いつもオレの背中に流れている主題歌は。
わたしは近ごろ、
大したことないことでちょっと色々あって
すーごい心がぺっしゃんこになったあと
復活したと思ったけど、
思い出してプンスカ怒ったり
気を取り直したり忘れたり
またプンスカ怒ったりを
この数日で3回くらい繰り替えしていた。
正直に認めよう。
わたしはかなしいほどに
小さい小さい人間であると。
…どのくらい小さな人間かっていうと
あるお店に立ち寄ったとき
弱い自分のために「強さ」というお香を
買いたくてたまらなかった、なのに
友だちの手前、恥ずかしくなって
どうしてもどうしても買うことができず
その近くにあった
「解放」というお香を買ってしまったのだ。
弱い自分を知られたくなくて、
本当に欲しいやつと違うものを選ぶなんて。泣
小せえよな、わたし。笑
…脱線したけれども、昨日のわたしは
小さい自分がいま抱えているこの虚しさや怒りを
あんま周囲にワーワー言わずに
自分のなかでちゃんと消化したかった。
それで深夜ひとり
怒りがぶり返したあと、YouTubeで
心を癒す曲を探してワサワサしていたのです。
どうせ聴くなら
酸いも甘いも噛み分けた
人間らしい曲がいい。そんな気分やねーかい、オレ。
(↑酒も空っぽでやさぐれちゃってる)
そんでわたしが愛するエレカシも
昔よく拝聴した54-71も
向井秀徳も、あとそれから何きいたっけ
この頃ハマってるヒップホップ
それから、激しいラップバトルまで
色々と観てみたんや。
全部全部よかった。確かによかった。
そやけど心にヒットしてこない。
例えていえば
わたしは金属バットの真芯で
硬球をひしゃげるほど打ち返したい気分なのに
そこまではヒットしない感じ
全部が内野フライかセカンドとファーストの間のゴロになってしまう。
…もっとなんかなかったかなぁ。。
そんな感じの曲選びのなか
急に、あるバンドを思い出したんや。
そうや。怒髪天があった。
怒髪天を聴いていたのは約20年前
会社を辞めて
青年海外協力隊に行き損ねたわたしが人生に迷っていたとき。
ルーツは忘れたけど、怒髪天のCDを聴きはじめて
すーごくいいなと思い
熊本の小さなライブハウスに足を運んだのだ。
その時に見た彼らの姿ったら。
まだ例のいろんな色のiMacの時期だったのか
ドラムの坂さんはなぜか「スケルトン」と呼ばれ
左っかわにおった(ような気がする)シミさんは「柳に風よ」って感じで優しくニコニコしており
ギターの上原子さんは、なんかひとりだけ若い人なんかな
ストーンズでいうロンウッドみたいな感じの人なんかなと勝手に思ったけど
どうやら他のみんなと同年代のソングメーカーだったらしく
その若々しさに驚いた
そんでボーカルの増子さん。
もう兄ィと呼ばせてもらう。その兄ィが
いろいろ喋りながら力の限り歌ってくれるんやけどな。
その時のMC、まだわたしは覚えてる。
兄ィが人生の中でいろいろ大変だったとき、
暮らしていた部屋の内側に段ボールを貼って、
真っ暗の中で過ごすほど、何もかも嫌になったんだって。
そやけど、こうやってまたみんなの前で歌えるようになった。ありがとう。
もっと歌いたい、っていうようなことを言って
わたしたち観客いつまでもいつまでもアンコールして、
彼らはいつまでもいつまでも応えてくれて、
最後、兄ィは
「もう歌う曲がなくなっちゃったから、1回演った曲歌ってもいい?」って
ステージからフロアに降りてきて、身体を振り絞って歌ってくれたんよ。
その時のライブで歌ってくれた中に、この曲が入ってた。
わたしは昨日の深夜、これを聴きながら泣いた。
「誰に知られなくても構わない」
「何をしあわせと呼ぶのだろうか、知らねえよぉ!」って歌う兄ィ。
「何の痛みすら感じないで生きてるか」っていう詩が響いてくるのは
心が痛んだことのある人が、切実に書いているからだ。
「それがどうしたよぉ!それがどうしたよぉ!」
…そう、世の中の全部がもしかして
「それがどうしたよぉ」かもしれないとすら思えてくる。
揺さぶってくる…
「クソったれのテーマ」が小心者のわたしの背中を優しくさすってくれた。
この20年、わたしが忘れている間にも、
この曲が自分の体内にいて
この人生と一緒に息づいてくれていた。
そんな感じがして、ずっと泣けてきた。
怒髪天は「R&E(リズム&演歌)」と呼ばれるほど
独特な力を持ったバンドで
それはスタイルなんかじゃない
表現ていうんでも、しっくりこない
わたしにとっては、大人になっても茶目っ気たっぷりで
自分たちらしく自分たちを生きていくチームであり、個であると
そのときから思っていたんだ。
わたしそのあと結婚して、子どもが産まれてからは
初めての子育てにあくせくして
大好きだった音楽も、頭の中がざわざわして全然聞けなくなった。
その間も彼らや彼らの音楽、わたしの好きな音楽はずっと続いていたんだけど
ここに戻ってこれるまでに、15年以上もかかってしまったよ。
しかし、こんな名曲が再生回数3000回行ってないん!!驚き!!
自分の中では1億回いっててもおかしくないんやけど!!
もしかして、わたしがマイノリティなのだろうか??
けど、マイノリティだろうがなんだろうが構わない
とにかくこれが、今のわたしの曲。
オレの背中に流れてる主題歌なのだ。
怒髪天のみなさん、この曲を作ってくれて
本当にありがとうございます。
↑過去形で書かないのは、ずっといてほしいから
またライブに行きたいな!!
この記事が参加している募集
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートを糧に、学んだり動いたりして、よりよいものを書いていきたいと思います。これまでサポートしてくださった方にも、この場を借りてお礼申し上げたいです。本当にありがとうございました!