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『嘘八百 なにわ夢の陣』レビュー

中井貴一、佐々木蔵之介コンビによるシリーズ第3作。幅広いファンに支えられた東映のドル箱作品ながら、個人的には、今まだ人情喜劇か、という旧態依然感が拭えない。安田章大,中村ゆりの新興宗教まがいの詐欺団体設定からして既視感横溢で、どこかしら社会の現況への批判意識があって当然なのに、踏み込み無しが残念。中井貴一扮する古美術商小池則夫が、最終盤、作品主題を総括するがごとき弁舌をふるう場面はシリーズのお決まりではあるものの、文字通り「説教くさい」仕上がりで楽しめない。もっと映像そのもので表現してほしい。喜劇ならより軽快に楽しいものにして欲しい。ないものねだり、十分承知。武正晴監督作品だからこそ、もっと、と要求したくなる。

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