真紅のカーネーションを添えて
もし、人生やり直せるなら。
誰もが一度は考えたことがあるだろう。
初恋のあの人に思いを伝えたいだったり、もう会うことができないあの人に会いたいだったり、夢を叶えたいだったり。
みんな好き勝手妄想するけど、答えが出ることなんてない。
だって、やり直すことなんてできないから。
「もし、やり直せたとしたら高校卒業くらいからやり直したいんだよね
でも、そうなるとふたりと出会えなくなっちゃうんだよね。それは嫌だからやり直さないけど」
なにがきっかけでそんな話をしたは覚えてないけれど、母はわたしにそう言った。
どうやら、知らないところでわたしと弟の存在は母の人生を変えてしまったらしい。その事実に少しの胸の痛み。
でも、それ以上に必要とされて、愛されていることを感じたわたしにとって大事な言葉。
人生で一番泣いた言葉かもしれない。今思い出しても涙が出てくる。
その言葉に救われることが未だにある。
高校の頃、進路を決めるとき、母から諦めた夢があったって話を聞いた。
女の子なのに、という理由で両親から反対されたらしい。
なんだかんだわたしも諦めてしまった夢があるけれども、良くも悪くも放任主義で寛容な方だったとは思う。
思わぬところで過干渉だったこともあるので一概には言えないけど、わりと自由にさせてはもらえた。
普段は友達親子なので感じていないのだけれど、やっぱり母親なんだなと感じる。
自分が社会人になって、母に対して疑問に思うことも出てきたけど、わたしの母はこの世にたったひとりなのは間違いなくて。
母にとってわたしたちが特別なように、わたしたちにとっても母は特別なのだ。
絶対直接は言わないけれど。
2020.mother's month
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