ちょびっと長めの現代詩シリーズ「遊歩道」vol.9
冬木立に囲まれた
遊歩道にはしとしと遠く
まで
雨が
降っていた
手を繋いでいるこどもが
何やら舌を出し
空を見上げて
おぼつかない足取り
嗚呼 そんなことしちゃ
傘の中まで雨が降ってきちゃうよ
と
思いつつ
僕もこどもの真似をしてみた
反対側から歩いてきた
女の人
少し
引いていた
雨はちょっと苦くて宇宙の味のしびれ具合で
僕は思わずその場を跳ねた
ずぶぬれになりながら
こどももそれを
真似して跳ねた
少し
微笑んでいたような
行き交う通りすがりの
人達に
じろじろと眺められながら
見つめられていたままで
跳ねるオブジェと
化した僕ら
傘も持たず
天使になってずぶぬれていた
心はずっと揺れていた
コンビニエンスストアの看板が
雨で滲んでぼやけていたかも