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カムパネルラ父の決断

※ネタばれあり

銀河鉄道の夜の最後に
カムパネルラが川に溺れてしまい
町の人々が必死に探すシーンがあります。


そして、カムパネルラのお父さんが
「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」
ときっぱりいうのです。


いつもこの文章で
涙がでてしまいます。


「落ちてから四十五分」
ここには、知的で冷静な
カムパネルラ父の判断を感じます。


 完全に水没してしまうと、
 5分までだと10%、
 10分までだと56%
 25分までだと88%
 そして25分以上だと
 残念ながらほぼ100%助からないという
 統計があるそうです。


カムパネルラの父は、息子と同じく
人を肩書などで判断しない優しい人です。


もしかしたら、町中の人たちが楽しいお祭りの日に
カムパネルラを必死に探してくれる姿を申し訳なく
感じていたのかもしれません。


カムパネルラの父は息子を
深く愛していたのは言うまでもないことです。


心をゆさぶる話には
自分の人生観を
見つめるヒントがあります。

#宮沢賢治

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