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#小説
『海賊と山と薬と。』
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今日も船長に怒られた。自分では一流の海賊だと思っているのに、なかなか認めてもらえない。同じタイミングで今の船に乗るようになった奴は、いつの間にか船長の補佐役として出世した。俺が認められる日は来るのだろうか。
悶々と考えていたら眠れなくなった。船室から外に出ると冷たい夜風が吹き抜ける。月の光が海面に水平線までの道を作っている。
もう、この船を
『しゃもじのおびえ』
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迫りくる複数の足音──。
そして、私は囲まれた。
その中の一人が私のくびれを力強く掴んだ。
「やめて!」
絞り出そうとするが、想いは声にならない。
飢えた獣たちが、よだれを垂らして私を見る。
せめて、せめてシャワーを浴びさせて。
そうすれば、我慢が出来るかもしれないわ。
もう耐えられないの。
あの“白い粘り気”が私の身体にまとわりつくことが