手の中に気品
父が最近、修学旅行の引率から帰ってきたらしい。
LINEの家族グループに奈良・京都・東京など修学旅行ではマストの観光地の写真が送られてきた。さらに、京都に本店がある文具屋さんでお土産を買ったから私と姉に送ったとのことだった。
昨日、郵便ポストに小包が入っているのに気づいて、早速開けてみた。
鳩居堂
寛文3年(1663年)創業。
最初は薬種商として、後にお香と文具を販売するようになり、360年後の現在も歩み続けている。なかなかすごい沿革を持っているご長寿企業。
あずき色が可愛い鉛筆型シャーペン。鉛筆型のシャーペン可愛いなとは思ってたけど、買った事はなかった。
持ち手が柔らかいとか、芯の鋭さが保てるとか色々機能的なシャーペンはたくさんある。個人的にはこれぐらいシンプルな方が好みだ。
新たなコレクション。
ノートを開くとふわっと薄く墨のような匂いがした。というか、持ってみてハッとした。
これ絶対高いやつ・・・!!
心の中の長田氏(チョコプラ)がそう言っているから間違いない。
ちがったとしても只者じゃない。
かなり厚手の画用紙のような紺の表紙。かっちりしてて服でいえばスーツのジャケットみたいなかっこよさ。サイズは文庫本より少し大きいぐらい。
表紙の紙は二重になっていて(内側に向けて袋状になってる)、さらに中にもう一枚、表紙と同じ紙がついてる(見返しの遊びという)。
さらにさらに背表紙の部分は溝(折り目のような線)がつけられてる。
これは見る人が見たら「おっ」ってなるはず。
使われている紙の値段・種類はわからないけど、その仕様の通りにするために必要なだけの紙と工程が加わるのだから、ただ単にノートを作るのとは話が違ってくると思う。
久々に前職の知識がやんわりと引き出される。
ちなみに中身は白紙。某氏が白は200色あるというように、この紙はクリーム色に近くて目に優しい白だ。触り心地は普通のノートよりは少し厚めで、程よくざらつきがある。
糸で綴じられてて、表紙部分のつくりと併せて耐久性に優れた綴じかたになっている。そして開きやすい。
こだわって作られたことがわかる。持ったときの重みと触覚だけでもひしひしと伝わってくる気品。300年以上愛されてきた理由そのものだろうな。
さすが京都(?)
一つ困ったことに、もったいなくて書くのに躊躇する。
書くとしたら何を?短歌とか?写経?シャーペンか万年筆か毛筆なのか?
どうしたものか。美術品として残しておくのが正解な気もしてくる。
しばらくは撫でまわしていよう。
ここまでありがとうございました。
そして改めてありがとう父。脛かじりで申し訳ない。
以下、後書き。
姉は今年、姓が変わった。
父:「間違えて旧姓を書いたら指摘された💦」とLINEしていた。
父よ。個人の自由だからわざわざ言わなかったけども、
50を過ぎて「💦」は使わないほうがいいと思うぞ。
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