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【読書日記】4/2ゆっくり訪ねたい九州国立博物館。「きゅーはくの絵本」

まいごのぴーちゃん きゅーはくの絵本①花鳥文様
じろじろぞろぞろ  きゅーはくの絵本②南蛮屏風

太宰府天満宮のお隣には九州国立博物館があります。
4番目の国立博物館として平成17年に開館。
「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」をコンセプトに「学校より面白く教科書より分かりやすい」を目標にしているという「きゅーはく(九博)」に開館時に訪れてすっかり魅せられてしまったのですが、何しろ遠いので滅多にいけないのが残念なのです。

それはさておき、「きゅーはくの絵本」シリーズは、所蔵品を題材にした絵本で私が持っているのは、「まいごのぴーちゃん」と「じろじろぞろぞろ」の二冊。
「まいごのぴーちゃん」は、柿右衛門様式の色絵皿(日本 17世紀)から抜け出して遊びに行った小鳥のぴーちゃんが、インド更紗(17-18世紀インドムガル時代)や青花皿(15-16世紀ベトナム黎朝時代)、バティック腰巻(19-20世紀インドネシア)などアジア各地の工芸品に出会いながら自分のおうちに戻ってくるお話。
草花と鳥獣を組み合わせた花鳥文様の地域ごとの特徴を楽しく分かりやすく示してくれます。

そして、「じろじろぞろぞろ」は、南蛮屏風を題材にしています。「南蛮屏風」とは、船長や商人、宣教師など様々な南蛮人が登場し、南蛮寺と大型帆船である南蛮船が描かれるなどいくつかの条件を満たしたものを呼ぶそうです。
外国からやってきた南蛮船からおりてくる人々、それを迎える人々を描いているのですが、解説によると南蛮人・異国人が90名、日本人は203名描かれているそうです。
漠然と見ているとあまりぴんと来ませんが、解説を読むと、船員たちが多国籍であったり、物見遊山の日本人が弁当持参で集まってきていたり、南蛮人を快く思わない人がいたり、食料として積み込まれ生き延びたブタがいたり、とエピソード満載です。

やはり、適切な解説があってはじめて博物館・美術館をより楽しめるのだな、と思います。
「きゅーはくの絵本」は、初心者向けなので子供でなくてもたのしめるのですが、いつの間にか10冊まで発行されておりました。しかし、ほとんど品切れで手に入れられず。本は一期一会なんですよね・・・。

九博、またゆっくり時間をかけてみて回りたいな、と思っています