![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43588709/rectangle_large_type_2_fc464bd4ea5d6ea61f82e21b13e69ddd.jpg?width=1200)
昔、父が店長をしていた本屋の話
元教習所の先生・三上です。
親父は歴が異常に長い、しがない書店員です。
が、なぜか私のフォロワーさんの受けがよく……なんでだ?w
▲これは真面目に仕事をしている話ですが、
▲こっちは素で全力でギャグをやっていました。
なぜか生じた書店員の親父ファンのために、ここはいくつか小話をご提供いたしましょう(例によって父には黙って書いてます)。
父は地元にいた頃、某書店の店長をしていました(今は他店で勤務)。
父の書店の特徴は、異様なまでのバイトスタッフさんの離職率低さで、2年以上のバイトさんが8割ぐらいだったと記憶しています。
一言で言いますと、ゆるい。
店員さんがのびのびしているお店でした。
*
私もいっとき、父の勤務先へ手伝いに入ったことがあります。
早番のパートを手伝ったので、開店の作業等をスタッフさんと一緒にしていました。
開店時は、配達業者さんが置いていってくれた本の照合から始まります。
雑誌に関しては、梱包を解いた後は同封されている伝票を父が読み上げ、スタッフさんが「ある」「ね(方言で、「ない」)」と答えていました。
親父:「KanKan!」
スタッフさん:「ね!!」
親父:「Nina!」
スタッフさん:「ね!!」
親父:「nanno!」
スタッフさん:「ねくてら(ないってば)!!」
親父:「はぁ!? 何もねぇのか!?」
スタッフさん:「何も来てね(来てない)!」
(注)上の雑誌名は適当です
ちなみに「ね(ない)」ですが、敬語でもなんでもありません。
ほぼため口。
これが、店長とバイトさんとの普通のやりとりでした。
父は「嘘だろ」と悲鳴を上げながら、バイトさんの解いていた荷物を確認しに行って、この日は本当に、伝票通りに雑誌が入っていませんでした(笑)。
*
また別の日。
朝に入荷した本をみんなで確認している時のことです。
女性スタッフのお姉さん2名がエロ本の照合に当たり、ざわざわ騒いでいました。
「えぇ、ちょっとこの付録ありなの!?」
「DVDはいいとして、これは……」
二人でたち膝で荷物を見下ろしながら、笑を堪えられない様子です。
「裕喜ちゃん、ちょっとこっちおいで」
はーい、と答えて行ったら、お姉さんがエロ本の付録を掲げました。
「どう思う、これ!
エロ本の付録!!」
お姉さんが掲げた付録は、
パンティでした。
「なぜ?」
私は率直に感想を漏らしました。
だよねだよね、と盛り上がるお姉さん2名。
「しかもね、これ、何種類もあって、その中から1枚ランダムで入っているんだって!!」
「入れるのうちらだけどね」
「他の付録、本当に違うパンティなの?」
「ほら、これとこれ違うべ?」
「本当だ!!」
「でも、これ、男の人、欲しいんですかね?」
今度は私も加わり、女子3人でギャーギャー騒いでいました。
「裕喜ちゃん、店長に訊いてみ?
男の人はこれもらって嬉しいのって」
お姉さんに言われたので、私はレジの方面にいた父に向かって声を上げました。
「店長ー!!
エロ本の付録がおパンツって、嬉しいですかー!!?」
父は即答しました。
「お前らー!!
娘を使って父親にこんなことを訊かせるんじゃない!!」
というわけで、女子3人の会話は全部父親に筒抜けでした(音楽かける前の店内なので、当然か)。
ちなみにこの後、「俺はパンツなんてどうでもいい、中身だ!」とも全力で答えていました、知らんがなw
とまぁ、スタッフさんとはこんな雰囲気だったようです。
昼休みはスタッフさんみんなで一緒にゲームをやったり、楽しく過ごさせていただきました。
ちなみにロッカールームの扉には、使わなくなった福山雅治の販促ポスターが貼られていましたが、「福山雅治」の名前の下に「事務所」とデカデカ油性ペンで書かれていました。
「裕喜ちゃん、ここましゃの事務所だから!!」
笑顔でロッカーに入っていくお姉さんとその声を、今も鮮明に覚えています。
父曰く、「使わなくなった販促物でテンションが上がるのなら、いくらでも好きに貼ってくれ」とのことでした(テーブルの周辺は萌え系ポスターが多かった記憶が)。
*
父が地元から別の地方の店舗の勤務になった時も、私はいっときお手伝いとして店舗に出入りしていました。
その時もスタッフさんと父の関係は同じようなもので、随分ゆるゆるとして和やかな店舗でした。
「店長ねーすぐブチ切れるのがあれなんだけど」
コミック担当スタッフさんが、父について語ったことがあります。
「言っていることは正しいし、ちゃんと見てて必要な時は修正するし、お客さん相手でも正論かますから、働く側としては安心できるよね」
というわけで、過度にゆるゆるだったわけじゃないようです。
父は一度、雇用面で大変理不尽な目にあったことがあり、「好きでバイトやっているわけじゃないのに、安い給料であんなふうに言われたらやる気無くすわ」とその時に気づいたと私に語ったことがあります。
「役割が違うだけ、責任に伴って給料が違うだけ、人としての格差じゃない」ということを父がよく話していたのを、この記事を書きながら思い出しました。
サポートいただきましたら、noteにおける活動(お絵かき、リーディング等)のために使わせていただきます(^^)