「日記を書くことで、己の悲しみを救う」
3.11から13年が経った時に読んでいて、とても感銘を受けた本がある。
それは『16歳の語り部』という本で、
当時小学5年生で被災した子どもが16歳になった今しか語れない言葉で震災を語るという内容だった。
子どもから大人に変わりつつある小学5年生が目にした光景や感じた思いがある。震災当時の現状や被災地でのその後の生活などを、子どもでも大人でもない16歳の青年たちの言葉で伝える。
私はたしかに今この時にしか出せない表現があるのだろうと思ったし、まっすぐな言葉がとても胸に響いた。
そして私にも、
そんな瞬間があるだろうと思った。
たとえば、今。
29歳になった私にしか語れない思いがー。
それはいつか南極料理人になるぞ!という夢だったり、歳を重ねてゆく両親の背中を見て思う家族観だったり、社会の構図がなんとなく見えてきて感じる問題だったり。
私たちの未来について、今、願うことだったり。
いろんな時に、いろいろと抱く、
今の私にしか感じられない思い。
それは嬉しい、楽しい気持ちだけじゃない。
悲しい。悔しい。許せない。
今だからこそ感じる苦しい思いだってあるだろうし。
逆に、
今の自分だから感じられる幸せもあると思う。
そういう、
あれやこれや。
それを言葉にして、語る。
すると、なぜか私は安心する。
私が私を語ることができると、
「いちばんの理解者が、そばにいてくれる」
そんな安心感がある。
きっと自分が自分のいちばんの味方になってくれるからだと思う。
この日記のタイトルの
「日記を書くことで、己の悲しみを救う」というのは、大河ドラマ『光る君へ』で主人公がつぶやいた言葉。
おそらく、のちに紫式部となり『源氏物語』を書く主人公・まひろのターニングポイントとなる言葉だろう。
この言葉は、私にとっても満月の月明かりみたいに暗い夜にやわらかい光を差し込んでくれるようなものだった。
私がこのnoteを書き続けている理由そのものだったからだ。
いつかの自分のために。
いまの自分のために。
私の気持ちを、
今日もここに記していく。