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俺か俺以外か(二択の話)

 ホストクラブなんて行ったこともない。このワード言われたら、絶対大笑いするんだけど、ちょっと惹かれるかもしれない。
二択ってところが面白い。

〇か×か
AかBか
やるのかやらないのか
買うのか買わないのか
行くのか行かないのか

 なんでも二択である。
先日受けたWEBセミナーでは、
「人は一日に36000回もの選択をしている」と言っていた。
きょえーーーって感じ。

 大学時代から家庭教師や、塾の講師のアルバイトをしていたこともあり、近所の紹介からの数珠つなぎで、今でも家庭塾として数名受け入れている。
小学生から高校生まで幅広い。
進学塾ではついていけない子が多いので、教え方にも工夫が必要である。
 勉強が苦手な子に、
「BでなくてAだよ」
という教え方はNGである。
もうAだAだ、この世にはAの選択しかないの勢いで教える。
 日本語の文法構造上、重要なことが後ろに来てしまうからなー。
「BでなくてA」の言い方は結構レベルが高い子のみに使う。それでも
「Aである。でもBに間違いやすいから注意」
この言い方が良い。長年やっていて実感している。

 そんな私も幼少のころ、たぶん5,6歳のころから、時々お遣いに出された。
小学校に行ってなかった気がするので、今から考えると信じられない時代であった。
大人の足で徒歩5分位の豆腐屋に、朝からみそ汁の豆腐を買いに行かされた。
「もめんじゃなくてきぬごしよ」と言われ・・・「くれぐれも」と念押しされ。
途中の道々
「もめんじゃなくてきぬごし」を言い続けた。
道端のクローバーに四ツ葉がないか見ちゃったりする。
普通に行けばよいのに、よそ様のブロック塀の際を、線を踏まないようになどしながら進む。
途中から
「もめん・きぬごし」のワードだけに変わっていった気がする。
さらに
「きぬごしじゃなくてもめん。。。。だっけ?」となり、
そして、もめんを買って帰った私は
「あれほど言ったのにぃ~?」というあきれた母の顔を見て、
私ってアホなのか?とわれながら情けなかった。

 父も父で厳しい人で、
テストの点がちょっと悪いくらいで、こっぴどく怒られるとかはなかったが、たとえ95点を取ったとしても、
「100点以外は0点と一緒だ」と、子供には理解しがたい哲学を押し付けていた。

 今では87にもなったその父は、病院嫌いなのだが、いろいろあって付き添っている。
先日血液検査が、ちょっとだけマシになり、お医者様に
「70点位かな?」と言われ、
「ってことは合格でんな~」などとほざいていた。
おかげで今も認知も何もないのだが、
「100点以外は0点やって言うてたやん?」って言ってやると、
「???・・・え?そんなこと言うたかな。」と
ちょっと間を置いて(ほくそえんだ顔で絶対思い出してる)
「なーんも覚えてへん」
と、急に老人ぶるのであった。

 私は、自分の生徒には、ちょっとでも点数上がったら褒めると決めている。


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