双極×はたらく? part1
2022/04/15(金)
双極性障害を抱えつつ働いている人と私とを隔てている壁は何だろう。
今はまだ私は働ける段階にないと自覚しているのだが、双極性障害で働いている人を目の当たりにすると、自然と考えてしまう。
先日、世界双極性障害デーに合わせて開催された「双極はたらくラボ fes’22」のウェビナーに参加した。
実際に働いている人たちの働く工夫や悩み、そこに至るまでの経緯を当事者からストレートに聞くことができて、とても勉強になった。
そして大きな発見と反省があった。
双極性障害を抱えつつ働くことは、こんなに大変で辛いことなのだと改めて気付かされた。
そして当事者のがんばりや苦労を知って、私は働くための努力が足りていないのではないかと思った。
双極性障害を抱えつつ働いている人と私とを隔てている壁が、私の努力不足だと感じたのである。
しかしながら、別の日に双極はたらくラボの記事を読んで、双極性障害を抱えつつ働いている人と私を隔てている壁は私の努力不足の問題ではないかもしれないと思った。
その記事では、双極性障害研究の第一人者である加藤忠史医師が双極性障害当事者が働けていない理由をシンプルに4つ挙げていた。
(前提として、双極性障害は多くの人がコントロール可能な病気であり、就労は決して難しい病気ではないそうだ。)
その中で働けていない原因として、
①診断ミス②薬の問題③他の病気を併発④病気に対する気構え
が考えられるらしい。
つまり加藤医師によると、双極性障害抱えつつ働いている人と私とを隔てている壁は、①〜④のどれかだということになる。
私の場合、確かに②薬の問題は検討の余地ありで、先週新しい主治医のもと炭酸リチウムの量が半分になって経過観察中である。
この薬の調整がうまくいき、働ける体調になれば壁を越え一気に道が開ける。
しかし一方で、原因さえ分かれば働けると言われてもそんなに簡単なことだろうかとも思う。
現実は病気に影響を及ばす環境や出来事やストレスなど、いろいろな要素が混ざり合っている。
その中でシンプルに①~④に原因を限定するのは難しいのではないかと思うのだ。
例えば今私は、炭酸リチウムを減量して躁になる危険が高まっている中で、突然引越しが決まった状態である。
引っ越しは躁転する典型的なイベントである。
もしこの状態で(いくら注意していても)躁転してしまったら、躁転の原因が薬の減量か引越しによるものなのか、もしくは他に原因があるのか分からなくなるだろう。
(ちなみに加藤医師は、双極性障害治療立て直し入院を提案し、患者がストレスが少なく安定した入院環境下で原因を究明する試みをしている。)
さらに本心を述べると、働けていない原因を究明することへの抵抗感もある。
原因を探究するということは、働けない限り今の治療を否定し続けなければならないことになる。
つまり私は自分が働けていないという状況に対して、主治医の診断や処方は本当に正しいのだろうか?(この主治医でいいのだろうか?)、併発の病気はないだろうか?自分の病気への気構えは甘いのではないか?などと疑い続けなければならないのだ。
また反対に今までの治療が適切でなかったから、今になっても私は働くことができていないのだろうかとさえ思ってしまう。
私は今までの治療があったからこそ、ここまで病気が良くなったと感謝しているのに。
働くことについて書きはじめると、どんどん考えがめぐってきた。
まだモヤモヤ考えていることがある。
長くなったのでこの先については次回、書いていきたいと思う。
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