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ご褒美が必要な人たちの勘違い

 いつからでしょう?「自分へのご褒美」という言葉をよく耳にするようになったのは。ものを売るために、どこかの業界が仕掛けたキャッチコピーのような気もしますが、詳しくは知りません。

 それにしてもこのフレーズ、本当によく耳にします。そして、このフレーズには、かなりの確率でもう一言ついています。それは、”頑張った”自分へのご褒美というもの。

 日頃の自分の努力や苦労を労うためのご褒美なわけです。中にはそのご褒美を掲げないと頑張れないという人もいます。この仕事が終わったらハワイに行く!とか、あのブランドのバッグを買う!など。

 人のカラダを整える仕事をする私がなぜこんな話題で書いているのかと思われるかも知れませんね。しかし、これはめちゃくちゃカラダに関係するのです。このフレーズをよく口にする人は、基本的に健康から離れたところにいる人が多いのです。

 もちろん100%とは言いませんが、これは私が何十年も人のカラダを見てきて、この手で得てきた1次情報です。どういうこと?とご興味ある方は読んでみてください。

努力に対するイメージが生むもの

 この見出しに掲げたことがすべてのはじまりではないでしょうか?努力と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?おそらく過半数の人のイメージは、大変なことを乗り越える、必死に頑張る、そんな感じではないでしょうか?

 よその国のことは分かりませんが、少なくともこの日本という国は勤勉さが賞賛される国。コツコツ積み上げること、額に汗して働くことが清く、尊いこととして賞賛されます。

 努力という言葉の裏にはどこかいつも苦難が潜んでいます。進む道の過程には必ず何か行く手を阻む者が現れて、それを倒して突き進んで行く。いわゆるヒーローズジャーニーを好むのは人類共通の気質のようにさえ思います。

 ヒーローであるかどうかは別にしても、世の中の多くの人は同じように何かと戦いながら毎日を生きています。戦うにはエネルギーが要るのです。それをいつもやっていると疲れるのです。疲れている自分を押さえつけ、頑張っているといつか壊れるのです。そんな人をたくさん見てきました。

何をやっても楽しくて仕方ない

 側から見てどんなに大変そうでも本人は楽しくて仕方ない。何かを成し遂げる人ってそんな感じの人が多いです。私にも経験があります。

 プロのトレーナーになるために会社を辞め、国家資格を取るために学校に行き、4年間無給で現場の仕事を覚えました。まわりからは、大変だね、頑張ってね!とよく言われました。しかし、私自身は何も辛いことなどなく、目的に向かって毎日進めていることが嬉しくて、楽しくて仕方なかったのです。

 高い山を登る時、準備をしている時から楽しくて、登っている途中も楽しくて、どんなに急勾配でも一歩一歩進むのが楽しい。登頂した時に、人はその努力を賞賛します。よく頑張ったね!と乗り越えた苦難を労い、拍手を送る。しかし、本人はそこまで思っていないのです。なぜなら、やりたいことを楽しんでやっているだけだから。

すべてはカラダに現れる

 そんなカラダにもハードな偉業を成し遂げた後は、さぞかしカラダも疲れ、傷んでいるだろうと思いますよね?しかし、一般の方が思うほど疲労の色は薄く、回復も以上に早いのです。

 私のクライアントの方でトレイルランニングをされている方がいらっしゃいますが、その人もまるで同じ。100km以上走るのが当たり前の世界で、普段の練習がフルマラソンみたいな人です。練習やレースの後のカラダをよく見ていますが、筋肉は柔らかく、痛みもほぼなし。あったとしてもすぐ抜けます。信じられないですよね?

 もしその人が何かの理由で嫌々レースに出ていたなら、きっとカラダには違う結果が見て取れるのだと思います。普段の仕事に置き換えてみても、嫌で嫌で仕方ないと思いながら働いている人は、それが結果的にどんな偉業であったとしても、終わった後のカラダはボロボロです。

 何かを抑圧するには莫大なエネルギーを必要とするのです。そんなことを毎日、自分に強いている人が健康になるはずがないのです。

何を報酬にするか

 もうお気づきでしょうか?ご褒美とは、抑圧して何かを嫌々やっている人への報酬です。それを鼻先にぶら下げないと走れないなら、それはあなたが本当にやりたいことではないということ。

 そう言うと、そんなことは百も承知だ!と言われるかも知れません。生きていくためにはやりたいことだけやっている訳にはいかないんだ!と言う人もいるかも知れません。自分の生き方を決めるのは自由です。私もとやかく言うつもりはありません。ただその結果、健康を害して痛い目に遭うことを喜ぶ人はいない筈です。

 そうなった時に後悔したって遅いのです。それもいい勉強と思える程度で済めばいいですが、そうでなかったなら、あなたはそれでも仕方ないじゃないか!|人生とはそういうものなんだ!と言えるでしょうか?

 生き方も、健康も、すべては自分で創るものです。定期的にご褒美なんかあげるより、毎日がご褒美の人生の方が楽しいですよ!大きい小さいは関係なく、あなたが毎日自分にご褒美をあげられる人でいれば、いつも笑顔でいられます。みんながそうしていれば、世界は笑顔で満たされます。そんな世界がいいなぁと毎日思ってます。

 それでは、今日はこの辺で。

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