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アニメ『神クズ☆アイドル』第7話が神回だったので褒めちぎる

多少不満はありつつも

 私は原作の「神クズ☆アイドル」が好きで、アニメを見るためにdTVに加入したオタクです。
 今まで書いた原作の感想文はこちらからどうぞ。

 この記事は基本的にはタイトル通りなのですが、じゃあアニメの全てを絶賛しているのかというとそうでもなく、原作のエピソード入れ替えたおかげでテンポ悪くなってないか?とか、仁淀くんの睫毛長いエピはどこへ……とか、不満もそこそこありました。
 一番の不満点はZINGSのCGモデルなんですが……。あれをどう形容したらいいのか、私には最後まで分からなかったので止めておきます。
 とはいえ、本作の特色でもある河川敷さんを始めとするエネルギッシュなオタクたちの会話、仁淀くんのアイドルとしての型破りさ、アサヒちゃんの弾ける可愛さがアニメで見ることが出来たのはとても嬉しかったです。
 いつも週末になると、この仕事終わらせたら神クズのアニメだから!とそれを励みに頑張っていました。
 全10話の中でも特に第7話が素晴らしかったので、そこを中心にした感想を残しておきます。


「ファンって何なんだ……?」「愛です!」

 アサヒちゃんと仁淀くんが夕焼けの中、並んでブランコに乗るシーンから、夜のベンチで会話する一連のシーン。
 この二人はアサヒ=朝日とユウヤ=夕夜で時間の経過、時間帯が名前になっているのですが、夕方も夜も仁淀くんの領分です。
 普通アニメの演出として、前向きで力強い言葉を発しているキャラクターには光が当たるものだと思うのですが、このシーンはあくまで光が当たっているのは仁淀くんの方なんですよね。
 アサヒちゃんは自分から光が背になるように移動しており、決めゴマであるはずの「愛です!」のシーンでさえ、アイドルの大事な顔は影となっています。アイドル・最上アサヒはすでに亡くなっているから……。
 今「光輝く」「愛を向けられる」対象なのは、ZINGSの仁淀ユウヤなのです。そして瀬戸内くんの名前はヒカル=光という……この……。
 私の深読みのしすぎも入っているかもしれませんが、この光による演出がすごく好きで、大切なシーンの一つになりました。


アニメならでは演出

 アニメ化で驚いたのはとにかく楽曲の多さです。
 一体ZINGSの為に何曲作られたんだろう。特殊EDが多すぎて本来ED曲であるはずの「キミキラ」がレア曲扱いだった。

 ZINGSがこれだけ曲持ってるならCgrassも作られそうだなと予想はしていたのですが、アサヒちゃんのソロ曲にスイマシちゃんの曲まで来るとは思わなかった。楽曲が抱負で贅沢な使われ方でした。
 そして何より印象的だったのは第7話で披露された「乗り越えてLOST」
 原作ではアサヒちゃんから瀬戸内くんへの「ありがとう……」はモノローグとして表現されていましたが、歌詞として伝えるというアニメならではの演出。めちゃくちゃ熱かったです。
 また、アイキャッチで星空を前にアイドル衣装で独り立ち尽くす瀬戸内くんを描いたり、ライブ終演後の仁淀くんとの会話のあと、観覧車をバックに走る瀬戸内くんの瞳に初めてアサヒちゃんの動画を見たときのような光が宿ったりと、細かい演出もバチバチに効いていたと思います。すごくすごく良かったです。
 しかもEDは仁淀くんと瀬戸内くんのデュエットで、スタッフロールの色は仁淀くんとアサヒちゃんのメンカラーなんですよ。
 受け入れる気持ちの予定地のキャパシティっていうのが…あるだろ!!(5巻の河川敷さんのあれ)


瀬戸内ヒカル役・寺島拓篤さんの名演

 実質一人二役の仁淀くん役・今井文也さんに、愛らしさ一億倍アサヒちゃん役・東山奈央さん、可愛らしさとツッコミを共存させなくちゃいけない吉野くん役・堀江瞬さん、ひたすら早口で喋ることになる河川敷さん役・上田瞳さん、とにかく声優さんたちの演技が冴え渡っていて素晴らしいアニメでした。
 そして瀬戸内くん役として寺島拓篤さんの名前が発表されたときから、オーディションレポ漫画に載っていた「推しから直々に俺を好きになっていいよって言われた感じ」と監督からディレクションがあったというあの「仁淀ユウヤを推していい……!?」が聞ける日を楽しみにしていたのですが、最高過ぎて何回も観ました。
 ただ寺島さんすごいな!?ともっと震えたのは、第7話の瀬戸内くんの過去エピソードってほぼ瀬戸内くんの一人語りで、しかも現在の瀬戸内くんより若い声で演技されているんですよね。そして「最上アサヒならこう、最上アサヒなら、最上アサヒなら……!」とだんだん感情がエスカレートしていくセリフの表現。
 憧れの人に近づきたい純粋な努力が、対象を喪うことによって呪縛となって瀬戸内くんを精神的に追い詰めていく悲壮さに胸が締め付けられました。瀬戸内くん役が寺島さんで本当に良かったです。


 全10話放送・配信終了お疲れ様でした!
 福岡監督を始め、細かい監修をされたいそふらぼん肘樹先生、アニメ制作に関わった全てのスタッフの方々、ありがとうございました。
 ブルーレイも予約済みなので、二期が決まってくれるよう祈っています。


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