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#刑事

背中8   憑 狂 ~ツキクルウ~

背中8   憑 狂 ~ツキクルウ~

「何か変なことに、お兄ちゃんは巻き込まれたんです。だって、こんな死に方、普通じゃない」

 病院の霊安室で、美和は真っ青な顔で亡霊のような姿で立っていた。大吾死亡の連絡を受けたさゆみと斗真が駆けつけた時には、北条刑事がすでに美和に付き添っていた。

「病院では自殺なのは間違いないから解剖されないって言うんです。でも、絶対、おかしいじゃないですか。百合子さんの家で何かあったんじゃないですか? お兄ち

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背中7   憑 狂 ~ツキクルウ~

背中7   憑 狂 ~ツキクルウ~

 画廊から出てきた百合子と『背中』を見て、さゆみの足は考えるよりも先に駆けだした。画廊まであと少し、というところで斗真が駆けだして来て、百合子の前に立ちふさがった。すぐに刑事が出てきて、刑事はさゆみの前に両手を広げて立ちふさがる。

「はい、ストーップ。あんたはこれ以上、近づけません」

「何言ってるの! 彼がどうなってもいいの!?」

 刑事はため息を吐いた。

「いいもなにも、本人が高坂百合子

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背中6   憑 狂 ~ツキクルウ~

背中6   憑 狂 ~ツキクルウ~

 さゆみが一人で行っていた尾行に、斗真も手を貸すことになった。そのおかげで、百合子の家のすぐそばに張り付くことが出来るようになったわけだが、男性が見張っているとなると、通報される危険性が増す。基本的には、百合子が日常的に利用している駅で待ち伏せすることにした。
 百合子はなぜか外出にタクシーを使わない。尾行する身としてはありがたい。

 斗真が百合子を見た第一印象は、美人だけれど地味な女性だという

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背中4   憑 狂 ~ツキクルウ~

背中4   憑 狂 ~ツキクルウ~

 さゆみは百合子の尾行に手間取っていた。新しい『背中』が完成したのだ。早くしなければ次の『背中』を百合子が見つけてしまうかもしれない。

 年齢が、合わないのだ。
 百合子の『弟』が大基と同い年だという設定なのだとしたら、二十五歳でないとおかしい。なのに、今回、完成した『背中』は二十三歳なのだ。二年前に完成されておくべきだったもののはずだ。

 百合子は、すぐに次の、二十五歳の『背中』を見つける。

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