社保に加入できていれば、老齢厚生年金がプラスオンされることとなるが、いずれにせよ、賃金や工賃を得ていた子は大幅な収入減である。
介護サービスを受けるほどに状態が悪化しているのであれば、ある意味日々の生活については心配がなくなるものの、それとは別の心配として、特養空いてない問題が浮上してくる。

ご存じのとおり、特養は入所待ちでパンパンである。
厚労省が過去に実施したデータでは、有料老人ホームの利用者の中の障害者手帳保有者数についてのリサーチがあり、療育手帳の保有者も含まれていた。
経緯に関する説明はなかったものの、恐らくは入らざるを得なかった人なのではなかろうかと思われる。
親族が負担できる、あるいは、親が残していた、というのであればまだしも、そうでなかったとすれば、ぞっとする話である。

こういったことまで加味して考えると、やはり本人が貯蓄していけたとしても、一定の財産を残して上げられれば、心残りは軽減されるのではないかと思われる。

もっとも、お客様の年齢層はまちまちである。4070の親子で想像しやすい一方、まだ小さいご家庭ではそれどころでは、ということも大いにあろうというところ。

想像しにくい話であり、またしたくない話ではあるが、真剣に向き合っていただきたいのは、死に方の話である。

それは親自身のことでもあるし、お子様がいずれ迎えるご臨終も同じこと。

人間生まれ方は選べないし、それによって決まる生き方死に方もあるかもしれないが、ほとんどのお客様は、生き方も、死に方も選べる状況にあると思われる。

子どもの最期をどう迎えさせてあげたいのか?
準備ができるうちに一緒に考えていけるのは、あなたしかいないと思って
問題解決に挑んでいただきたい。

続く

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