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2023 浪川瑞希

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アフターコロナのちょっとだけ未来の北摂、茨木市を想像した、何も起きない、何も起こさない掌編小説。 小説投稿系サイトで関連作を掲載中。 情報追跡は下記まで。 https://ma…
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記事一覧

『2023』 後書き

 2月12日に投稿した浪川瑞希編の『1月2日(月)』から始まって、先日24日に投稿した森田康徳…

12月31日(日) 午前9時

 一人暮らし用の小さな食卓に、卓上の三面鏡を置いて広げてしまうと、それ以外のものを置くス…

12月30日(土)

駐車場から出てきた、父と母を乗せた車は、晃兄の運転によって車列に合流した。見通しの良い直…

12月2日(土)

目の前の棚に並んでいる色んなお酒を、腕を組んで眺めていた。すぐそこに、缶ビールや缶チュー…

11月15日(水)

 私はコートを着たまま、哲朗さんのモニターを、彼の後ろから見ていた。立ったまま、裾が暴れ…

10月22日(日)

「つまり、二人の出会いは君がキッカケなんだ」  沙綾さんは、私と哲朗さんを指で差しながら…

10月6日(金)

 いつもの席でうつらうつらと船を漕いでいると、目の前の机に軽い衝撃が走った。急な音にびっくりして目が覚めた。 「起こしちゃって、ゴメンね」  高らかに音を立ててしまった張本人、森田さんは申し訳なさそうに顔の前で両手を合わせた。彼は私の前に積み上げた三冊の雑誌に手を置いて、「各号、一冊ずつで大丈夫だった?」と確かめる。 「全部ありますよね」  私の問いに、三冊を少しずつずらして表紙を見せてくれる。私は頷いて、「確かに」と答えた。 「わざわざご用意していただき、ありがとうございま

9月9日(土)

 Mサイズのオフィスで、今日の分の撮影データをチェックする。2作品同時に走っている状態で、…

8月21日(月)

 上映時間の兼ね合いで食べ損ねたお昼を、半券でちょっとだけお得に食べた。家族で出かけると…

8月3日(木)

 あまりの暑さに目が覚めた。窓が閉め切ってあって、サーキュレーターも動いてない。喉の渇き…

7月20日(木)

 最初は遠慮がちに手を伸ばしていたお菓子も、3つ目ともなると封を開けるところから口に入れ…

6月27日(火)

 学祭のミスコンに出たら、スッと上位に入賞して卒業後はどこかのアナウンサーでもやっていそ…

6月11日(日)

「茨木の川が、そんなに魅力的か? どこにでもある風景だと思うけどなぁ」  一兄は隣で運転…

5月19日(金)

 久々に、哲朗さんの部屋に二人で向き合っている。碧さんと彼の扇情的な絡みを垣間見て以来の空間は、何となく緊張感が漂っている。ちょっぴり俯き加減で目を合わそうとしない哲朗さんも、どうやら少しは気まずいらしい。  何でもなかった時は普通に遊びに来て、いたずら心から押し掛け女房的な料理をしたこともあったけど、今はそういうおふざけも気軽にしにくい。何をどう間違ったか、これからどうしたいかもちゃんと考えないといけないけど、眼前に迫るもう一つの問題を解決しないと、腰を据えた話なんてできそ