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当然だけれど、鳥の骨は軽いけど化石に成ると重く成る話

なぜ、自分は毎年のように開催される恐竜博へ出掛けるのだろう?
前回は記録として、今年も恐竜イベントへ行った事を書いた。

それほどに出かけるのには理由があるはずで、1番には、単純に恐竜という存在が好きだという事がある。そう好きなのだ。特に大型草食恐竜の骨格標本を見上げるように歩いていると、ワクワクが止まらない。残念ながら、今年のイベントにはそれほどの大型な展示はなかったけれど。

実は大型の草食恐竜の化石を展示する場合は、骨格模型が使われる場合が多い。
なぜか?
それは重いから。

最近の研究で恐竜は爬虫類の祖先でもあるが、鳥類の祖先でもある事が証明されつつある。つまりは、トリとトカゲは別のいきものだったと言うより、恐竜が進化の過程で、爬虫類と鳥類に分岐して行った言うことなのだけれど。

可哀想な想像になるけど、小鳥の羽根を全部ムシッってみてごらん。その姿はどう見ても立ち上がったトカゲだから。そう、鳥の愛らしさは、あの羽毛のおかげで、羽根をウロコに置き換えたら、ちょっと怖いはずだから。

それに鳥の骨は軽い。
身近にいる家畜の中でも、ブタとか牛とかよりも鶏(ニワトリ)の骨は軽いのだ。
牛骨や豚骨はハンマーがないと砕けないけど、KFCの鳥の骨はヒトが噛み砕けるほどもろいでしょう。(まぁ、KFCの場合は、あの白い髭のおじさんが考えた調理法のおかげで柔らかいせいもあるのだけれど)
体の中心、まさに骨格でもある骨が軽いから鳥って飛べるわけで、それは恐竜がなぜ巨大化したのかにも通じることでもある。
そう、恐竜は進化の過程でどんどんと体を大きくしていった。
草食恐竜は、簡単に肉食恐竜に食べられないように、巨大化していった。肉食恐竜も負けじと巨大化していった。そして、地上最大の生物としての恐竜が生まれたのだ。

ちなみに、巨大草食恐竜の名前にには、その大きさを表現するように名付けられたものもいて、スーパーサウルスやウルトラサウルスなんてものもいるが、その後さらに大きなものが発見され、今は化石が見つかった土地の名前が付けられことが多くなったようだ。

さて、話しは戻るけど、大きな鳥の骨を持った恐竜は、もちろん筋肉でその体を支えていた。それは骨だったから支えられていたわけで、これが化石となると話しは違ってくる。
そう、今現在、発見されている恐竜は化石。つまり、石化した骨だ。当然、石は重い。重い石を、当時の姿で再現するためには、かなり強度のある支えが必要になってくる。
当然、大型草食恐竜の化石全てを、長時間支えている仕組みを造るのは難しい。
なので、展示用にはその総重量を少しでも軽くするために、模型が使われる場合がほとんどだ。

やっと、話しは戻って、石は重くて支えているのが大変だから、代わりに模型が使われてるわけだ。

模型って言ってもモノが大きから組み立てるのも一苦労だ。仮に原寸大のプラモデルがあったとしたら、きっと一人で組み立てたら数十年かかるから。
そんな重くて大きなモノを、海外から運んで来るのだから、その費用だけでも莫大なものになる。
なので、かつてあった、巨大草食恐竜の全身骨格模型が数体も展示されたイベントは難しくなったのだろう。

確かに、技術力が上がって、高性能で高精細な映像を映せる設備と鮮明なCG画像があれば、驚くほどの空間を演出できるようにはなってきた。
でも私は、以前体感した、巨大なイベントホールでの、巨大恐竜の全身骨格標本の中を歩いて行く興奮を越える経験に出会ったことがない。

最後に、ジュラシックパークの裏話を。
当時、恐竜を使ったスペクタル大作の構想中だったスピールバーグは、その撮影には、模型を一コマ一コマ動かして記録してゆくモーションキャプチャーを採用する予定でいたらしいのだが、ピクサーに見学に行った時に、玄関の大型モニタに映されていたデモのティラノサウルスのCGを見て、「この映像を作ったスタッフと話しがしたい」と言ってCGの採用を決めてそうだ。
実はそのT-Rexの映像は、当時窓際族だったスタッフが意図して紛れ込ませたもので、彼はスピルバーグが恐竜の映画を企画していることを知っていて、自分が作った映像を見てもらうために一芝居打ったと言うのだが、真相は定かではない。

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