ずっと、キスシーンにはガラス板が使われていると思っていた。
いや、これはきっと同じこと考えてたよって!っていう同意の声がたくさん上がるんじゃないかと思ってるんですけど。
ドラマとか映画のキスシーン、二人のあいだにはガラス板かなにかがあるんだろうな~って思ってませんでしたか?
カメラには映らない、透明なプレパラートみたいな、プラ板みたいな、もしくはサランラップみたいなやつが二人のあいだにはあって、きっと本当にキスしてるわけじゃないんだろうな…………って。
たしかね、中学くらいまでそう思ってました。
さすがのわたしも、ドラマで好き合ってる二人が現実に好き合ってるわけじゃないっていうのは知っていました。
だから、現実に好き合っているわけじゃない二人がまさか本当にキスしてるとは思ってなかったんですよ。
きっと二人のあいだには透明なガラス板があって、キスしてるように見えるけど、実際にはしてないんだろうな~って。
だからドラマでキスシーンがあると二人の間のガラス板をすっごい探してた。どうにか見えないものかと思って。
今思うと、めちゃくちゃ真剣にキスシーン鑑賞しているやばいやつですね。
ちがうの! キスシーン見たかったわけじゃなくて、ガラス板探してたの!
もしくはサランラップを探してたの!!
でも見つからなかったんだよ!! 目を皿のようにして探したのに!
知ってました?
あれ、本当にしてるらしいですよ。
どうやら二人のあいだにはわたしが想像していたガラス板はない、と知ったときは、だいぶ衝撃でした。
まじで!? 二人は本当にキスしてるの!?
現実には恋人じゃないのに!?
うーわ、大人って……!!!
それからはもうガラス板は探していません。
わたしも大人になりました。
だから、ご家庭でお子さんが目を皿のようにしてキスシーンを見ていたからって、破廉恥などと決して思わないで下さい。
たぶんその子はガラス板を探しています。
恋人たちのあいだにあるはずの、ガラス板を探しているだけなんです。
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