【ポケモンカード】マジで今夜勝てるんだよ! 私を信じろ! 今日からポケカを始めるお前のためのミライドンexデッキ(記録 2023/12/04)
前置き
私のデッキ記事の理想は「今夜勝てる」ことである。
語源はゴジラインというおいしい調味料とよく効く目薬を紹介しながらたまに格ゲーをやるおもしろおじさん集団の身内用語なので、詳しい説明はそちらから引用する。
ここではネガティブな意味で使用されているが、要は最低限の知識で同じスタートラインから始めた相手をボコボコにするための戦略ということだ。
これでいい。カードゲームなんてこれでいいのだ。
誰もが本郷奏多やZweiLance(アタシが知ってるギリギリのポケカ強い強いマン)に勝つ必要はない。
とりあえず始めたゲームで、目の前の相手をギタギタにして、今夜勝って、満足してやめる。それでいいんだ。
ルールを覚えただけの初心者が私の記事を読み、暗記し、その通りのデッキを使えば、何も知らない状態よりはずっと楽しくゲームを遊べて、その日はいつもよりぐっすり眠れる。向上心のない考え方だがこれもまたTCGの楽しみ方であり、私はそういう楽しみ方をする人に寄り添う文章を書きたい。
その理論を実践した者がいる。
私だ。
慣れたTCGで「今夜勝てるイージーなデッキで環境をぐちゃぐちゃに荒らす」ことを至上の喜びとして研鑽をしていたら、本当に知らないTCGで今夜勝てるプレイヤーになってしまった。なぜだ。
これは私が多少なりともTCGに精通しているプレイヤーというのもあるが、それ以上に
私が購入した【ミライドンex】というアーキタイプの優秀さ――特に今夜勝てる性の高さが要因であることは疑うべくもないだろう。
そこで本記事では、ルールだけ多少知っている状態でミライドンのデッキを与えられた私が、
この状態からどうデッキを理解したか
どう戦おうと戦略を組んだか
実践で最低限襟の整ったプレイヤーのフリをするために何を意識したか
これらを軸に、大会で使用したミライドンデッキの紹介をするものとする。
みんなもこれを読んで私と同じトムになろう!
なお、私のポケモンカードの練度はサイドの展開を忘れたまま試合を始めるレベルである。
デッキレシピ
ドラスタで買ったまま。
5000円でした。
私が理解したコンセプト
【ミライドンex】というアーキタイプの強み
まず私がこのデッキに目を通したときに思ったのは、とにかく速く、安定するデッキだという点だ。
《ミライドンex(sv1V)》の特性「タンデムユニット」による狂ったレベルの展開力、
「タンデムユニット」から展開される《ライコウV(S1)》《テツノカイナex(sv4M)》などのたねポケモン段階からコンセプトが完成しており、進化を必要としない大型ポケモン、
それらを高速でアクティベートする《エレキジェネレーター》や《モココ(s7R)》といったインスタントなエネルギー加速手段が全て《ミライドンex(sv1V)》からの展開を軸にまとまっており、素人目にもこれより速く、安定するデッキはそうそうないだろうなと感じさせられた。
また、始めたてのプレイヤーとしては単色デッキであるところもありがたいポイントだった。
たとえば同時に始めた友達はギラティナのデッキを組んでいたのだが、
技を使うための草・超の2色エネルギーの管理や枚数カウント、特にテンプレートなギラティナには《かがやくゲッコウガ(s9a)》を活用するためにサブ色としての水まで入るため、これらを適切に管理し毎ターン望んだ技を打つのは、正直に言うと初心者である私のキャパシティだと不可能だ。
色管理など、複雑な要素に対する意識をすっ飛ばしてプレイできるのは今夜勝てるデッキにおける重要なファクターであるため、そういった点でも【ミライドンex】のポテンシャルは高いと言える。
慣れ親しんだ言葉で定義するなら、【ミライドンex】は「アグロ並の速度を持ちながらアドバンテージ力や安定性を持ってミッドレンジ的に戦うことができる、非常にバランスの取れたグッドスタッフ寄りの単色フェアデッキ」ということになる。なんて強そうなんだ。
しかし、軽く調べた限りではこのデッキは不動のTier1というわけでもないらしい。
即ちミライドンデッキには速度と安定性をぶっちぎるほどのわかりやすい弱点があるのだ。
弱点1.打点の低さ
これはもうパッと見でわかった。
このデッキの定数としての最大火力は《ミライドンex(sv1V)》の「フォトンブラスター」による220点であり、この数字ははっきり言って物足りない。
自分のデッキだけを見ても《テツノカイナex(sv4M)》や、
《勇気のおまもり》をセットしたポケモンVなどを一手で突破することができず、これら相手にちんたらクロック勝負を仕掛けていてはこのデッキの強みである準備の早さを十全に活かすことができない。
緊急手段として《ライチュウV(s9)》こそ入っているが、いくらエネルギー供給が速いデッキといえど、大型ポケモンが見える度に5枚も6枚もエネルギーをぶちまけていたら一瞬でガス欠を起こすのは火を見るより明らかだ。
総じて、220点で処理できないポケモンへの対処がまごつきがちなのは【ミライドンex】の課題と言える。
弱点2.サポートの弱さ
このデッキのサポートは《博士の研究》4《ボスの指令》3《ナンジャモ》4と、極端に汎用カードに寄っている。
もちろん《オーキドはかせ》や《突風》が弱いわけはない(たとえがロリババアお狐様)のだが、他の強力なデッキは皆サポートの使用権利をより強いカードに割いているのが実情である。
たとえば私が知っているデッキを例としても、
ギラティナデッキならロストのカウントと良質なドローを同時にこなせる《アクロマの実験》、
パオジアンデッキなら《セグレイブ(sv2P)》と《ふしぎなアメ》を同時にサーチして一瞬でゲームプランを完成させる《カイ》など、《博士の研究》より優先したいカードが投入されているのが基本となっている。
TCGにおいて全てのプレイヤーに平等に与えられる権利をより強く使うのは最も手っ取り早い勝利への近道であり、サポート使用権利を誰でも使えるがわざわざ使おうとしない汎用カードに割かざるを得ないのは【ミライドンex】のしょんぼりポイントだと感じた。
弱点から逆算した真のデッキコンセプト
先程の理論を借りれば、「打点が低い」「サポートが弱い」、これらの弱点を抱えなお【ミライドンex】はある程度の高Tierデッキとして振る舞える地力があることになる。
そしてこれらの弱点を同時にカバーするカードに私は心当たりがあった。
《ボスの指令》だ。
「強いサポートが存在しない」ということは、裏を返せば「盤面を完成させるのにサポートの補助輪が必要なく、最強の妨害札である《ボスの指令》を使う余裕がある」と言い換えられる。
これなら相手の大型ポケモンを見なかったことにし、特性でベンチからゲームを支配するシステムポケモンや育成途上のたねポケモンをベンチから引きずり出して的確に破壊し、ゲームのキャスティングボードを常に自分で握ることができる。
しかし、このプランを取る上で気になるのが、ルール持ちポケモンを無視することによるサイド取得枚数の少なさである。
先も言ったようにこのデッキの対ルール持ちポケモン用の打点は《ライチュウV(s9)》などというSDGsに反したカードによって成立しているため、サイドの取得が遅れたことによるゲームの長期化で相手のルール持ちポケモンがみるみる育つと先に息切れするのはこちらになってしまう。
そのため、理想としては《ボスの指令》で相手の小型ポケモンを引きずり出した時にルール持ちを潰した時並のサイド取得ができるとそれが一番いいのだが。
……いたわ……。
結論として、デッキを買って1日目の私はこのデッキを
「雷ポケモン特有の強力な足回りで《テツノカイナex(sv4M)》の高速育成と軽くて強いポケモンVによる盤面維持を両立し、相手が準備を完璧に整える前に《ボスの指令》と「ごっつあんプリファイ」のコンボでゲームを高速で畳むアグロデッキ」
と定義し、対戦中のプランニングもなるべくその方針に寄せることにした。
プランニングを踏まえた採用カード紹介:ポケモン
《ミライドンex(sv1V)》×3
特性の「タンデムユニット」がとにかく強力な、このデッキ最強のアドバンテージソース。1枚引けば「盤面構築」の悩みから解放されるのは事故との戦いであるポケモンカードにおいてとてつもなく強力である。
また、「タンデムユニット」だけでゲームを作れるということは盤面構築にサーチカードがほぼ必要ないということでもあり、地味ながらとてつもなく大きいこのメリットについては後述する。
「フォトンブラスター」もインスタントな220点として十分強く、打った後は逃げエネルギー1でサッと引っ込む一連の流れで後隙もカバーしている。アドバンテージソースを戦力としてカウントできるのもミライドンデッキの強みだと感じた。
ポケモンカードに勝手に抱いていたイメージである「アドバンテージソースだが戦闘ではクソの役にも立たないルール持ちポケモンがベンチを圧迫した挙げ句《ボスの指令》で引っ張り出されてアドを取られる」がないのはストレスフリーだったね。
「タンデムユニット」で引っ張る優先順位については……それがわかったら苦労しねえんだよな……。
バトル場は「しゅんそく」用の《ライコウV(S1)》
ベンチに《テツノカイナex(sv4M)》と《ミライドンex(sv1V)》と《ライチュウV(s9)》の3択があり、何が出ても返せる状況
育成用の《モココ(s7R)》
緊急時の0逃げポケモン
みたいな6匹の形が理想盤面なのはわかるんだけど、《ビーチコート》があると0逃げは不要だったり《イキリンコex(sv2P)》による圧迫もあったり《ビーチコート》下なら《ライコウV(S1)》2体回しも強かったりして、つまるところ全くわかりません。
一応、特別なプレイが必要ない時は
最優先は《メリープ(s12a)》を出して進化酔いを解くこと
次いで、完成してバトル場に居座る時間が長ければ長いほど嬉しい《ライコウV(S1)》
ほぼ同じ優先順位として育成に時間のかかる《テツノカイナex(sv4M)》
《ライチュウV(s9)》は必要なタイミングでいいや
みたいな優先順位をつけてやってたんだけど、本当に合ってるかどうかは定かではない。極端に間違ってないとは思うが……。
コンセプトカードながら積み控えがされているが、このゲームはあまりにサーチカードが多く、1枚引っかかればそれだけでゲーム終了まで戦えるため3枚で十分だと感じた。
実戦でそこまでシケることはなかったが「タンデムユニット」で《ミライドンex(sv1V)》と必要なカード1枚、持ってきた《ミライドンex(sv1V)》の「タンデムユニット」で必要なカード2枚を持ってくると1「タンデムユニット」を起点に3面展開ができるのは一応意識していた。
《テツノカイナex(sv4M)》×2
何はなくとも「ごっつあんプリファイ」。
「《ボスの指令》による相手のプランの破壊」と「高速展開からの高速クロックによるゲームレンジの超短縮」を同時にこなせる、このデッキでも屈指の違法系カード。昔なら「オルタージェネシスGX」もそうだけど、こういうゲームのルールを壊すカードって大抵強いんだ。
反面「アームプレス」によるダメージクロックは非常に情けなく、逃げ4と取り回しの悪いカードのため、テキトーにベンチに出すと《あなぬけのヒモ》や《ボスの指令》で引きずり出されて大変なことになる。
《あなぬけのヒモ》によるバックアップができるのが理想なので、《あなぬけのヒモ》を大事にできず育成している余裕もない盤面では「タンデムユニット」で呼ぶのを少し待った方がいいと感じた。フィニッシュは「ごっつあんプリファイ」に頼りたいからゲーム中に1枚は育成したいんだけどね。
ゲーム中に2枚を育成する余裕はなく、サーチが効くカードなので全ての理論が「ピンで足りる」を肯定しているが、アグレッシブなゲームメイクを行いたい時のサイド落ちが怖すぎて2。
この理論だと後述の《ライチュウV(s9)》が矛盾しているが、ドラスタの店員に言ってほしい。
《ライコウV(S1)》×2
育成速度が早い代わりに癖が強い電気たねポケモンの中でも屈指の使いやすさを持つカード。このデッキの主力アタッカー。
基本的にベンチが満タンの状態で戦うデッキなので「ライトニングロンド」は2エネ120ダメージプラスアルファ。相手のベンチがガラ空きなこともそうそうないと思うから基本的に「アームプレス」よりは強いと思っていい。
不安定な打点ながらこのカードがアタッカーとして番を張れる理由はひとえに「しゅんそく」の存在あってこそ。
場にはっついてればはっついてるほどアドバンテージを稼げるため、《ライコウV(S1)》を使ってダメージレースをしている状態は基本的にこちらが有利と言える。
その上で崩されてもすぐに「タンデムユニット」や《エレキジェネレーター》で再構築ができ、逃げエネも1でゲームプランの切り替えに柔軟なため、ゲームの軸に置いて全く不安感のないポケモンである。
反対に対戦相手からすると居座られれば居座られれるほど不利なゲームメイクを強いられるためさっさとどかしたいカードとなる。《勇気のおまもり》で220点に耐えられるようにするとベスト。
本当にバランスが良く、ゲーム中に2回使って全く文句がないため2。
《ライチュウV(s9)》×1
「ダイナミックスパーク」による青天井の打点が魅力。「エレキダイナモ」「エレキジェネレーター」などのアドバンテージソースをそのまま打点に変換できる、このデッキの柔軟さの権化のようなカード。
完成してしまった大型ルール持ちポケモンを一撃で破壊し、不利になったゲームをこちら側に揺り戻すのが主な仕事。
「しゅんそく」「ごっつあんプリファイ」など打点が低い代わりに継続的にアドバンテージを取れる技で戦うデッキなので、逆に言えば相手の打点の高い技でゲームレンジを定義されるのは絶対に避けなければならない。常に一番偉いのはアタシであれ。
一応「ファストチャージ」も弱くはない……が、これで取れるアドバンテージってだいたい「しゅんそく」で取れるのと同量だし、《エレキジェネレーター》用の山が薄まるしで、そうまでしてこいつをバトル場に貼り付けたくないなと思った。使い終わったら速やかに逃がそう。
このカードでゲームメイクをすることは不可能なので最低限の1……なんだけど、サイド落ちすると下手すりゃ詰むし2でいいだろ普通に……。今度買ってくるよ……。
《モココ(s7R)》×2
《博士の研究》や《ハイパーボール》で捨てたエネルギーを取り戻せるSDGsの権化のようなポケモン。
このカードさえ生きていれば「タンデムユニット」との合わせ技でいくらでも盤面は再起でき、アグロデッキとは到底思えない粘り強さを発揮できるのが【ミライドンex】の大きな魅力。
このカードがベンチに完成している状態がこのデッキで最も強い形のため、「タンデムユニット」では優先して《メリープ(s12a)》を呼んで進化酔いを解除したい。
このカードと《メリープ(s12a)》はセット引きを要求するコンボパーツであり、どちらかがゲーム中から消滅すると残りのカードも完全に負債になってしまう。そのため、サイド落ちが他のカードの比でなく致命的と言えるので2:2で投入されている。
基本的に私はめんどうくさがりなのでデュエマの盾確認に類する行為は全てサボるんだけど、それでも「タンデムユニット」の際にはメリープ周りの枚数だけは確認するようにしている。さすがにプランニングに差が出る。
《メリープ(s12a)》×2
前提。こちらもサイド落ちが怖いので2。
HP70の方は逃げ2のため、逃げ1のこちらが優先されている……んだと思う。
《ゼラオラ(s12)》×1
《エレキジェネレーター》「エレキダイナモ」で育てられるポケモンはベンチのポケモンのみのため、このデッキの理想的なターン進行は
何らかのポケモンを前に置き、ベンチに育てたいポケモンを置く
《エレキジェネレーター》で存分にベンチを育てる
前のポケモンを逃し、ベンチから育てたポケモンを出して奇襲
と言える。そのため、相手に盤面を崩された際は逃げエネルギーが0のポケモンを前に置くと無駄なく「3」での逃げに繋げられ、エネルギーのマネジメントを綺麗に行うことができる。
「逃げエネ0」「たね」「雷ポケモン」の条件を満たした中で最も強いカードが《ゼラオラ(s12)》のため、シルバーバレット用に1枚採用されている。《ミュウex(sv2a)》が出てるならいらない。
割とここはなんでもいい気配がある。《ミライドンex(svD)》とかも試してみたいな。
《サンダー(s10b)》×1
シルバーバレット用かゆいところカード。
《ミライドンex(sv1V)》の「フォトンブラスター」が強力なたねexラインの230を睨めたり《ライチュウV(s9)》の「ダイナミックスパーク」x=5が《サーナイトex(sv1S)》の310を叩けたり、仕事はなくはないんだけど……うーん……刺さらない相手に無駄カード過ぎて、正直なくていいかな?
たぶんここを《ライチュウV(s9)》の2枚目にする。
《イキリンコex(sv2P)》×1
1ターン目限定でボール(ポケモンカードにおけるポケモンをサーチするカード全般の愛称)を《博士の研究》に変換できるカード。
《ミライドンex(sv1V)》で述べたサーチカードを余らせられる利点がまさにこのカードに集約されている。
あまりにドローが気持ち良すぎるポケモンカードをやっていると忘れがちだが、このゲームの目的はカードを引くことでなく勝つことである。
そのため、盤面構築を急務とする1ターン目にボールがあるなら、不安定な6ドローで必要なカードを無理やり引きに行くより、そのボールで必要なカードをサーチし盤面をより強くするのがこのゲームの定石……だと思われる。
つまり1ターン目にボールでサーチする前提の《イキリンコex(sv2P)》は採用にやや難しさを抱えたカードと言える――だが、ここに例外が存在する(奈須きのこ語)。
ボールなしでベンチを完成させられてしまう【ミライドンex】において1ターン目のボールの引き被りは他のデッキの比じゃない頻度で発生するため、「イキリテイク」を起動できる場面が圧倒的に多いのだ。
絶対に置きたいアドバンテージソースというよりたねポケモンの引き被りをドローに変換できるカードと見た方がよく、サイド落ちしてたらしてたで別の手を取ればいいため最低限の1枚。
《ミュウex(sv2a)》×1
ボールが余りがち、かつ《エレキジェネレーター》を湯水のように打つためハンド消費が荒いこのデッキにおいて非常にありがたいたねポケモンのドローソース。
ポケモンカードで最大3ドローは一見少ないし実際少ないが、「しゅんそく」と合わせると手札4枚まで再起できるため意外と広く戦える。
0逃げで《ゼラオラ(s12)》の代用になったり「ゲノムハック」が詰み防止に有用だったりと、細かく使い道の多い良カード。1枚挿していて損はない。
「エネルギーを付ける必要がある非雷ポケモン」なので覚えておきたいポイントとして、「エレキダイナモ」は対応しているが《エレキジェネレーター》は対応していない。
プランニングを踏まえた採用カード紹介:サポート
《ボスの指令》×3
《突風》。
ベンチに引きこもったシステムポケモン、弱ったルール持ちポケモン、完成を待つ育成が半端な大型ポケモンなどを引きずり出して破壊し、相手とのリソース差をつけるためのカード。
ポケカのリソースは《博士の研究》で一気に戻るためそこまで重要視されない……と遊ぶ前は思っていたが、
ポケモンの進化にターンをまたぐ必要があり育成済みポケモンの破壊は著しいテンポ損を生む
サポート権は攻防共に使えるためリソース回復への使用を強要されると動きが硬直的になる
などの理由からリソース切れを起こさせて相手にリソース回復を強いる戦略は莫大なテンポを得られるため、他TCGと同じく結局相手のリソース破壊は何よりも大事だった。マナだよなあ潰してえのは。
遊戯王でいう手札誘発や万能無効のような相手のやりたいことに干渉する要素が極端に少ないポケモンカードにおいて、相手のリソースに触れられるカードは運の絡む《ナンジャモ》を除けば実質《ボスの指令》くらいのものなので、サポート使用権でこれを打ってゲームを作るのを大前提とし、暇なタイミングや緊急事態でドローソースを打つような意識を持ちたい。
どちらかといえば不利を作られそうになったタイミングで打つカードであり、1枚通すだけでゲームを大きく動かして有利を固定できるため、よほどのことがなければゲーム中に2枚は通さなくていいはず。そのため、ゲーム中1枚打てればいいやの精神で1枚減らした3。
後攻1ターン目はだいたい面形成用の《博士の研究》に回したいため、1ターン目に引きすぎると困るという理由から4だと多い。
《博士の研究》×4
ポケモンカードの基本中の基本、7ドロー。
もはや何も言うことはない。打って気持ちよくなれ!
ただしこのデッキはトラッシュ活用カードを採用していないことに注意。気持ちよさを優先しすぎて《モココ(s7R)》を軽々に捨てたりするとあとで困る(実際に困った)ので、《ナンジャモ》を優先して山にリソースを戻す、手札の枚数が少なくても中身が良質なら打たずにターンを回すなどの工夫をしたい。
特に《博士の研究》を打って大量に引き、その手札を抱えたままターンを回すプレイは相手の《ナンジャモ》を食らうと手札の捨て損になるためかなり悪い……んだと思う。《ツツジ》にシャクられてとても嫌な気分になった。
どのカードでもそうだが、特に手札を再起不能ゾーンに叩き込む《博士の研究》の場合は「今は手札にゴミしかないので打っていい《博士の研究》」「ここで《エレキジェネレーター》を引かないとテンポロスが著しいので打たざるを得ない《博士の研究》」のように目的意識をしっかり持ち、気持ちよさに負けないプレイを心がけたい。
後攻1ターン目やサイドが減って《ナンジャモ》の性能が下がった後半に打てるかがゲームの分かれ目となり、《博士の研究》を探すために《博士の研究》を打つことはできないという当たり前の論理から素引きが何より大事と考え、《ナンジャモ》と合わせて最大枚数の4枚を投入している。私が組んだわけではないが。
《ナンジャモ》×4
《博士の研究》よりちょっと弱いリソース回復ができるカード。アグロく攻めていくこのデッキでは後半になればなるほど火力が下がる。
……が、そこはこのカードの本質ではない。自分の手札を入れ替えながら相手の手札をかき乱しプランをシッチャカメッチャカにするのがこのカードが採用される最大の理由。
特に相手が使いたいサポートをハンドにガメている確率が高い後手1ターン目の《ナンジャモ》は極めて強力。あまりにそれやりたすぎて《ハイパーボール》で《博士の研究》を切ってから《ナンジャモ》を打つ男気プレイやったもんな。
自分のリソースを戻すだけならそれこそ《博士の研究》、相手に嫌がらせをするだけなら《ツツジ》など様々な択のあるゲームだが、後攻1ターン目に準備がほぼ終わるアグロデッキの【ミライドンex】において先攻2ターン目の相手がコケて脇腹を晒してくれる形は思っている以上の強さを発揮する。それを実現させられるカードは(私の知る限りだと)《ナンジャモ》しか存在しない。
そうでなくとも《エレキジェネレーター》を打ちまくって手札が減りがちで、リソース回復がありがたい後手1ターン目に叩きつけられると世界が変わるため、素引きを重視して最大枚数の4投。
プランニングを踏まえた採用カード紹介:その他カード
《エレキジェネレーター》×4
えー!? いいの!?
もう何も言うことはないよ。打ったら打っただけ気持ちいい。最高!
運ゲーカードなのでなるべくエネルギーの手貼りをする前に《エレキジェネレーター》を打って、ついた枚数を見てからプランニングを決定できるようにしたい。
ついたエネルギーをずらす手段はないので、育てたいポケモンがベンチにいることを確認してから打とう。……みたいな当たり前のことを書かないと間が持たないくらい純粋に最強カード。
組んだ時に「ぜひ0ジェネやってキレてほしい」って言われたんだけど、これはエネルギーがつく方が違法な謎のカードだからむしろ0ジェネだと安心したよ。
2枚ついた時は「お、お願いです! 警察を呼ばないでください! 知らない男にカバンを渡されて、まさか包丁が入ってるなんて思わなかったんです!」みたいな顔をした。
一応手札に《基本雷エネルギー》が溢れている時は《ナンジャモ》で戻して「タンデムユニット」で山を混ぜることでヒット率を戻せるみたいな小テクがあるけど、あまり活用したことはない。
《ネストボール》×2
《モココ(s7R)》以外の全ポケモンを持ってこられる。
が、このデッキは《ミライドンex(sv1V)》で該当するほぼ全カードに触れるため、そこまでたねポケモンのサーチは必要ではない。実質《ミライドンex(sv1V)》の水増し。
一度「タンデムユニット」が完成するとマジで不要札なので、《ミライドンex(sv1V)》があらゆるボールを合わせて7枚に1枚強の9枚入ってると嬉しいな、という祈りを込めて控えめな2(なんだと思う)。余ったら《イキリンコex(sv2P)》などのドローソースに振ろう。
《ハイパーボール》×4
激重い手札コストがある代わりに《モココ(s7R)》に触れるボール。《ネストボール》よりこちらが優先されるのがアドバンテージの総量より盤面の完成度を優先するポケモンカードのゲーム性をよく表していると思う。
「盤面を完成させる」という意味ではこの上ない最強カードのため4枚が投入されている。歪なゲームだ……。
このゲームは空打ちが許容されているため、「リスタート」のために手札を無駄に切るだけ切ってポケモンを加えない使い方が実はあるのは覚えておきたい。
《あなぬけのヒモ》×2
逃げが軽いこのデッキでは《ポケモンいれかえ》亜種としては使わず、主に相手の前をどかすためのカードとなる。サイドの枚数を詰めきった後に打って、壁となっている相手の大型ポケモンをどかすのが主な仕事。
相手→自分の順でポケモンを出せるのがありがたく、相手のポケモンを見てから「ごっつあんプリファイ」と高火力技を持つポケモンの択で常に都合の良い方を選べるのが利点。
こちらの残りサイドが2枚の状態で使い、相手が非ルールを出せば「ごっつあんプリファイ」を通せて勝ち、相手が弱いポケモンVを出せば「フォトンブラスター」で勝ち、のような盤面を作れると本当に理想的。
そこまで上手くいかなくても、「ごっつあんプリファイ」を通せれば戦況は大きく有利に傾くため狙えるタイミングでは積極的に狙っていきたい。
緊急事態に《テツノカイナex(sv4M)》を逃がす仕事もあり使い勝手はいいが、緊急事態でもない限り自分のポケモンをどかす仕事がほぼ必要ないこと、《ボスの指令》亜種として見ると相手依存すぎて機能するタイミングが少ないことから詰めに《森の封印石》から引ければいいかな、の2投となっている。
《勇気のおまもり》×2
主力ポケモンのHPラインをずらすことでクロック勝負で有利を取るためのカード。別ゲー基準だとマジで弱そうなんだけど……220点や240点がラインとして存在するポケモンカードだと……これ、強いよ……。
特に《ライコウV(S1)》につけた時の250点は相当に頼もしい。「フォトンブラスター」などの220点技一発で落ちず、「ダイナミックスパーク」などの60×倍率ダメージを与える技をx=5で打たせられるため、アホみたいに場持ちが良くなる。《勇気のおまもり》で失ったアドバンテージを「しゅんそく」で返しやすくなるため、両者にとって相性がいいベストパートナー。
《ライコウV(S1)》とくっつくと露骨に強いため、メリープモココ理論で2枚が最適だと思う。
ポケモンカードの常として《博士の研究》などで捨てるくらいなら、という気持ちでテキトーなやつに装備させなければいけない場面がある。
その場合のつけ先として、《テツノカイナex(sv4M)》は個人的には非推奨。素の230点が絶妙にラインを超えており、これを超えるには装備後HPに等しい280点を出さなければならない場合がほとんどのため、そこまで大きな効果は感じられなかった。
その他のルール持ちポケモンは220点を超えるためかなり強い効果を持つ。相手のアーキタイプを知っているとここを上手くマネジメントできるんだろうけど、さすがに1日でそこまでは練熟できません……。
《ミュウex(sv2a)》につけると230点になって《ボスの指令》からの220点ラインを超えられるため意外と強いかも。
《森の封印石》×1
VSTARを積まずポケモンVの供給が安定するデッキの特権。つまり【ミライドンex】のためにあるカード。
デュエマで言う《クリスタル・メモリー》、遊戯王の《テラ・フォーミング》、ギャマジの《伝国の玉璽》のような万能サーチ(たとえの幅が広いな)だが、特定カードの水増しに使うそれらとはポケモンカードが持つゲーム性の特殊さから根本的な使い道が変わってくるなと感じた。
相手ターン中の妨害が存在しないポケモンカードをプレイしていると、往々にして相手に好き勝手な盤面を構築されてターンを返される。こちらはその盤面を崩しながら好き勝手をし、相手は更にそれを崩す好き勝手をし……の詰将棋を繰り返し、先に詰将棋のクリアを失敗した方が負けるゲームというのが私のポケモンカードへの理解である。
が、ここで問題となってくるのが「完成は早く安定しているが盤面が貧弱」な【ミライドンex】の特性となる。端的に言ってしまえば、相手の詰将棋を崩すのも、こちらが複雑な詰将棋を用意するのも苦手なのだ。
そのため、【ミライドンex】でしっかり勝ちきるにはどこかでとんでもない上ブレを起こし、カード間のくっつきを駆使して相手の厳しい要求値をぶっ壊した上でこちらが厳しい要求値を突きつける必要がある。
その上ブレたくっつきを発生させるための言わばワイルドカードが《森の封印石》であり、デッキの安定性を上げるための他ゲームのサーチカードと違い、不安定で再現不能な動きを起こすためのカードという印象を受けた。
《博士の研究》で切らなければいけない道中で引いたらテキトーなポケモンVにくっつけて効果を使わずとっておけばよく、ゲーム中に1回効果を絡ませることは比較的容易。
このカードがなければ絶対に勝てないわけでもなく、ワイルドカードが手札を圧迫しては本末転倒なので1枚が最適。
《ビーチコート》×3
相手の《頂への雪道》を剥がすためのカード。《神縛りの塚》への《摩天楼2-ヒーローシティ》と思ってくれていい(たとえが古い)。
0逃げを用意しやすい【ミライドンex】だと効果が非常にささやかであり、特性が盤面構築の補助にしか使われないことから《頂への雪道》の脅威もさほどでもないこのデッキには実はそこまで必要なカードではない。
煮詰まったトーナメント環境だとむしろ【ミライドンex】が回しきった後の蓋として《頂への雪道》を採用しがちらしいが、初心者である私が今夜勝つには《ビーチコート》が最適だなと思った。
私はポケモンカードのデッキを全く知らないため、何のデッキに《頂への雪道》を当てると効果的で、どのポケモンを見たらどのデッキと判断すればいいかを全く知らない。
そのため、全く効かないデッキに《頂への雪道》を置いてしまい、逆に自分の「タンデムユニット」を封じて首を絞めてしまうパターンが確実に想定される。
また、相手のデッキを知らないということはどのたねポケモンを育てると相手への負荷になるかもピンとこないということであり、相手が動いた後の先で「タンデムユニット」を使用し必要なポケモンを用意する泥縄プレイが必要になるとも感じられた。
そのため、通常のまともな【ミライドンex】と比較して《頂への雪道》の脅威が大きい【今夜勝ちたい式ミライドンex】においては何らかのスタジアム対策がほぼ必須であり、その中でも一際マシな性能の《ビーチコート》が購入したデッキに入っていたのは私にとっては僥倖だった。
《ダブルターボエネルギー》×2
「ごっつあんプリファイ」を爆速で打つためのカード。稀に「ゲノムハック」。いくらなんでも《エレキジェネレーター》「エレキダイナモ」だけでエネルギー4つを用意するのは無謀だぞまる子よ(キートン山田)。
デメリットは正直に言うとめちゃくちゃデカいが、こと「ごっつあんプリファイ」に限ってはどうせHPの低いたねポケモンにしか当てないため120が100ダメージに下がっても言うほど困らない。やろうと思えば「アームプレス」140+「ごっつあんプリファイ」100で大抵のポケモンexにレース仕掛けられるしね。
《テツノカイナex(sv4M)》とのくっつきであり、他のポケモンに貼るとマジで損しかしないため、メリープモココ理論で2。
《基本雷エネルギー》×13
《エレキジェネレーター》がすかすとムカつくので山の5枚に1枚は《基本雷エネルギー》であってほしく、余裕を持たせて13枚。まあこんなもんだよ。
むすびに:おひねりちょうだい
アタシの感覚として浅瀬の今夜勝ちたい記事で金を取るのはダサいと思うんだよ。
だから……その、さ……。
面白かったら……アタシの本を買ってくれない……? デッキ代くらい取り返したいんだよ……。
skebでもいい! 仕事でもいい!
エッチな小説とか書けます!
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