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没後2年。いまイノマーと出会ったわたし

言うにいわれぬ気持ちで、
今日はここに車を停めた。

…とあるお店の駐車場である。

学校に小一時間用事ができた長男を
車で送ってやったついでに
わたしはどこかのカフェにでも寄り、
読書でもパソコン仕事でもなんでもして
有意義に時間を過ごそうと思っていた。

ところが、
なんだかなんにも手につかないのだ。

昨日みた動画が心に焼き付いてしまったから。。

みなさんは
「イノマー」という人を知っていますか?

わたしは昨日の晩まで知らなかった。

イノマーは色々な伝説を持つミュージシャンで
ライブでも作品でも
とんでもないパフォーマンスをする人だったようだ。
(使用済みのティッシュをばら撒いたりする笑)


銀杏BOYSの峯田とか
エガちゃんとかと親友で

20代後半から30代前半の頃には
氣志團とかサンボマスターなどなどを見いだした
気鋭の編集長で
過激な表現が物議を醸し
結果、副編集長に降格になったり
脱サラしたり

とにかく
むちゃくちゃで
むちゃくちゃ愛すべき人だったようなのだ。

この人は2019年
53歳までは生きていた。

口のなかに癌ができて
舌を切除し
滑舌わるくなっても構わずライブをやって

死んでしまう2ヶ月前にも
たくさんの仲間と
人生最大のライブをやって

自分を使い尽くして
四つん這いになり
立ち上がってガッツポーズして
また這いつくばり

その後の
病床での姿…

最期の最期まで生き切った
ありのままを収めた
ドキュメンタリーを
わたしは見てしまった。


…きのうの夜
なにげなくFBを見ていて
いつもは触らない動画のボタンを
うとうとしながら間違えて押した

そしたらなんかそれが
テレビ東京の
「いまから家に行っていいですか?」みたいな
番組で
そこにイノマーさんのことが
ダーッと映し出されてきて
目が離せなくなったのだ。

…見ないほうがいい人も
いるかもしれない。

もし
子どもたちに見せるかと聞かれたら
躊躇した上で
わたしはたぶん
18歳以上にならないと見せきらんと思う

おすすめするかと聞かれたら迷う。
だけど
わたしは完全にもう
衝撃受けてノックアウトされてしまった。。
とてつもない生き方
すーごいすごすぎる作品だった。

内容はというと…
とてもじゃないけど
ここでは言えないし書けない。

バンドの名前すら
とてもじゃねえけど
わたしには言えんやん!!泣

初めに「イノマーを知らんかった」と書いたが
もう20年近く前から
実はなんとなく知っていたと思う。でも
彼らは全裸だったし
わたしの目と耳と脳がヤバさを感知して
インプットを回避してしまっちょったんかも…

わたしはこの前
田中泯さんの「名付けようのない踊り」を
観たことを書いた。

そのとき
生気みなぎる泯さんの踊りをみて
一方で
人が死んでしまう瞬間のことを考えた。

イノマーのドキュメンタリーを観た今は
死んでゆくアーティストの姿をみて
なぜか、
人が生き抜く力の凄さのことを思っている。

なんにもまとまらず
ふうっとため息が出るんやけど
これはたぶん感嘆のため息…

素敵やったなー
イノマーさんと仲間たち。
すごいなー
この作品を撮った人。


そういえばイノマーは
オリコンの元編集長。
伝説の書き手でもあったらしい…と思い出して
わたしはたった今、
その文章を初めて読んだ。

死んだ人なのにいま出会っている不思議、笑。
冬なので部屋が寒くて震えてきて
なんだか鳥肌が立つ

あんだけ死んでいく姿を見せつけておいて
いまもなお、膨大な思いとともに
他人の心のなかに転生するって

凄い、としか言いようがなくて困る。

(↑この中にイノマーが書いた文章が載ってる)


ドキュメンタリーを撮ったのは
上出遼平さんというディレクターだそうだ。

映画になったらいいなぁ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートを糧に、学んだり動いたりして、よりよいものを書いていきたいと思います。これまでサポートしてくださった方にも、この場を借りてお礼申し上げたいです。本当にありがとうございました!