フィードバックの疑問

「なんで部下から上司へのフィードバックってないんやろ」

仕事をしていて、疑問に思っていた。上司から部下へのフィードバックっていうのはよく聞く話である。もちろん、最近はフィードバックすらない職場もあるだろう。忙しいとか、時間がとれないとか、他に優先するべきことがあるなど、理由は挙げると様々である。フィードバックというものはそもそも、何のためにあるのかを少し考えてみたいと思う。仕事でも勉強でも必ずやったことに対して、結果がどうだったのか、上手くいったならなぜ上手くいったのか、上手くいかなかったのならなぜ上手くいかなかったのか、これを明確にしていかないと成長速度も遅く、先に進むことが出来ない。自分でこれをやることが出来る人はいいが、人間誰もが自分のことを一番自分が知らないものだということは多くの場所で聞いたことがあるように、まさしくその通りである。自分が思っていることと周りの評価は同じように一見思ってしまうかもしれないが、そのほとんどは周りの評価との大きなズレがある。そのズレを明確にするために、この他人からのフィードバックというものがある。しかし、おそらく大半の組織やコミュニティでは個人に対するフィードバックというものはなされていないのではないかというのが、個人的な意見である。部署やチームといった小さな集合体に対するフィードバックはあるかもしれないが、これはまたやや大雑把なフィードバックになり、個人としてはそのフィードバックを自分に向けられているとは感じにくい。個人には、自分に置き換えて考える力を持ってもらう必要があるが、これもまた普段から練習をしておかないと簡単にできることではない。そして、やっかいなのが年齢を重ねていくと、そして自分の立場が上になればなるほど、このフィードバックというのはもらいにくくなる。むしろ、もらう人の方が皆無ではないかと思う。もちろん、個人的にフィードバックをもらいにいくような積極的な人間であれば別だが、そうでなければ野放し状態である。個人的に、コーチやコンサル、カウンセラーといった自分のビジネスパートナーのような人物を横に付けていれば、この問題の大半は解決されるだろう。しかし、あくまで個人としては所属している場所、つまり職場やコミュニティおいてのフィードバックが重要である。外部からの視点というのは個人としては非常に大事であるが、中のことは中にいる人がやらねばならない。このとき、上がやらないのであれば、もはや立場が上だろうが下だろうが、言うべき人が言う、もしくは言える人が言うということが必要になる。しかし、そういうとなかなか言える人物というのは組織の中でもそれほどいない。皆、保身か諦めか、人にかまっている暇がないか、なかなか関わりを持つことができなくなるのである。それにしても、フィードバックは上司から、上の立場にいる人からという思い込みが僕の中にもどうやらまだまだ根強く残っているみたいだ。組織を動かす、いずれ自分が組織を持つときにそれが出来る人物になっておくことで、自分の周りの人をもっと活かし、もっと成長させ、その人の幸福を高めることができるかもしれない。その家族やその人の友人にもその幸福を連鎖させることができるかもしれない。そう思うと、言うべきことやはり言わねばならぬのか。そう思いながら、もう少し様子を見ながらと、少しばかりの逃げ腰を抱え、この疑問の解決に向かおう。

自分の意見を言える人に、今日も明日も向かっていくのである。

~fin~

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