住めば都、ではない。都に住むのだ。

プロフィール

【名前】はまなす
【経歴】都立高校(進学指導重点校のひとつ)→東京理科大学理工学部土木工学科→京都大学工学部地球工学科
【現学年】一浪の1回生(2021年度入学)
【休学】なし
【サークル】なし


はじめに

 私は東京オリンピックを4か月後に控えた2020年3月、東京23区のある都立高校を卒業しました。ご記憶の方も多いでしょうか。中国は武漢から帰国された方が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたのは同じ年の1月でした。未知のウイルスを前に急速に世間を取り巻く空気が行動自粛へと移っていく中で私は現役の高校3年生として大学受験の最後の追い上げをしていたわけです。

 当時の私の第1志望大学は地元の東京工業大学。京都大学など難易度的にも全く視野に入っていませんでした。そこから東京理科大学を経て1年後に京都大学に入学するまで、新型コロナウイルスに翻弄されながら送った仮面浪人生活の記憶を書きたいと思います。


現役時代~第1志望不合格まで

 土木工学、その中でも都市計画分野に興味のある私は東京工業大学環境・社会理工学院(東工大の学院は他大学の学部と同等とお考え下さい。)を受験することを決めます。高3の夏休みまで所属していたワンダーフォーゲル部の合宿に参加したり、水泳部の大会に申し訳程度に出てみたりなど、あまり受験勉強に本腰を入れているとは言えない状況でした。もっとも卒業生の約半数が最低1年以上の浪人生活を経験するような高校でしたので、このような私でも肩身が狭い思い思いをすることは一切なかったのも事実でした。

 さて、東工大入試といえば、数学の試験が3時間、物理化学は各2時間の長丁場で、国語の試験は行われないにもかかわらず試験が2日間にわたる異色のスタイルであることはご存じの方も多いでしょう。当時決して数学が得意でなかった私(高3当時の順位は校内の理系生の平均ぐらいでした。)はまず数学から手を付けないわけにはいきませんでした。その結果、入試数学を解く力は少しずつですが確実に上がり、秋の東工大オープン模試では1問も完答できなかったところから本番では165/300点を取れるまでになりました。

 しかし私が数学に精を出している間、ほかの受験生に理科で差をつけられることになります。これが、私が東工大に不合格になった理由であることは間違いありません。現役生としては極めて典型的な落ち方です。他方、併願校としては、東京理科大学理工学部土木工学科、早稲田大学理工学部環境社会工学科、北海道大学工学部社会環境工学科(後期)の3校に出願しました。結果としては唯一合格した東京理科大学に進学することになりました。


しこりの残る不合格

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メンバー8人の仮面浪人体験記と対談記事3本、特集記事「退学体験記-三次試験対策-」がまとめて読めるマガジンです。 ここでしか聞けない仮面浪…

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