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U12東バイエルン代表ユニに袖を通した日

次男のチームは今年からBezirksOberLigaという一つ上のランクのリーグに参戦します。

すると不思議なことに、この時期練習に行くと見慣れぬ顔の子供達がひとりふたりと練習に参加している姿が見られます。どうやら上のリーグでプレーできるとなると、近隣のクラブから移籍してくる選手が増えるのが通常らしいのです。あれよあれよという間に、次男のチームにも同じトレセンでプレーしている子や、他所のトレセンに選ばれている子など、頼もしい新戦力が加わってくれました。他にも、次男と同じ11歳の上手な子も数名加わりました。やはり年上のリーグでプレーできるよ、ということで魅力的に聞こえるものなんでしょうか。正直チームとしての連携もまだまだなので新しいリーグでも厳しい洗礼を浴びることになるでしょうが、親子ともに3月末の開催を心待ちにしています。

さて、ドイツの長い長い冬にもようやく出口が見えてきました。

しばらく投稿のできない日が続いていましたが、日本の皆さまいかがお過ごしでしょうか。こちらドイツでもいよいよ外サッカーの季節になってまいりました。

流行り病もすこーし落ち着きを見せてきたのか、それとも人間の方で慣れたのか、ドイツ各州政府の行動制限も少しずつやわらかくなり、子供達がサッカーをできる機会も少しずつ増えました。次男のチームは冬の間も熱心に練習を重ね、寒さがきつい時は室内でのトレーニング、室内の活動が制限された時には外気温マイナスの中でトレーニングをしてくれるなど、子供達のサッカー熱が冷めないような機会を作り続けてくれました。

そんなある日、東バイエルンサッカー協会からのメールで、11月に開催を予定されていたU12東バイエルン州代表選考を兼ねた1日大会をあらためて開催されることが発表されました。次男はちょうどその一週間まえに風邪をひいて熱を出し、(流行り病ではありませんでした)しんどそうにしていましたが少しずつ回復し、どうなることかと思いましたがなんとか本番に間に合いました。

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朝から高速を飛ばして走ること二時間、現地に着いてみるともう他のメンバーはみんな集まっているようでした。同じトレセンで顔馴染みのお父さん方から促されるように次男をロッカールームに送り込み、私は現場の観察です。

今回の大会は一度予定されていた会場がキャンセルになり、急遽別会場での開催になったと聞かされていました。川の中洲にグラウンドを作ってある変わった場所で、地面は柔らかいですがびっくりするくらい凸凹です。総参加チームは12、中にはU11の年下の選手も加わるとのことで、そのためか今回は特殊ルールでやると説明がありました。オフサイド、バックパスルールなし、サイドに出たらスローイングはなしでキックイン、あるいはそのまま持ち出すのもあり。7人対7人で前後半はなし、10分一本勝負です。

その中に東バイエルン代表チーム(男子)と同(女子)が加わる形になりました。女子代表チームを見る感じでは男子チームよりも一回り体がでかい。。。どうやら年上も混じっている様子でした。男子チームには次男と同じトレセンに所属している子も3人ほどいましたので、次男からしたらやりやすかったのではないでしょうか。でも他の子はみんな去年の合同トレーニングで顔を合わせただけの、言ってしまえばほぼ初顔のチームです。ここに次男がどう馴染むのか若干気がかりでした。1人だけ外人(非ヨーロッパ人)ですし。

当日の気温はマイナス一度、次男には試合に出ない間着るようにとダウンジャケットを持たせて、前日夜に散々絶対にグラウンドに持って出るように言っていたのに。。。小学生男子の後先考えなさは世界共通でしょうか。チーム全員ジャケット持たずに出てきました。次男も寒そうに肩をすくめながらアップを始めました。

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当たり前ですが背中に“東バイエルン“と入ったユニフォームはやはり特別です。心なしか子供達も誇らしげに見えます。

開始当初、スターティング7に次男の姿はありませんでした。ベンチで寒そうにしている子供達を見てやきもきします。試合はどうやら10分の試合時間を大体半分に分けて、コーチは子供達を色々なポジションで試しながら進めるようでした。一試合目中盤、次男がピッチに入りました。やはり最初はどの程度できるのか探り探りなのでしょう、チームメイトからのパスもあまり回ってこない気がします。ですがこの試合、次男はいきなり一得点一アシストの結果を出しました。その後の数試合も次男はスタメンではなく、四試合目くらいからでしょうか次男がスタメンに定着し出しました。ポジションも得意なサイドハーフ、左が使えるので左側でずっと使われます。仲間達からの信頼も自らのプレーで勝ち取ったようで、試合中のパス回しもどんどん回転が良くなりました。

さすが地区代表に呼ばれる子達と言ったところでしょうか、ほんまに今日初めてプレーすんの?ってくらい綺麗にパスが回る時もあり、見ていて非常に面白かったです。ただ唯一の不便は3面あるピッチのどこでどの試合が行われるのかがわからず、ビデオを持った怪しいおっさんはひたすら子供達の姿を追いながらグラウンドの外を走り回っていました。二試合したらロッカーに下がる、10分休憩でまた二試合、そんなペースで進みました。さすがにコーチから言われたらしく、休憩の後でみんなジャケットを持って出てきてくれて一安心です。

お昼休み、チームでソーセージパンをかっこむとすぐにまた試合が始まります。ここから次男のスタメン率は上がり、最終的には全十一試合に出場し、3ゴール4アシストを記録してそれなりの結果を残せました。もともと目立って持久力がある方ではなく、しかも前の週に熱を出したばかりとあり最後の試合ではスタミナ切れを起こしていましたが、彼なりに責任感を持って最後まで走り、いいプレーを見せてくれました。残念ながら不幸な自殺点などもありチームの順位は伸びず、5位の結果に終わりましたが総得点数では全体3位、良い連携もいくつも見られ見応えのある大会でした。


。。。とか考えていたらこれが選考も兼ねた大会であることをほぼ忘れていました。試合後、東バイエルンチームだけ集められ、長い長いフィードバックをもらっていた姿はとても印象的でした。次男曰く、ロッカーに戻る度にコーチからできていない子には細かく修正すべき点を指摘されていたそうです。そして最後のコメントでは全体のパフォーマンスの評価、さらに付け加えるようにこの中の何人かは期待していたパフォーマンスができていなかったので、うちに帰ったらしっかり自分で考えるようにと言われたそうです。おお怖。

個人的には次男のプレーは良くできていたと思いましたが、彼のプレースタイルはいわゆるこの辺りで評価されやすい、情熱的な、フィジカル全面のプレーではなかったです。どちらかというとスペースを見つけてパスを受け、プレッシャーをかわしながら溜めを作り味方へとスルーパス、あるいは自分でもらってシュート。ドイツ人からしたら日本人は感情が分かりにくいと言われますし、果たして彼のようなプレーがどう評価されるのだろうととても興味がありました。

結果から言ってしまえば数日後、東バイエルンサッカー協会からまたメールが届きました。そこには今年の夏までの東バイエルン年代別代表のスケジュールが添付されており、次男にU12のトレーニングと試合に参加するよう書いてありました。

とりあえずは一つの関門突破、というところでしょうか。厳しい道を突き進む11歳に、親としてどんなサポートができるのか考える日々です。



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