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カトマンズざつ旅録 その1

一週間ほど、カトマンズを雑に旅してきたのでその記録。

伊豆でPADIのオープンウォーターダイビングのライセンスを取得した翌日、日本を発った。目的地はネパールの首都カトマンズ。東京からの直行便は無いので、一度どこか経由しなければならない。中国経由が一般的なようだが、コロナやらでやばいのでタイ経由にした。ちなみに後から知ったのだが、大阪からだと直行が出ているみたい。

まず向かうのはタイ・バンコクのドンムアン空港。日本から6時間ほど。到着したらすでに夜だったので、空港近くのホステルに宿泊。勝手知ったるバンコクなので、特にトラブルも起きず。翌日昼過ぎにはネパールへ向かった。

バンコクからカトマンズまでは4時間ほど。時差があるので、14時過ぎには到着した。

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初めてのネパール、初めてのカトマンズ。まず驚いたのが空港の小ささ。一国の首都にある国際空港だけど、規模感的には八王子駅から駅ビル抜いた感じ。チェックインカウンターがA、Bの2エリアで、発着ゲートは4つだけ。超小規模。国際空港には国力の差が如実に現れる。ラオスの空港を思い出した。

空港を出てタクシーを拾う。ホテルを予約していなかったので、とりあえず安宿街で有名なタメル地区に向かった。空港からタメルまで30分ほどで、料金は700円。日本人的には安いが、ネパールで700円は結構デカイ。かなり大雑把だけど、物価は日本の1/10前後と考えると良いと思う。つまり、7000円相当。多分現地人は別料金か、そもそもタクシーを使わないんだと思う。ちなみに1ネパールルピーがほぼ1円なので、計算はしやすい。

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タメルに到着した。タクシーを降りる。細い道を人やら自転車やら車やらバイクやら野良犬やらが行き来し、宿やお土産屋、飲食店、雑貨店、アウトドアショップがずらりと軒を連ねている。まさしく漫画版『神々の山嶺』で観たカトマンズの光景が広がっていた。テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるな~

宿を探して数分歩くと、ひときわ目を引く看板が。

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日本人の宿。めっちゃ早いWIFIとかホットシャワー25時間とか怪しさ満点の日本語が並んでいる。あんまり怪しいからちょっとググってみたら、思いの外高評価だったのでここに泊まることにした。ちなみに正式名称は「Hotel Travelers Home」と言うらしい。

Hotel Travelers Home - Booking.com
https://www.booking.com/hotel/np/travelers-home.ja.html

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中に入ると大量の漫画が。漫画喫茶かここは。そして女の子(多分オーナーの娘さん)が迎えてくれた。

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たまに怪しいところがあるが、日本語が通じる。ちなみにオーナーは日本語ペラペラだ。英語が苦手な日本人でも安心して泊まれる。宿の他に旅行代理店もやっているので、必要なら航空券からバス、タクシー、ガイド、ポーター、ツアーなんかを手配してくれる。

オーナーからひとしきり歓迎されたあと、「どこに行くんだ?」と聞かれた。「ノープランだ!」と自信を持って答える。これは冗談でもなんでもなく、マジでノープランだった。一応地球の歩き方をチラミしてはいたが、正直カトマンズに何があるのかすらよく知らなかった。でも、ネパールといえばなんといっても世界最高峰のエベレストだ。そこで「とりあえずエベレストが観たい」と伝えた。

「それならマウンテンフライトだな」

どうやらカトマンズからエベレストを含むヒマラヤ山脈を眺める遊覧飛行ができるらしい。値段を聞いたら、往復のタクシー込みで2万円弱とのこと。フライト時間は30分ほどなので、まあまあする。それでもヒマラヤの全貌を手軽に眺めることができるので、かなり人気らしい。

ただ、朝6時に出発するので、ホテルを5時頃出る必要があった。流石についたばかりで朝5時起きはキツイので、他を考える。

カトマンズ近郊にナガルコットという村がある。山の上にあるので晴れた日にはエベレストが見ることができ、ミニトレッキングの目的地として人気だと地球の歩き方に書いてあったのを思い出す。

「ナガルコットからエベレストが見えるって聞いたけどどうなの?」

「あー、ナガルコットか。あんまり見えないと思うけど、天気次第かな。ナガルコットに行くなら一泊二日のトレッキングで行くと良いよ。これが人気のコース」

さすがはその道20年くらいのベテラン。ササッとプラント見積もりを作ってくれた。

まず車で1時間ほどかけてサクーという町まで移動し、そこから徒歩で10キロほどを歩いてナガルコットを目指す。ナガルコットのホテルに一泊し、翌日はチャングナラヤンという町まで13キロほど歩き、町を観光してから車でカトマンズまで戻るというプランだ。料金はこちらも2万弱で、タクシーとガイドとナガルコットのホテル、道中全ての飲食込みというもの。

一泊二日で2万ならまあ良いかと、とりあえずそれをお願いすることにした。せっかくネパールに来たんだし、やはりトレッキングは外せないだろう。かと言ってガチで山を登るほどの時間も体力も(どちらかというと体力が)無いので、ちょうどいい感じのプランに思えた。1日10キロちょっとなら山道でもなんとか歩けるはずだ。

オーナーはテキパキと車とガイドを手配してくれた。出発は翌日の朝8時。ガイドと車が宿まで来るとのこと。

よし、とりあえずの予定はできたので、ひとまず腹ごしらえをすることにする。おすすめの店を聞いたらいくつか教えてくれたので、その中でチベット料理の店に行ってみた。

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GILLINGCHE Tibetan Restaurantという店だ。東京居酒屋という日本料理店の隣りにある。少し奥まっていて見つけるのに時間がかかった。

メニューを見ても何がなにかよく分からなかったので、とりあえず適当によくわからないチベット料理を頼んでみた。

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出てきたのがこれ。餃子皮の中華まんといった感じ。真ん中のタレにつけて食べるっぽい。ちなみに中身はベジタブル、チキン、バフから選べる。バフっていうのが何なのか分からなかったので聞いてみたら、バッファロー、つまり水牛らしい。こんなもん水牛一択だ。水牛を食べるのは初めてだったが、牛肉よりも豚肉に近い気がした。牛独特のジューシーさがなく、なんだかボソボソしている。でも、決して不味いわけではない。むしろワイルドな食感が好みだった。味もTHE・肉といった感じで結構好きだ。

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もう一つ頼んでみた。今度はスパイシーモモ。モモっていうのは餃子のことだ。それがめちゃくちゃ辛い味付けで炒めてある。四川料理みたいだった。ちなみにこっちも水牛。味は、辛い。美味いが、辛い。辛さが全て持っていく、そんな感じ。正直普通のモモのほうが美味い。

満腹満腹。正直食いすぎた。ホテルに戻ってシャワーを浴びる。一泊1000円の宿だし、正直期待していなかったのだが、以外や以外。かなり温かいお湯が出た。むしろ最強にしたら熱くて浴びれないくらいだ。しかもお湯が出るまでの時間が短い。日本と大差ないのではないかとすら思った。あまり海外旅行をしない人にはピンとこないかもしれないが、アジアの安宿は基本的にぬるま湯しか出ないのだ。最安ランクのドミトリーともなるとお湯すら出ない。水シャワーだ。それがどうしたことだ。この宿はあたりだ。トレッキングから帰ってからもお世話になろうと心に決め、ベッドに入った。

明日は人生初のトレッキングだ。ハイキングや軽い山登りは経験があるが、一泊しての徒歩旅行は初めての経験なので、ちょっと不安ながらも楽しみだった。果たしてエベレストは見えるだろうか。オーナーは「一応天気予報だと大丈夫」と言っていたが、山の天気は変わりやすい。一抹の不安を覚えながら、就寝した。

多分その2に続く

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