【読書日記R6】3/11 忘れない。「東日本大震災を詠む」
能登震災から始まった今年も三カ月が過ぎました。
北陸の地は、まだ寒いのではないかと案じています。
さて、昨日は何かと取り紛れて投稿できませんでしたが、3月11日でした。
東日本大震災を詠む
俳句四協会 (編)朝日新聞出版
久しぶりに本書を手に取りました。
東日本大震災から4年後の2015年の三月に出版されました。
日本の主だった4つの俳句協会が協力して、震災について詠まれた俳句約2600句を編纂した本です。
津波直後に見たもの、避難所の日々、年月が過ぎて季節が巡り、1年後そして2年後の春におもうこと
慟哭と憤怒と寂寥と哀惜と愛情
怒り悲しみ嘆き愁い惑い慰め諦め慈しみそして少しの希望
持って行き場のない気持ちが詩(俳句)になり、その時の生々しさでそこにある
震災から13年経ちました。
震災を直接経験しなかった人たちは、私も含めて、申し訳ないことながらその記憶が薄らいでしまっているように思います。
だから、読む。
涙を流しながらも、震災詠を読み、及ばずながら追体験する
傷ついた人たちにわずかなりとも寄り添うために
天災を防ぐのは人の身には難しいけれど減災の取組は出来ることを信じて辛苦の体験から得た知識を受け継ぐ
そして、人災はけして繰り返さないとの決意をあらたにするために
この本におさめられた一句。
私はこの句が好きです。
蒼天を仰いだときのようなしんと心に染み入る悲しさと潔さ。
縁あって生を受けた場所、その光も影もともに受け入れて、大地に足をつけて生きていこう、そう思わせてくれるのです。