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分かりやすい授業とは①(生徒にして欲しい行動が明確な授業)

生徒が「わかりやすい!」と思える授業の要素として重要なものに生徒の行動や活動が明確であることが挙げられると思います。

保護者に対して電話するときも、会議で発言するときも、朝礼で連絡する時も「結局、相手にどう動いて欲しくて話すのか」を明確にすることはとても大切です。

説明がわかりにくいと言われる先生は(僕も含めて)、このことを意識することでだいぶ変わると思います。


今回は授業に絞って考えていきます。

授業の到達目標は生徒の取り組みを見て評価できるものにする。

それぞれの授業の時間の目標を生徒に提示するとき、まずは方向目標(生徒が目指すべき方針)ではなく到達目標(生徒がその時間で達成するべき事柄)を設定するのがいいです。
生徒は方向目標を提示されても、結局何ができればいいのか、その目標を具体的にどう授業に活かせばいいのかがわからないからです。

ただし、到達目標を生徒に提示するときにも注意が必要です。
到達目標はなるべく「〜を理解する。」「〜であることがわかる。」のような外から見ていて判断できないものではなく、「〜することができる。」というように外から見てわかるものにします。


例えば、物理基礎の授業で作用・反作用を教材として扱う授業の到達目標を考えます。
× 作用・反作用の法則を理解できる。
一見よくある授業目標ですが、作用・反作用を理解しているかどうかはを生徒自身が判断することは難しいです。また、何をもって生徒が理解しているのかがぼやけているので教員によって理解できているか否かの判断が変わってしまします。求めているレベル(中学生に求めるレベルや研究者に求めるレベル)によっても理解できているか否かの判断が変わってしまいます。

次のように目標を設定してあげると分かりやすいですね。
◯  作用・反作用の法則を用いて物体に働く力を図示できる。
図示できているかどうかは、教員が生徒の成果物を見たり、模範解答を示すことで生徒にも判断できます。また、教員にとってもこの授業の生徒の達成度を評価しやすいです。

もう一つ電子式を教材として扱うときの目標設定を見てみましょう。
× 電子式の書き方を理解する。
こんな目標の設定の仕方はダメですよね。

◯  分子の共有結合を電子式を用いて表せる。
これなら生徒も教員も目標を達せしているのかどうかが判断しやすいですね。

それぞれの時間毎に生徒の活動が明確になっている。

授業時間のそれぞれの時間帯は何をする時間なのかを言葉にして明確にしましょう。

以下の活動はなるべく同時並行でごっちゃに行うのではなく活動時間を明確にしてひとつひとつ行うようにしたほうがいいでしょう。

・ 板書をとる時間
・ 説明を聞く時間
・ 問題を解く時間
・ 一人で考える時間
・ グループで話し合う時間

よくやってしまう失敗が、
・ 板書をとらせながら一緒に説明をしてしまう。
・ 生徒が問題を解いているときに説明をしてしまう。
同時並行で作業したり活動したりするのが苦手な生徒も多いので、配慮してあげられると良いですね。

もし、複数のことを同時に行うときには言葉にするようにしましょう。

「13:20までにグループでの意見をまとめましょう。ただし、最低でも13:05まではひとりで考え自分の考えをまとめましょう。」

最後に

今回は伊藤洋一さんの1分で話せを読んで考えたことをまとめました。
生徒にしてほしい行動を自分の中で明確にして指示を出すことは大切なことですが、意識しないと忘れてしまいますね。





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