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ボテロ展 ふくよかな魔法 @ Bunkamura ザ・ミュージアム

こんにちは。10本目の記事です。
Twitterを眺めていたら、Mr. ハッピージェントルマン・井上順さんがこんなツイートを↓。

7/3までか!!と気づき(引っ越しで忙しくなるとは夢にも思ってない頃に前売り買ってた)、速攻で夫と日程調整→事前予約を済ませて行ってきました。
出かける直前になって子供が「ぼくも行く!」と言い出し、なんと2人で行くことに…。未就学児は無料&事前予約も不要とのことだったので、えーいままよ!と連れて行ってみました。
場所はBunkamura。久々の渋谷だったのですが、子連れだとドキドキするほど人が多く(土日)、道きったねえ!という印象。行くまでの道のりが美術鑑賞で得たい体験の真逆をいってて、なんかウケました。立地、大事ね。。

Fernando Botero Angulo

ボテロ作品を特徴づけているのは、あらゆるかたちがふくらんでいるということ。彼のモチーフは、人物も動物もふくよかで、果物は熟れきっているかのように膨らみ、楽器や日用品さえも膨張しています。ボリュームを与えられた対象には、官能、ユーモアやアイロニーなど複雑な意味合いが含まれ、観る人のさまざまな感覚に力強く訴えかけます。それはボテロ独特の「魔法」ともいえるもので、世界中で注目され続ける理由がそこにあるのです。
ボテロ展公式サイトより

コロンビア出身の作家で、1963年に《12歳のモナ・リザ》がMoMAに展示されたのが世界的ブレイクのきっかけとのこと。

御年なんと90歳。本展の中で最も新しい作品、メインビジュアルにもなっている《モナ・リザの横顔》が2020年発表とのことですから、88歳頃の作品ですね。日本だと横尾忠則氏を連想する生涯現役っぷりです。
ポスチラの並びで2番目にきてる《コロンビアの聖母》1992年が一番有名なのかな?(なに基準でメインビジュアルを選んでるのか分かりませんが)

しあわせな色彩あふれる静物画

序盤の静物画に、ふわ〜っと魅了されました。一番好きだなぁと思ったパイナップルの絵は公式サイトにもないしググっても出てこなくて、唯一見つけたのがこのツイート↓。写真の一番右の絵です(伝わらなさすぎて泣ける…)

ものすごく基本に忠実な(そして技巧的な)構図でありながら、ハエが飛んでたり野菜が腐りかけ?ているなど諧謔精神に満ち満ちた絵であることは間違いないんですが、私がいいな!!と思ったのはその色使い。作家の意図じゃないかもですが、ほんとうに優しくて心がほっこりする…例えるならゆりかごですやすや眠る赤ちゃんを見ている時のような…しあわせな淡さ。ハエがブンブン飛び交っている絵なのに、ハエ感ゼロで不思議でした。やっぱ狙ってるのかな。

もうひとつ印象的だったのが《洋梨》1976年。展示作品の中でも最大級、241×196cmのこちら、中央やや左下に何かにょろっと出てますよね。画像じゃ分からないですが、これめっちゃかわいい笑顔の芋虫ですから!

ダメだ拡大しても顔にすら見えん…

ちっちゃすぎてミュージアムグッズでも完全に印刷が潰れてた芋虫ちゃんでしたが(泣)、子供が「でっかーい…」と絵画の概念たぶん広がったんじゃないかな?という反応だったり、「あ!あのいもむしがたべてトンネルになったんだ!」と絵の中のストーリーに気づけたりで、子供と一緒にこの絵を観れて、とてもよかったです。芋虫ちゃん、君を忘れない。どこかに常設されているのなら、何年後かに会いに行くのもいいな。
全体的にぼってりしたフォルムながら、ベルベットのごとき高貴な質感も併せもつ(ヘタの周りなど顕著)、大変魅力的な絵でした。芋虫いないバージョンもあるみたい。連作なんでしょうか。

静物画コーナーは、ラッキーなことにモチーフが食べ物、特に野菜や果物など5歳児にも馴染みがあるものばかりだったからか、我が子も楽しんで見ていました。

人物画はちゃんと見られず…

続く人物画のコーナーは、大変きびしい戦いを強いられました…子供まったく興味なし。
解説パネルもじっくり読みたかったけど、全然無理でした。映画見たい。。

↓配給会社アルバトロスフィルムのYouTubeチャンネルより

辛い経験の後に生まれた《洋梨》だったんですね。うちの子みたいに、きっと世界中の子供を笑顔にしてくれて、美術への興味のタネを植え付けてくれたに違いありません。ありがとう。

子供と行く美術鑑賞3大条件

展示作品すべてをじっくり観ることはできませんでしたが、子供が美術館に(ギリ)行ける年齢に達しことが知れたのは収穫でした。
今回の経験を踏まえ、未就学児と美術を観るうえでの3大条件てのを考えてみました。サンプル数は1です笑

・子供にも馴染みのあるモチーフ
一目で「あ、○○だ!」と分かるといいみたい。
よって今回のように野菜や果物、あと動物や車、電車などの乗り物もいいかも。
最近は絵本作家の展覧会もよく開催されているので、そういうのも入口として良いと思います。子連れでも違和感ないですし!

作品がでかい
これは私の好みもあるんですが、でっかいって、いいじゃん。既成概念をぶっ壊すような、スケールの大きい作品を見せていきたいです。
大きいとあまり近くに寄らなくても見られるというのも子連れには嬉しい。

・混んでない
あまりに人気のある展示はやめておいた方がよさそう。もしくは平日に行くとか(平日でも混んでるのは混んでるけど)。作品を見て子供が感嘆の声をあげること、私はとてもいいと思うんですが、周りの人が皆そうとは限りません。混雑していれば「邪魔だな」と思われる確率も上がるので、前評判が良すぎるものは避ける。
地方の美術館とか良さそうですね。

*  *  *

全く知らない作家でも「あ、これ見たい」と思ったら行くようにしていた美術展。子供が生まれてからその頻度は激減していましたが、モノによっては一緒に連れて行けそうです。
やった〜!

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