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絵が上手いオタク気質の監督が、本当にやりたかったのは特撮だったのに気が付いたんだよね。と言ってるラスト

今更ながら、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観た。
テレビのエヴァシリーズは、主人公のあまりの中二病っぷりに馴染めず、きちんと観ていない。
疫病期間中に新作劇場版が無料公開されていて、3作を観てしまったために、今回の鑑賞に至るわけだが、それでも、思い入れがないのは、観たのが今さらなのでご理解いただけるだろう。
さまざまな人が、サイト・ブログ・動画などで、ネタバレや解釈を披露しているので、それらには触れないが、私の感想としては単純に面白かった。
特にアニメとしては、今ある技術の全てを見せてくれているし、広げた風呂敷も上手く畳めたと思えたからだ。

私の勝手な解釈では、庵野秀明と言う人は、宇宙戦艦ヤマトを作った西崎プロデューサーに反発してエヴァを作ったのだと思っている。
当時、新作ヤマトのスタッフを探していた西崎は、岡田斗司夫や庵野秀明を住まいである六本木のビルに招き話しをしたと言われている。その話術と構想に魅せられた岡田や庵野を怒らせたのは、ある一言だったと言う。
『話は大人のプロのシナリオライターが書くから、君たちには絵を描いてほしいんだ』
それは、君たち子供にはロクな話を作れないと響いたらしく、反発した彼らは、新しいアニメを世に送り出して行き、やがて、ヤマトやガンダムのように、社会現象になるほどのインパクトのある作品、エヴァが生まれる。
だが、西崎の言葉の通り、TVシリーズのエヴァは、その若い才能が作り出したがゆえに破綻して最終話を迎え、続きは映画版公開に委ねられる事になるのだが、そのラストも映画1作目を鑑賞する観客の姿をスクリーンに映し、ラストは観客それぞれが決めるとでもいうような終焉となる。
たぶんだが、庵野の中ではそれで十分だったのだと思うのだが、その表現では世間は認めてくれず、しかたなく新作ヱヴァが製作される。
結果、シリーズは4作となり、庵野は製作途中、鬱病になってしまう。
それを救済したのは、妻と産まれた子供、支えたスタッフだと、
だから、今回のシン・エヴァンゲリオン劇場版:||のラストが、あのラストとなったと言うのが、ネットや世間の解釈らしいのだが…

確かに、大人になったシンジが恋人であるマリと駅の階段を駆け上がる姿をアニメで見せ、その後に、監督の故郷の最寄り駅の風景が実写に変わるシーンは、ボクももう大人だしアニメも卒業だよ、さよならオタク諸君と取れなくもない。

でも、私は、絵が上手いオタク気質の監督が、絵が上手いおかげで寄り道しちゃったけど、本当にやりたかったのは特撮なのに気がついちゃったんだよね。と言って舌を出している姿を想像したのだが、間違いだろうか?

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