【chgr】仮面浪人するか迷っている君へ

 全身全霊をかけて挑んだ受験に落ちて悔しい人はいないでしょう。その雪辱をなんとしてでも果たしたいと思う人も少なくないはずです。しかしその思いを晴らす手段は再受験での合格だけでしょうか。私はそう思いません。入ってしまった大学で上手くやっていくことも不合格の悔しさを紛らわす一つの手段であって、むしろそれこそが最も一般的な方法であるはずであり、私はそれを最も推奨しています。私自身は京大に仮面浪人して受かったにもかかわらず。
 私がその立場に立つ大きな理由は仮面浪人の本当のリスク、仮面残留に伴う学生生活の破綻です。私は実際に仮面浪人をして失敗しました。そしてそこで初めて気づいたのが仮面残留をせざるを得ないということの心理的な負担の大きさでした。仮面前の悔しさを超えた悔しさ、受験勉強に犠牲にされた人間関係や大学の成績、これらをもって再び通い始める今までと同じ大学の通学がいかに心苦しいことか。私はこれを乗り越えるまでに数ヶ月を要しました。
 私はこの心苦しさと向き合って気づいたことがあります。それは、そもそも入学前に志望校の良さを本当に正しく認識することは困難だということです。つまり、今通っている大学よりも志望大学の方が自分にとって適していると判断するための根拠は希望的空想の域を出ないということです。なぜなら実際に双方の大学へ通った経験があるはずもないのだから。
 こう考えていくと、仮面浪人という選択は主観的な強い動機こそあれ客観的にはそれを推す明確な理由がないように思えてきます(もちろん学歴が上がるというメリットはありますが)。そのうえで、もし仮面浪人をするならば私は以下の点についてよく考えたうえで決断すべきだと思います。それは、受験勉強のために隙間時間をうまく活用し、通う大学での一般的な学生生活を送ることを疎かにしないことです。もっと具体的には、「その大学に残ることが嫌だから、志望校に合格したい」という感情にならない範囲で、受験勉強をこなしていけることです。これが守れると思うならば、私は仮面浪人という選択は大いに考慮に値するものであると思いますし、怠惰で無思考のまま空虚な大学生活を送るくらいならむしろ仮面した方が有意義なのではないかとさえ思います。しかし、その決断には常に今の大学生活を犠牲に受験勉強に没頭してしまいかねず、先に述べた私と同じ轍を踏む可能性が付き纏うことを常に念頭に置いておくべきかと思います。

→【親や友人との付き合い方】
https://note.com/kamen_to_kyoto/n/n3a6b263a101b
【履修登録】→ほとんど指定された科目ばかりで工夫点はなかったので割愛
【サークル】
https://note.com/kamen_to_kyoto/n/n58eef0d0306e
【アルバイト】
https://note.com/kamen_to_kyoto/n/n880338d48b5f
【仮面浪人の一週間】
https://note.com/kamen_to_kyoto/n/n3a80d839523b

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