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田舎で暮らしたい人に伝えたいこと

大学入学を機に上京、そのまま30歳まで東京で働き、関東の片田舎へ戻って来て早5年。

田舎に戻って良かったと思う事は沢山あるけど、東京に戻りたい・・と感じる瞬間も多々ある。

もし、都会の人間関係や住環境にくたびれて田舎に住みたい・・と思ってる方がこの文章を読んでいるなら、是非伝えたい事がある。特に私のようなアラサー独身女性。

田舎暮らしは下手したら都会暮らしよりしんどい。


私はかつて東京で働いていたけど、お局様が大変ヒステリックでキツイ女性で、自分より下で働く女性の中からターゲットを見つけ、ひたすらいじめて辞めたら次のターゲットを見つけ出すという、絵にかいたようなお局様だった。

で、3人目くらいにロックオンされた私は、売られた喧嘩は買うタチだから結構な反発をしていたんだけど、何でいい大人なのにこんな事を・・?と面倒になり、結局仕事を辞めて田舎に戻った。

女性が多い職場はもうやめよう・・・と思って、田舎では男性の多い職場に就職した。これなら精神的負担は少ないだろうと思ったのだ。

しかしそんな事は全然なかった。

むしろ、田舎の方が精神的負担が多大だった。

まず、田舎の考え方として女は結婚第一。私より10歳下の女の子が同じ職場にいたが、「25歳過ぎて結婚相手もいないようじゃ、焦る~」などと言っており耳を疑った。

東京にいた頃、25歳で既婚者なんて私の周りにはいなかった。

でも別に、それを恥じたり不幸と思う人もいなかった。

何故なら皆、それぞれが思う「幸せ」な事を持っている人たちだったから。

私の場合はそれが漫画だった。ある人は海外旅行だったし、ある人は酒蔵巡りだったし。勿論、恋人とのデートだったり結婚生活だった人も居る。しかし、今時「結婚して旦那に養ってもらうのが勝ち組!」などと考えている人は皆無だった。

それがまさか、この平成も終わろうとしている時代に、あろうことか20代の女性からそんな言葉が出るなんて!!!

しかし、この女性と言うのがまあ、ピーチガールのさえみたいなタイプだった。大して女性に免疫の無い男性たちをからかってその気にさせ侍らせて、自分が世界の中心になったような気分でいる事が大好きなタイプ。(のちに社長の愛人となる)そんな子だから、男ありきの人生を目指すのであって、皆が皆そうとは限らない・・・

と、思っていたが、全然そんな事はなかった。

他にも出るわ出るわ。若いうちに結婚するのが勝ち組だと思ってる女性たちが。えー30歳?結婚してないの!?なんで!?はあいさつ代わり。もう田舎に戻って何回言われたかわからん。で、結婚してない人を馬鹿にする人が多い事多い事。これは男女問わず。先程のピーチガールさえ女史に、「え~でもお、30歳には見えないから全然大丈夫ですよお!今、街コンとかあるし出会いなんて探せばいっぱいありますから!」と勝手に励まされる始末。他にも彼氏いません、結婚歴もありません。と言うと、え、不倫してたの?とか、えー、見た目も性格も悪く無いのにねえ、何でだろ?とか言って来る奴わんさといた。

え、私結婚できなくて困ってるって一言でも言った・・?

もう彼らの中では、

結婚できない=何かある!不幸に違いない!

という方程式が出来上がってて揺るぎないので、結婚が全ての幸せの頂点じゃないと説明しても全然理解してもらえない。むしろ可哀想と思われる始末。

その根底にあるのは、古き良き時代の男性上位の考え方を今でも捨てられないオジサンたちの、「女は若いうちに結婚して子供産んで育ててろ!男はそういう生き物だから、キャバも行くし浮気もするけどな!」という、自分の欲望が主に置かれた3歳児のような主張である。

私の職場は子連れが多かったので、子供の面倒を見るのを頼まれる事もあったのだが、頼まれるのは絶対女性。どんなにこちらが忙しそうで、横で暇そうな男性社員が居ても、子供の面倒を頼まれるのは女性。田舎には子供の面倒を女性が見ないと死ぬ法律でもあんのか?

私は正直子供の相手は苦手なのでこの依頼は大変苦痛だったが、「いい練習になるじゃん、将来の為に!」なんて平気で言ってきたりする。

なんで私が将来子供を産んで私が育てるの前提なんだよ?

そもそも他人の子供預かるのと自分の子供育てるのは全然別物だろうが、練習になんてなるわけねーだろ。

大抵こういった場所で子守を頼まれる際は、走り回ったり騒いだり手の付けられない子供だから見ててほしい、というケースが殆どなんだが、自分の子供だったらこんな悪ガキ引っぱたいてるよ。

で、そういう子供を持つ親は大抵笑ってみてたり、完全無視したりで放置。帰る時もお片付けしないし、見ててくれて有難うございますの一言もない。えっこっちは別に保育士でも何でもないし、業務中だけど仕方なく面倒見てたんですけど・・・?

ちなみに、こんだけ結婚結婚騒いでる割には離婚率が高い。

若いうちにそろそろ適齢期というだけで大して深く考えず結婚していざ一緒に暮らしてみたら合わなくて結局離婚とか、旦那がキャバ嬢に入れ込んで離婚とか、まーーーーー離婚する人間の多い事!!

結婚が最高の幸せ!信者の割にあっという間に離婚してんじゃねーか!

ちょっと話はグチっぽくなり申し訳ないが、まあそんな感じで子供は息を吸うように当たり前に女性が面倒見させられる。そして自分は仕事帰りに当たり前のように飲みに行きキャバだのガールズバーに行き、その頻度も大変多い。それが当たり前で受け入れられてる事にぞっとする。(現にスナックとかガールズバーとかキャバとかはめちゃくちゃ件数あるけど、ホストとかは全然ないもんな・・)

で、私は1人で牛丼行ったりラーメン行ったり飲みに行ったりが平気な人間だから、仕事が終わった後「よし!飲みにいこ!」ってノリになるんですが、

田舎だとそれが出来ない。

正直田舎に戻ってこれが一番つらい事かもしれない。勿論、スタバが無いとかルミネが無いとか主にショッピング関係に大変不満はあるんですが、それはまあネットもあるしちょっと遠出すれば買い物は行けるし、今はもうそこまで不自由してない。でも、1人で気軽に飲みに行けないのは未だに全然つらい。

何故出来ないかと言えば、

そもそも女性が1人でふらりと飲みにいける店がほぼ無い。

田舎では女性が1人で飲みに行くという行為は辞書にない。そもそも若いうちに結婚することが最上の幸せであると信じてる人間たちが暮らす場所に、女性が夜1人で飲めるような店がそうそうあるわけがない。故に夜飲める場所はチェーン居酒屋、スナック、キャバとかばっかで、ジャズが流れるバーとかぐっとくる日本酒が揃っててカウンター数席のしっとりした小料理屋なんて無い。

いや、厳密にいえば多少はある。ほんとに多少だが、最近は田舎の片隅にそういう店をひっそりと構えるケースもある。

でも、田舎には交通手段が無い。

終電は22時、最寄り駅は無人駅。深夜バスなんて勿論走って無い。

飲んだらタクシーを呼ぶか代行を呼ぶしかない。これが結構高い。

全然気軽に立ち寄れない。

これはもうほんと解決策が無いので未だにつらい。コンビニで酒とつまみ買って家で飲むのもたまにならいいけど・・やっぱお店で色んな地域の日本酒飲んだり、手の込んだ美味しいお通し食べたり、ちょっと良いカクテル作ってもらったりしたい!!!!!!!正直これが辛くて未だにああ東京戻りたい・・って思ってしまう事がある。


まーでも人が少なかったり空気が美味しいとか環境が良いのは間違いない。野菜も私が住んでるとこは豊富に取れるから、都会のスーパーで買うより安いし新鮮。これは本当です。ご近所同士で野菜分け合うとかも本当にあります。

ただ、田舎の人間を皆善人だと思わない方が良い。


TVの旅番組で田舎の人は優しくて親切で純粋とか感じるかも知れないけど、皆が皆そういうわけじゃない。むしろ田舎の人間の方が、男も女も閉鎖的で陰湿な性質を持ち合わせています。

田舎って地域ごととか狭い範囲で組合とか徒党を作る事が多いから、人のうわさ話とかすぐ回るし、人のパーソナリティーを根掘り葉掘り探って来る。都会は色んなとこから人が集まってるから、個々の関係性はさっぱりしている感じだけど、田舎の人は大の大人の男でも女子高生みたいに仲良しグループ作りたがる傾向があるように私は感じる。そして結構陰湿。

私が田舎に戻って最初に就職した会社は、社長とその仕事にかかわる人達は殆どお友達か飲み仲間だった。成り上がりのジャイアンタイプで、自分の太鼓を持ってくれない人間にはいじめみたいな事するような、器のちっさい男。ターゲットにした人間だけ飲みに誘わないとか、パワハラするとか、ほんと40代の男でもこんな女子中学生のいじめみたいな事するの?って感じだった。妻子持ちだけど、先程触れたように、20歳も離れた社員の子を愛人にして、会社の金で車買ってあげたり家のリフォームしてあげたり。皆知ってて呆れてたけど、クビにされるのは嫌だから見て見ぬふり。

まあ、こういうのは田舎に限らないのかもしれないけど、人間関係が閉鎖的で特殊な地域もある。うちの周辺はそうです。

田舎もんが善人とは限らないのは、夏目漱石も「こころ」で書いてたね、そういえば。


まー私みたいな酒好きな独身アラサーには、田舎はあまり好意的な環境じゃないけど、都会を離れてのんびり子育てしたいとか言う人は良いのかもしれない。でも、田舎もんは良い人ばかりだ!っていう幻想は捨てた方が良いです。


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