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【読書日記】2/10 青い地球の青の時間。「あおのじかん/シムレール」

あおのじかん
著者 イザベル・シムレール (文・絵),石津 ちひろ (訳) 岩波書店

「月とコーヒー/吉田篤弘」の中の「青いインク」の話の印象が深くて。
あおが印象深いこの絵本を読みたくなりました。

お日様が沈んで、少しずつ空が青みが増してくる。
青、藍、紺、時間とともに青色も深みを増し、そして、また明るさが戻ってくる。
青の時間に生きる生き物たちの深く静かな息遣いが聞こえるような絵本です。
空の青、海の青という昼の時間の青とは違う青の時間。
氷原を行くほんのりあおいホッキョクギツネ。
画面いっぱいの朝顔とモルフォチョウ。
やぐるまぎく、ほたるぶくろ、わすれなぐさにすみれ、咲き乱れる青い花々は異界の花園。
青の凄みを増す夕闇に溶け込む青みがかった猫は魔女のおつかい?
空と海の境目が分からない群青の世界に浮かぶシロナガスクジラ。
お月様に照らされた闇に包まれる青い生きものたち。

人は、町の明るさに慣れすぎて青の時間を忘れすぎてしまったのかもしれません。
金曜日の夜です。明かりを消して「あおのじかん」を静かに過ごしてみたくなりました。