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いつかどこかの研究所

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いつかどこかの研究所シリーズの作品をまとめます。大筋のストーリーだけでなく幕間などのサイドストーリーも不定期で更新していきたいです。
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#超短編小説

いつかどこかの研究所  夜の定時報告

いつかどこかの研究所 夜の定時報告

 ノックの音に続いてドアが開く音がする。
 ぼんやりした意識の中で俺はそれを認識した。
「こーんばーんは!ってあれ、先輩寝てる?」
 うるさいな。この声は……Aか。
 俺は呻き声を上げながら体を起こす。机に突っ伏して寝ていたからか、体が所々痛む。
「あ、おはようございます」
 手探りで眼鏡を探してかける。はっきりと輪郭を結んだ視界の中でAが笑っている。
「何かあったか」
「定時報告でーす!」
 

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いつかどこかの研究所  午後の検査

いつかどこかの研究所 午後の検査

 無機質な扉を開けると大きくて丸い目が僕を見上げる。僕の被検体、三一〇番ちゃんだ。
「あ、A先生!今日は何するんですか?」
 明るくて社交的、性格だけならまさに理想の被検体だ。
「今日はね〜検査だよ〜」
 そう告げると三一〇番ちゃんはがっくりと肩を落とす。
「検査ですかー」
「嫌だよね〜。でも必要なことなんだ。ごめんね」
 子どもは特に検査を嫌がる傾向がある。この反応は正常の範囲内だ。うん、今日も

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いつかどこかの研究所  昼の定時報告

いつかどこかの研究所 昼の定時報告

「せー!……あー、ノックだっけ」
 いつもの勢いでドアを開けようとして踏みとどまる。今朝言われたことを思い出してノックする。……返事がない。寝てるのかな?
「あ、A先生。B先生なら食堂にいますよ」
 たまたま通りかかった職員が教えてくれる。
「そうなんだ。ありがと〜」
「いえ、お疲れ様です」
「君もね〜」
 職員を見送って考える。
 定時報告だし、遅れたら怒られるよな〜。仕方ない、持ってくか。
 

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いつかどこかの研究所  朝の問診

いつかどこかの研究所 朝の問診

 俺の担当、四九五番。いつも不安そうな顔をしている大人しい女児だ。実験が上手くいけば、虫とのキメラとして戦場に立つことになるだろう。
 可哀想だと思ったとしても、ここはそういう場所だ。
「あ……B先生。おはようございます」
 椅子に座って絵を描いていたらしい四九五番はこちらを見て小さな声で挨拶をする。
 外見の変化はなし、今朝は猫の絵。
「おはよう。体調はどうだ」
「えっと、大丈夫、です」
 体調

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いつかどこかの研究所  朝の定時報告

いつかどこかの研究所 朝の定時報告

「せーんぱーい!おっはよーございまーす!」
 間延びした脳天気な声で挨拶をしながら、糸目の後輩、Aは部屋に入ってくる。
「朝の定時報告に来ましたよー!って、うわ」
 俺が手に持っていた資料を机に置いてAの方を見ると、Aは露骨に引いたような顔をする。
「部屋に入るときはノック」
「あー、はいはい、すみません。で、先輩、寝ました?昨日」
 Aは自分の目の下を指差しながら多少心配そうな声を出す。
「寝て

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