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佐藤泰志原作映画『そこのみにて光輝く」

映画『そこのみにて光輝く』のレビューを書きました! https://filmarks.com/movies/56331/reviews/132833315 #Filmarks #映画

佐藤泰志原作、という時点で、どうしても小説と映画との距離を測り、その埋まらない乖離に嘆息せざるを得ない。映画そのものを素朴に受け止めれば、綾野剛、菅田将暉、池脇千鶴、高橋和也、火野正平、いずれも間然とするところのない演技で、呉美保の若い監督力にも納得である。しかし、佐藤泰志熟読者の側から判定すると、及第点は出せない。佐藤泰志の作品世界は、内的世界の奥深いところにある哀しみを凝視し、炙り出すものであって、本作にあって映像として具現化された主人公のトラウマや最下層ゆえに背追い込まねばならない理不尽な諸相とは大きく隔たっている。作者未亡人や、函館の人々これで、先行作品も含めこれらで良しとしていいるのだろか。

佐藤泰志が次々と映画化されること自体は喜ばしいことかも知れないが、表面的な具現化や無駄な辻褄合わせで江湖に問われ続けるのだとしたら、原作と映画化作品は別次元のものとの前提を十分理解した上でも、自身の生きてあることに重い最期の選択をくだした佐藤泰志が多くに理解されないままになってしまう。映画人たちに読解力の鍛錬を求めたい。

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