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機長は優しいおじさんなんかじゃない!

朝のブリーフィングを経てなんとか飛行機にたどり着いたかめ子です。
せっせと自分のポジションに付いて自分の担当区分の安全確認を行います。
不審物がないかを確認するためしゃがみ込んで全座席の下に目をやり、同時に各座席にライフジャケットがあるかもチェック。消化器、酸素ボンベは使える状況なのか?PAは使えるのか?
やる事がめちゃくちゃあるんです!
慣れてくると流れ作業のように全てこなす事が出来ますが、慣れるまでが大変!
マニュアルを片手にひとつずつ消化していくしかありません。

そんなことをしてると、
「前に集まってくださーい。キャプテンとのブリーフィングです。」
とお呼びがかかります。
次は機長と副機長とのブリーフィングが始まるんです。
機長から今日は揺れるとか、どれくらいサービス時間は取れるとか、安全面について色々と報告を受けます。
で、時々あるんです。
「かめ子さん、新人ですか?
 質問です。今日のB777の速さはどれくらい?」
きたーーーーーー!
油断してると時々あるキャプテンからの知識確認!
飛行機マニアでもなんでもないかめ子はそんな事知りません。覚えてません。

とにかく速いはず‥
時速ではないやろう‥
その上の単位って何⁉️

と考えたかめ子。
「マッハ5です!」
と全力で答えました。
ら、
「あはは。大丈夫?」
とひとこと。
怒っているのか、呆れているのか、おもろい子だと思ってくれているのか、
全く読み取れない表情のままキャプテンはコックピットに消えていきました。

「はぁ〜こういう事されると調子狂うねんなぁ〜」と同期にぼやくかめ子。
「うん、でもマッハって‥」
と同期も困り気味。
ちなみに今もその答えを知りません。

残念な気持ちのまま、お客様を迎え入れるわけにもいかないので、気持ちを切り替え元気にスマイル100パーセントで!
「搭乗開始です。よろしくお願いします。」
チーフパーサーのアナウンスでお客様がどんどん機内へやってきました。

「かめ子の区分へようこそ!」

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