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【F1】プレビュー:第6戦アゼルバイジャンGP

マックス・フェルスタッペン&レッドブル・ホンダが選手権首位で迎える、2年ぶりのアゼルバイジャンGPが6月4日(金)〜6月6日(日)にかけて首都バクーの特設コースで開催される。レース週末の展望は・・・

サーキットデータ

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コースレイアウト(formula1-data.comより)

サーキット全長:6.003km
コーナー数:20
レース距離(周回数):306.049km(51周)
平均速度:199km/h
最高速度:378km/h(2016年 V.ボッタス)
コースレコード:1:40.495(2019年 V.ボッタス)
ラップレコード:1:43.009(2019年 C.ルクレール)

タイヤ選択
・ホワイト ハード   C3
・イエロー ミディアム  C4
・レッド  ソフト   C5

サーキットの特徴

①市街地コースでコース幅が狭く、ランオフエリアがほぼない
市街地コースだけあって当然コース幅自体は広くない。特に世界遺産の旧市街の中を通したターン7からターン12まではかなり狭い。ランオフエリアがほとんどなく、クラッシュしたら壁の餌食となるためセーフティーカー(SC)の出動率は高い。2016年や2019年はVSCが1度出たのみと穏やかに進んだ年もあれば、2017年は3度、2018年は2度のSC導入があった。このためチームはSCが導入された場合のレース戦略も考える。

②直角コーナーが多い
セクター1は典型的なストレートと直角コーナーの繰り返しだ。セクター2も道幅が狭くなる旧市街地付近は路面のアンジュレーション(起伏)も加わる。ドライバーにとってはコーナーの入り口が非常に見えづらいブラインドの箇所が多い。直角コーナーが多いことで重要になるのはブレーキだ。ブレーキ位置によってラップタイムに差がつきやすいため、ブレーキに自信を持てなければコースを攻めることができない。

③2kmにわたる実質のロングストレート
長いストレートが2本あり、いずれもDRS区間となるためオーバーテイクポイントになる。特にターン16からはコーナーはあるもののアクセル全開で駆け抜けていく、ターン1まで約2kmの実質のストレート区間である。そのためターン1までにタイヤとブレーキが冷えやすい。また周辺の建物が高くレーススタート時刻も16:00で陽が沈んでいく(日没自体は20時ごろ)ため、日陰の部分が増えて路面温度もレースが進むにつれて低下していく。またパワーユニットにとっても長いストレートがあることはERSの回生にも厳しいことを意味する。ERSのマネジメントも非常に重要なレースとなるだろう。

レース展望

メルセデスは本当に不利?レッドブルは優勢?
チャンピオンシップではやはり、ルイス・ハミルトン対マックス・フェルスタッペン、メルセデス対レッドブルの構図に注目が集まる。モナコGP後、ハミルトンやトト・ウォルフ代表は「バクーでも我々は苦戦するだろう」とコメントしていたが、モナコ以上に苦戦することはないだろう。確かに冷え性のマシンで、長い直線、路面のグリップレベルが低いこのコースではあるが、サポートレースでF2も開催され週末が進めば路面にラバーも乗っていく。また前回2019年は4月下旬開催で気温自体がやや低かったが、今回は2017年以来6月開催に戻った。4年前は気温28度、路面温度53度のコンディションで行われており、今回も決勝日の予報は晴れ、気温25度だ。路面温度も40度は超えてきそうで、タイヤの熱入れが大きな問題となるのは考えにくい。ただ、マシン自体はレッドブルの方がコース特性にマッチしているのは間違いないだろう。そして何よりもセルジオ・ペレスはこのコースと非常に相性が良く、過去4回のうち2度表彰台に上がっている。一方のフェルスタッペンはモナコに続いて表彰台に登ったことのないコース。今季はここまで優勝2回、2位3回と非常に安定した成績できているからこそ、ここで流れを一気に引き寄せていきたい。そして自身初の連勝を狙うレースとなる。

メルセデスPUカスタマー勢のマクラーレンが2強の一角を崩せるかに注目
前回のモナコではフェラーリが優勝争いに加わる速さを披露したが今回は非常に難しいだろう。フェラーリのPUは最もパワーが不足しており今回はマクラーレンの後塵を拝すことになりそうだ。そのマクラーレンはメルセデスPUのカスタマーで最も競争力を持ったチーム。3年目のランド・ノリスはここまで表彰台に2回登って現在ランキング3位につける。波乱も起こりうるバクーでは展開次第でノリスがまた表彰台ではしゃぐ姿を見ることができるかもしれない。またチームメイトのリカルドは2017年にレッドブルで優勝を飾ったこともあるコース。自慢のブレーキングが帰ってくると、ノリスと近い位置で争うことになるはずだ。

アルファタウリも上位につけるチャンスありだが・・・
メルセデスとホンダのPUは互角の性能と言われることからも、アルファタウリにとってもマクラーレンの後ろにつけるチャンスは十分にあると見られる。角田はまずクラッシュせずに全セッション終えてほしいと祈るばかりだが、経験豊富なガスリーは今回も上位グリッドからの入賞を期待できる。開幕2戦でかなりのポイントを失った感はあるが、堅実に戦えば毎戦ポイントを手に入れられるマシンなだけに波乱も起こりそうなレースで好位置につけて上位進出の機を伺いたい。しかし今回はメルセデスPUを使うアストンマーティンや昨年からストレートの速いアルピーヌも速さを増してくる可能性は十分に考えられることから、中団勢の争いは激戦必至となると予想される。

レース日程&配信・TV放送予定

6/4(金)
10:25(日本時間15:25) F2 フリー走行
◎DAZN 英語実況で配信
12:30(日本時間17:30) F1 フリー走行1
◎DAZN  解説/小倉茂徳、田中健一
●フジテレビNEXT 解説/森脇基恭、松田次生 実況/野崎昌一
14:30(日本時間19:30) F2 予選
◎DAZN 英語実況で配信
16:00(日本時間21:00) F1 フリー走行2
◎DAZN  解説/小倉茂徳、田中健一
●フジテレビNEXT 解説/森脇基恭、松田次生 実況/野崎昌一

6/5(土)
11:25(日本時間16:25) F2 レース1
◎DAZN 英語実況で配信
13:00(日本時間18:00) F1 フリー走行3
◎DAZN  解説/小倉茂徳 実況/サッシャ
●フジテレビNEXT 解説/森脇基恭、川井一仁 実況/野崎昌一
16:00(日本時間21:00) F1 予選
◎DAZN  解説/小倉茂徳 実況/サッシャ
●フジテレビNEXT 解説/森脇基恭、川井一仁 実況/野崎昌一
17:40(日本時間22:40) F2 レース2
◎DAZN 英語実況で配信

6/6(日)
12:45(日本時間17:45) F2 レース3
◎DAZN  解説/小倉茂徳 実況/笹川裕昭
16:00(日本時間21:00) F1 決勝 
◎DAZN  解説/小倉茂徳 実況/サッシャ
●フジテレビNEXT 解説/森脇基恭、川井一仁 実況/野崎昌一

画像:XPB Images

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