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本「言葉の園のお菓子番 見えない花」

ほしお さなえ著。
オーディオブックにて。

こんな素敵な本があったなんてねー。
まだまだ新たな本と出会えるんだな。
あぁ、本があれば
これから年をとっても楽しみがなくならない。

30才前後で読書にめざめ
約20年。
すっかり50才を過ぎたおばちゃんになったわけだけど
新しい素敵な本と出会うのは
とても嬉しいし、これからの新しい本との出会いが
楽しみでもある。

主人公、一葉(かずは)が失業し
実家に戻る。
亡くなった祖母が残したノートを見つけ、
祖母が生前楽しんでいた連歌の会に参加することで始まる物語。

「連歌」という世界をテーマに
言葉と
想いと
人が生きるということ、
そして、つながりをも描いている。

連歌の会には、様々な年齢層。
仕事もさまざま。
高齢のおばあちゃま、学生さんも。

そんな人たちと
歌を通じて
色々な気持ち、想いなどに触れていく一葉。

登場人物の背景が色々だから
ストーリーも飽きがこない。

そして何より、
とても心地良い。
外から涼やかでキレイな風が入ってきて
ふうっ、と息をつく感じ、とでも言おうか。
穏やかで心地良い空気。
この本にはそれを感じる。

村上春樹の「ノルウェイの森」を20代の時に読んだ時
なんだかとても不思議な感覚を感じた。
空気が湿っている。
森の中の濃霧にさらされている、そんな空気を感じた。
そんな小説を読むのは初めてで
話が面白いとか面白くないとか
そんなこととは別に、なんだか驚いた。

一方、この本は
読んでいると穏やかな気持ちになれる。

共感するとか
主人公と一緒に成長していく、とか
主人公を見守る、とか
そういう読み方ではないだろう。

風景を見ている、そんなスタンスで
この物語を聴いている。
そしてその空気感がとても心地良い。

次作も早速聴き始めている。

楽しみ!



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