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花虹源氏覚書~はじめに~

今年、注釈が充実している新装版岩波文庫を利用して源氏物語の原文を読むことに挑戦しています。
いかに分かりやすくても他に口当たりの良い本がおいでおいでをしている中で読み進めるのは容易ではありません。

そこで、読んだところを記録する目的で訳していこうと思ったのですが、やはり古文の専門知識がないと対訳はむずかしい。
もういっそ、私が自分の中で育んできた源氏物語を含めて記録して行こう、と開き直りました。
今の私の理解の及ばぬところは思い切って省略しました。十年後、二十年後また機会のあったときに書き直します。

訳しているうちに、女房が姫様に語り聞かせている光景が浮かんできました。源氏物語は、彰子様が自ら読んだのではなく、女房達が読み聞かせていたと思っていることも影響していると思います。

この女の子は誰だろう、と考えて、源氏物語で描かれた世界のずっと後の時代の明石の姫君の子孫の姫(傍系で今はほどほどの身分)かな、と。
その姫にかつては宮中で女性官吏(内侍)をしていた教育係の女房・虹花内侍が先祖の歴史を語り聞かせているという設定です。

こちらでいう大正・昭和初期の十三歳くらいのちょっと勝ち気で小生意気で好奇心旺盛、根は素直な令嬢の雰囲気を想定しています。
地の文は虹花内侍の語り。(主観多め。)
ところどころ、姫様の合いの手が入ります。和歌は原則として姫様に解説してもらうことにしました。

平安時代の風俗、用語の使いかた、敬語などは生半可な知識で使っていますので間違い・不備だらけですが、自分の楽しみとして綴っているものなので大目にみてやってください。
並行してこつこつ地道に学んでおりますので、誤りは気が付いた都度修正してまいります。

亀のようにゆっくりと猿のように遊びながら源氏の世界を楽しんでまいります。
あたたかい目で見守ってください

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