カードゲームの競技プロ化のnoteによせて
どうも、社畜です。
在宅勤務の成れの果て、家を出るのは三日に一度、体力右肩下がりのもうすぐアラフォー。頑張って生きています。
そんなひん死のおじさんの数少ない趣味としてカードゲームがあるのですが、昨日とても面白いnoteがあったので、
「これはTwitterでクソリプするだけではもったいない!」
と思い、筆を執ることにしました。実際はキーボードを叩くだけですが。
はじまり
事の発端は世界最初のTCG、MTGのこの話題。
この話題に関しては、昔からMTGに触れていれば触れているほど思うはずです。お前何度目やねん、と。
もう浮気なんて絶対しない。気づいた。俺ほんまにバカやった。お前が一番大事や。もうお前だけおったら他になにもいらん。お前だけがいてくれたらいいんや。殺してくれ、次にもし浮気したら俺のこと殺してくれ。いや、それも悪いな、死ぬわ。そん時は自分で自分の命をもってきっちりけじめつけるわ。
~その翌週、他の女性と一緒にいるところを見つかり~
こ、これはちがうんよ。ちがうちがう。なんにもない。なんでもないから!ねぇ、なんでもないって!
えっと、これは私の実話、ではなく、MTGを作っているメーカーのWoCという会社のことです。
プロ制度作ったかと思ったら改悪し、もうしばらく同じ効果の強いカードは発売しないって言ったそばから同じカードを発売したり。
注)同じ効果のカードが再販(新しく出るパックに再度収録される)すると、市場の流通数が増え、カードの価値は下がります。
また今回もその一環なのです。その浮気者のせいで、カードゲーム全般の競技性が疑われるのは悲しい!悪いのあいつだけなんです!
反論①カードゲームは観戦に知識が必要だからだめ
要するに、カードゲームは観る側に要求するハードルが高すぎるのです。
eスポーツに関わらず、あらゆる興業化に成功しているスポーツは観る専門の人々が存在しています。
観る専の人がいない、プロプレイヤーの対戦はプレイヤーにとってしか観て面白いものではないと触れられています。
そんなん囲碁や将棋も同じで、どれくらいの人がNHKで放送しているプロの試合を把握しているんだ!という反論に対しnoteでは、こう言われています。
これは僕らが産まれる遥か昔から、将棋や囲碁が強いことは素晴らしいことであり、強い人同士の試合には価値があると信じられているということです。
人は価値があると思うものにしかお金を払いたくありません。
将棋上手い人同士の試合が見れます!お金くれませんか?という提案とカードゲーム上手い人同士の試合が見れます!お金くれませんか?という提案に対して同意する人の数の違いが囲碁や将棋とカードゲームの違いです。
また、古くから娯楽として確立しているということは将棋や囲碁の楽しみ方はこういうもんだというのが人々に根ざしているということです。
この部分において、私は一部賛同しますが、それがカードゲームが抱える問題点をすべてはらんでいるとも思いません。
◆賛同する点
囲碁や将棋が歴史があるということ
◆賛同できない点
歴史があるから価値があるということ
これは、ミスリーディングで、囲碁将棋が長い歴史の中で観戦に耐えうる解説が存在するようになったことだと考えます。
近年は、評価値を表示したり、どんどん魅せ方がカイゼンされている点もさらに将棋の評価をあげる大きな要因でしょう。
話をカードゲームに戻します。
カードゲームをプレイしていない人にも、適切に伝え、勝負の醍醐味を的確に伝えることができる解説がいないことこそが、競技プロ化への大きなハードルである!
その点、最近のポケモンカード公式は、海外公式大会で使われていたサイドカード(ゲーム開始時に伏せる6枚のカードでプレイヤーは何のカードが伏せられたか、なかなか知るすべがない)が見える机を導入したし、
公式配信に比較的知識のあるメンバーを起用し、ポケモンカードプレイヤーでなくても、ゲームのポケモンしかしたことがないユーザーにもわかりやすく解説をしている。
ポケカ伝道師ポニータ石井のお弁当配信(大型大会の中休みの時間にお弁当を食べる様を配信して人気を博していた。今思うと牧歌的な時代だった)が見られなくなったのは残念だが、観戦に耐えうるものに近づきつつあると感じる。
もちろんすべてのカードゲームがそうだとは言わないが、件のMTGでいえば、大型大会の時にプロのライターが書くカバレージ(対戦記事)はカードの内容をしらなくとも、少しだけMTGのルールを知っていれば読める手に汗握る最高の読み物が存在したりもする。
反論②カードゲームは強い=地味
まず第一にカードゲームが強いことはどこまで行っても地味でつまらないことだからです。
カードゲームが強いということはどういうことなのでしょうか?
それは、間違いを犯さないことです。
確かに地味な人もいます。でも華のあるプレイができるプロも一定数存在します。
これは、一般のプレイヤーがポケモンカード1.0、強いプレイヤーがポケモンカード2.0をプレイしていると言われる中で、一人だけポケモンカード3.0をプレイしているプロ選手とーしんさんの話です。
詳細は記事を読んでもらうとして、カードゲームはミスを犯さないのは偏差値60に行くために必要なスキルでそこから先の勝ち上がるスキルは唯一無二の思考力・判断力だと言えます。
自分が使っているデッキがBで、相手がDの場合、圧倒的不利を覆すために非合理な決断をする必要がありますし、さらにいうとデッキの中に入っていないカードをあたかも入っているかのようにプレイし、相手に故意に情報を与え、誤ったプレイを誘うということも起きます。
起きます、が、①で述べたように、状況をきちんと伝えられる解説がいないので地味に映ってしまうのでしょう。
地味さでいえばシャッフルもしない囲碁のほうが何倍も地味ですしね。
では次に、選手の持つ個性的な技によって人々を魅了できるかと言えばそれも難しいはずです。
なぜなら、誰が使ってもカード1枚が持つ効果は同じだからです。
また、この部分についても同意する部分もありますが、そうでない部分もあります。
前述のとーしんさんが新しいデッキを使い配信された場合、そのカードが一瞬にしてメルカリで売り切れます。
カードに書いてある効果はみな同じかもしれませんが、とーしんさんが使うとそのカードは光り輝くんです。これぞプロ。手が光るだけでなく、カードも光らせることができるんです。すごいですね。
③現在の仕組みが競技プロ化にむいてないと思う理由
プロリーグの運営元=カードゲームメーカー
これがうまくいかない一番の原因だと考えます。
プロリーグがうまくいくことがカードが売れることにつながらないという大きな問題をはらんでいます。
これは、カードゲームの売上の大半がメーカーが出すパックからもたらされるプライマリー・マーケットではなく、中古カードの売買のセカンダリー・マーケットであることが原因です。
メーカーはカードを売るためではなく、新しいカードが入ったパックを販売するために、日々新しいカードを印刷しますし、様々な販売戦略を立てます。
仮に現在のカードプールが適切で、大型大会には様々なデッキが持ち込まれ、どのプレイヤーも勝ち目がある素晴らしい環境でも、その環境を維持するのではなく、パックを売るために新しいカードを印刷しなければいけないです。
その新しいカードは、たくさんのパックを買ってもらうために、いままに印刷されたカードよりも強くなくてはいけません。
結果、すばらしい群雄割拠の環境は、メーカーによって破壊されてしまう。破壊して新陳代謝を促しパックを買ってもらうことこそがメーカーの生きる道なのだから、というわけです。
まとめ
いろいろ言いましたが、私はカードゲームの力を信じています。今うまくいってなくてもきっとうまくいくと信じています。
例えば、カード発行元以外がスポンサードする場合は比較的成功している(といってもスポンサードされてる人数は少ないですが)といえるのではないでしょうか。
セカンダリー・マーケットの雄である晴れる屋のHareruya Prosや、カードラッシュプロ。
また、晴れる屋が主催する自主大会、神決定戦などは公式以外の大会として一定の威厳があり、参加者も多いと聞きます。
確かにカードゲームの歴史は娯楽の中でも浅いものであるといえます。ただ、今のようなポジションに甘んじるのではなく、もっと多くの人に楽しんでもらえるもの、と強く信じています。
さて、寝ましょ。
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