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コンクールと受験から

あと数日で国立大学の発表。

先月コンクールの審査をしたのだが、これから受験なのだろうなという参加者が数名いた。
音楽大学の実技試験は、大概練習曲と自由曲。
学校によっては、音階が課せられる場合も。 

受験ともなると、やはりミスはかなり致命傷になる。
でも無傷の演奏など、コンクールや受験ではなかなか難しい。
では、万が一ミスをしてしまった時に何がプラスに作用するのだろう。
音楽性。
それに尽きると思う。

テクニック的なミスは、有効な練習すれば失敗する確率を下げられる。
でも当日100%成功するかというと、残念ながら言い切れない。
しかし音楽性という点で、丁寧に考えられた演奏は審査する側からするとそこまで波はないと思う。
特にそれが表れるのが、練習曲。
どうしてもテクニック的な事が先にきてしまい、そればかり一生懸命練習していたりする。
でも一度視点を広げて見てみると、練習曲だろうがソナタだろうが協奏曲だろうが、全て曲なのだ。
当たり前といえば、当たり前。

頭で理解していても、大学卒業まで私は全くわかっていなかった。
留学して、友達の練習曲の演奏を聴いて物凄いショックを受けたのを覚えている。
たとえテクニック的には劣っていても、そちらの演奏の方が魅力的でまた次も聴きたいと思わせたからだ。
既にもう終わっていても、試しにもう一度ガイザーやクロイチェル等を弾いてみて欲しい。
それはそれは、学べる事が盛り沢山。
私自身、去年ガイザー前半をもう一度練習していて、こんなにも良く出来た練習曲だったのだとびっくりした。

ウィーンでの先生は、クロイチェルをやり直しさせるので有名だった。
留学する子たちは、勿論クロイチェルの楽譜など持参していない。
皆、楽譜屋さんで改めて購入する事態に。
抜粋か全曲かは、人それぞれ。
大学生の頃、誰だったかは忘れてしまったが、来日したバイオリニストがアンコールでクロイチェルを演奏した。
暫く話題になったのを覚えている。

良い結果が出る事が勿論1番だが、コンクールや受験は終わってからが再スタート。
皆様に、良いお知らせが届きますように。

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