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思いやアイデアを形にする力を子どもたちに「プログラミング教育」

教育長の岩岡です。

テクノロジー全盛の時代を生きていく今の子どもたちにとって、テクノロジーを活用して思いやアイデアを形にする力、すなわちプログラミングする力は、今後とても重要になってきます。
進路・進学の観点からも、今後高等学校で、プログラミングやデータ活用を行う「情報Ⅰ」が必修となり、大学入学共通テストの試験科目に加わっていくことになるため、義務教育でプログラミングの基礎をしっかりと培うことは欠かせなくなるでしょう。

プログラミング?そうは言っても・・・

しかし、プログラミングを試験のための知識として暗記するだけでは、本来の目的を達成したとはいえません。プログラミング言語は、日本語や英語などの自然言語と同じで、使わなければ忘れてしまいますし、学んだ言語は社会に出たころには陳腐化しているかもしれません。
大事なことは、プログラミングを通じて自分や誰かの「困った」を解決した経験であり、将来課題に取り組むときやアイデアが浮かんだときに、「テクノロジーを使ったら何とかできるな」と思えるような原体験です。

実は私も、大学院でStataという統計解析ソフトを使うためのプログラミングを学びましたが、卒業から5年経ち、はっきり申し上げてコマンド自体は忘れてしまいました!
しかし、プログラミングを使えば、データの統計解析によって役に立つ分析ができる、という原体験は残っています。今後、どうしても分析したいデータが出てきたときに、必要なコマンドをもう一度引っ張り出して学び直す方法も知っています。

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懐かしのStata。すっかり忘却!

社会の変化を見据えた新しい学習指導要領に沿いつつ、実践的で、子どもたちがワクワクしながら学習に取り組み、さらにテクノロジーを通じて思いやアイデアを形にする原体験が得られる……そんな理想的なプログラミングの授業を実現することは可能なのでしょうか。

コラボレーションの力を使えば、そんな魔法のようなことが可能なのです!

市教育委員会は今年6月にライフイズテック株式会社と連携し、市立中学校にプログラミング学習コンテンツを試行的に導入しました。

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プログラミング学習コンテンツの画面
(対話型による教材で、自分のペースで進めることができます。)

内容は、架空のパン屋が抱える「困った」を解決していくストーリー(「たくさんの人にお店を知ってもらうために、パン屋のウェブサイトを作成する」「焼き上がり時間の問い合わせ対応を軽減するためにウェブサイトに検索機能を追加する」など)で、プログラミングを通じた課題解決のプロセスを楽しく学べるようになっています。
また、この教材で身に付けたスキルは、生徒会や部活動のホームページ作成など、身近な課題解決にも応用できます。限られた技術の時間数の中ですが、時間が取れる場合は、パン屋のウェブサイトを応用させて、自分の興味のあることについてオリジナルのウェブサイトを作ることができるコンテンツも用意されています。

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先生方もプログラミングに挑戦中!
(教職員向け研修)

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初めての先生達でも、ものの数時間でオリジナルサイトを作れました!

時代の変化を前向きに捉え、ペンギンのようにしなやかに泳いでいく子どもたちを育んでいきたい。そんな私たちの願いを込めた取り組みは、始まったばかりです。今後の展開にぜひご注目ください。

(広報かまくら 令和3年11月1日号 掲載文に加筆)