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【3分で分かる!】鎌倉スクールコラボファンド #2021取組報告

こんにちは!教育総務課教育企画担当の高橋です。

素敵な企業・NPO・大学とのコラボレーションで、ワクワクする教育を実現する「鎌倉スクールコラボファンド」。

皆さんのあたたかいご支援により、令和3年度(2021年度)は、小学校1校と中学校1校において素敵な取組ができました。また、令和4年度(2022年度)もたくさんの取組が進行中です。心より感謝申し上げます。

教育長がコラムでも何度か取り上げて報告されていますが、教育企画担当からも「3分で分かる鎌倉スクールコラボファンド」と題して、令和3年度(2021年度)に実施した取組を紹介したいと思います。

1.鎌倉スクールコラボファンド(SCF)について

鎌倉スクールコラボファンドは、学校が主体となりながら、大学・NPO・企業等とコラボレーションして、より魅力的で豊かな学びの取組を実施し、学習指導要領に示されている「社会に開かれた教育課程」を実現することを目的としたプロジェクトです。

「社会に開かれた教育課程」って?
学習指導要領では,「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を共有し,社会と連携・協働しながら,未来の作り手となるために必要な資質・能力を育むことを「社会に開かれた教育課程」と表現しています。


SDGsをテーマとした課題解決型学習や最先端技術を活用した学びなど、時代の要請に応えたワクワクする教育を実現したいけど、学校だけでは人材やノウハウ、リソースが足りない!

鎌倉スクールコラボファンドは、そうした学校の切なる思いを様々なコラボレーションを通じて実現するために、活用させていただいています。

2.鎌倉SCFを活用した取組

令和3年度(2021年度)は、小坂小学校の6年生(3クラス)と玉縄中学校の1年生(5クラス)が、「総合的な学習の時間」の授業において、SDGsをテーマとした課題解決型学習(PBL)を実施しました。

課題解決型学習(PBL)とは?
体型的に整理された「教科」の内容を順次良く学習する従来の学び方ではなく、身近に存在するリアルな「課題」を自ら発見・探究し、解決する力を身に付ける学び方のこと。

取組が始まったタイミングで、教育長コラムでも紹介させていただきましたが、各校の1年間の取組について、新たな写真なども加えて報告させていただきます!

(1)小坂小学校(6年生)

小坂小学校では、これまでもSDGsをテーマとした総合学習を実施してきましたが、積み上げてきた学びをさらに深めて質の高い課題解決型学習を実現するために、子どもたちは「自然保護」「持続可能なまちづくり」「プラスチック削減」「再生可能エネルギー」「難民問題」「核兵器廃絶」「フードロス」のテーマに分かれて探究を進めました。
連携先は、特定非営利活動法人 未来をつかむスタディーズで、指導計画作成の協力・アドバイスから、ワークショップの企画・運営、テーマに合わせた外部講師のマッチングまで支援いただきました。

授業は、学校の先生方だけで実施する回と、講師を招いた講義やワークショップの回を組み合わせながら、6月から3月の発表までの間、何度も先生方と連携先とで打合せを重ね、協力しながら取り組みました。その一部を紹介します。

6月は「SDGs&Me」として、一人ひとりが自分の「夢」「長所」「SDGsの関心領域」を書き出し、SDGsに貢献している自分を表現するビジョン図を作成しました。

「SDGsに貢献している自分」のビジョン図

7月は「やってみよう課題解決型学習」として、自分が選んだテーマを自分の身近な課題・行動に落とし込んでいく活動を行いました。

10月には児童から出てきた8つのテーマの実践者、当事者、専門家と一緒に学び合いました。

例えば、「フードロス」グループでは、カフェオーナーを招き、お店で出るフードロスの実情について伺った後、「もしあなたがカフェの店員だったら、お客さんだったら」の視点でフードロス対策案を考え、それを実際にオーナーに提案しました。後日、オーナーは、カフェで実現可能なものを採用し、子どもたちはアイデア採用の現場を視察しました。

フードロスのアイデア出し

「難民」グループは、難民としてベトナムから日本に命からがら海を渡った講師の方からのリアルな話に、心が動かされ、泣きながら聞く子もいました。講義後は、多文化共生のための施策を考えました。

ベトナム難民の方から体験談を聞く場面

「核兵器」グループは、長崎大学核兵器廃絶研究センターとオンラインでつなぎ、「核兵器に関する様々な国の立場から」と題して、国際会議のロールプレイを行い、核兵器を持つ国、被爆国、平和で穏やかな国など、立場により核兵器に対する考え方の違い、課題の奥深さを子どもたちが実感していました。

オンラインで国際会議のロールプレイ

他のグループもSDGs達成に取り組む方々からの具体的な活動を聞き、知識の学びから行動する学びへのヒントをもらいました。

12月には、「プラスチック削減」に取り組んでいるグループを対象に、高校生の実践紹介と「廃棄ビニール傘アップサイクル」のワークショップを実施しました。総合的な探究でアップサイクルを実践した高校生から、活動を始めたきっかけや実際にアップサイクルの工程を体験し、学びを深めました。

廃棄ビニール傘のアップサイクルを実際に体験する子どもたち

1月は、10月に学び合いを行った実践者、当事者、専門家に対して、子どもたちが行ってきた探究活動の進捗報告を行い、「質疑応答、助言、情報提供」をしながら学びを進めました。講師も答えを与えるのではなく、こどもたちの主体性を大切に、共に考える姿勢で、学びをサポートしてくださいました。

例えば、「まちづくり」グループでは、子どもたちは障害を持つ人や子どもが安心して通行できるか、という視点でまちを調査したり、発表の準備を進めていました。講師からは、どうしたら説得力、訴求力を上げれる発表ができるか、そのヒントをもらっていました。

講師と対話する様子

「プラスチック」グループは、場所ごとにごみの調査をするなど、具体的に動いていました。また、サポートしてくれた大学生から実践を磨くためのアドバイスをもらっていました。

大学生からアドバイスをもらっている様子

上記以外の時間では、学年の先生方が連携先からアドバイスをいただきながら、探究活動を進め、発表に向けた準備などの授業を行っていました。

そして、3月
学びの発表会を県立地球市民かながわプラザ(通称「あーすぷらざ」)で実施しました!

発表会の様子

子どもたち自らが「SDGs課題解決型学習の学び」を発表することで、自分自身が学びの意義を確認するとともに、課題解決の姿勢や学びを継続・発展していく契機となりました。

学びに協力いただいた講師の方々もお招きし、「鎌倉に住んで初めて良かったと思いました。いい発表を聞かせてもらった。」「現場に出て色々なことを見て、調べて、自分たちなりの解決策を考えて発表していました。ここまでできていることがとても素晴らしいと思いました。」など、学びの成果に対するコメントもいただきました。

(2)玉縄中学校(1年生)

玉縄中学校では、慶應義塾大学SFC研究所とコラボレーションして、「環境」「観光」「つながり」「防災・まちづくり」「多様性(LGBTQ+)」「多様性(障害)」のテーマに分かれて、課題解決型学習に取り組みました。
生徒は、外部講師を招いての講義やワークショップ、大学生から授業や探究学習のサポートを受けながら、6月から3月の発表会までの間、じっくり取り組むことができました。

6月は、「発想のきほん」と題して、発想が生まれる仕組み、発想する練習、調べ学習のポイントなどを、講義とワークショップを通して学びました。

「発想のきほん」ワークショップの様子

7月は、各テーマに分かれて学校の先生方と大学生が一緒に授業を実施。テーマの概要や具体的な課題、課題解決に向けた取組事例を紹介いただきました。大学生が生徒に積極的に問いかけたり、話し合いの場面を設けたりするなど、理解を深めました。

たくさんの疑問や意見がでました。

10月は、グループに分かれて、ワークシートなどを使って大学生の伴走を受けながら探究学習を進めたり、「多様性(LGBTQ+)」の生徒たちはゲストスピーカーを招き講義を受けるなどして、それぞれの課題に関する現状把握や解決のためのアクションについて検討を進めました。

11月は、生徒たちは課題を解決するために自分ができることやアイデアをさらに掘り下げながら、グループで話し合いを進めました。大学生は進捗を確認しながら、視野を広げたり、アイデアを深掘りするためのサポートを行っていました。

12月は、グループごとに具体化したアクションや提案に対して、実行に移すための具体的な計画を立てました。課題設定に対するアクションが出来ているか、抽象的な計画になっていないかなど、大学生からコメントやアドバイスを受けながら、取組を進めました。

1月は、大学生が生徒に問いかけたり情報提供を行ったりして、納得感のあるアクションや提案を設定できるように支援し、中にはキーノートに情報を整理してまとめ始めるグループも出てきました。また、「多様性(障害)」の生徒たちは、車椅子体験、パラリンピック競技であるボールゴールを体験し、理解を深めました。

ボールゴールを体験する生徒たち

2月は、これまでに取り組んできた内容を、他者と共感し納得してもらうための整理や表現方法について大学生からの支援を受けながら、発表準備を進めました。

そして、いよいよ3月の発表会です!

各チームが、9分の持ち時間と発表後2分間の交流タイムを使って発表に臨みました。「多様性(LGBTQ+)」のグループの中には、性別で分けるような言葉・表現について問題を指摘するとともに、自分たちの制服に着目し、実際にデザインしてみて、どんな制服であれば、誰もが自分自身を表現できるかを考え、紹介していました。

また、「防災・まちづくり」では、地元のハザードマップを作成したグループ、「つながり」では、貧困問題を学べるカルタを作成したグループがいるなど、実際のアクションに結びつけ、社会課題をジブンゴト化できていました!

中学生ならではの視点・切り口が光る発表の様子
「防災・まちづくり」グループの発表の様子

学びの意義と成果については、こちら↓↓↓のnoteで報告していますので、ぜひご覧ください。

3.令和4年度(2022年度)の支援受付について

最後に、令和4年度の鎌倉スクールコラボファンドの支援受付について、お知らせします!
2.で紹介したような魅力的で豊かな学びを鎌倉の小中学校で教育活動を行う機会を増やしていくため、【第3弾】としてふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングを実施しています。

【第3弾】受付期間は、令和4年11月1日から令和5年1月29日まで!→3月31日までに延長しました

チラシのウラ面には、これまでに実現した教育活動の紹介や過去に支援いただいた方、授業を体験した子どもたち、鎌倉の教育に携わってくださった方からのメッセージも紹介していますので、隅々までご覧いただけると嬉しいです!

お申し込みはコチラの専用ページからできます。
鎌倉市民の方からのご支援も大・大・大歓迎です!

鎌倉の教育への応援、よろしくお願いいたします!

(教育総務課 教育企画担当 高橋)

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