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退屈な夜に

退屈な夜に 何をしたらよいのだろう

「お酒をのんだらいいじゃない
うんとたくさん飲んで 心地よくなればいい」

つまらない つまらない
全部忘れてしまうのだから

「わたしとキスをすればいいじゃない
脳髄まで溶ろかす 甘美な味よ 時を忘れるほどに」

つまらない つまらない
いずれ心は離れていくのだから

「じゃあ 星でも見てなさいよ 
 ひとりぼっち 暗い空の下で」

それがいい それがいい
何億光年先の星と対峙するには
一人の方がいい
一人じゃないと 向き合えない

声と別れ
街を去り
僕は夜の草原まで歩いた
誰もいない 誰も知らない僕だけの場所

星が一つだけ 光を放っている
その下で
僕は輝いている

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