日本茶をもっと新しく、もっと楽しめるものに。(CHABAKKA TEA PARKS 三浦 健さん)
今回、鎌倉で日本茶セレクトショップ「CHABAKKA TEA PARKS」を経営している三浦健さんが挑戦している新しい日本茶文化の取り組みについてお話を伺いました。
この記事では、三浦さんのCHABAKKA TEA PARKS(以下、チャバッカ)の魅力や取り組み、今後取り組んでいきたい目標について紹介します。
僕は「日本茶をもっと開けた業界にし、日本の古くから続くモノづくりや産業に価値を生み出したい」という想いがきっかけでこのチャバッカの経営に至りました。
そのように語る三浦さんにチャバッカの魅力について伺ってみました。
Q:三浦さんの感じるチャバッカの魅力は何ですか?
A:『日本茶らしくないところ』ですね。
チャバッカの人気商品「ドラフトティー」がその例です。特殊なサーバーでビールのように淹れる日本茶で、エンターテインメント性のある日本茶を楽しんでいただけます。
また、接客サービスにもこだわっているため、お越しいただいたお客さんに少しでも日本茶を楽しんでほしいと、茶葉の説明やコミュニケーションは怠りません。そのおかげもあって、お店の雰囲気や接客が良いからといった理由でリピートしていただくお客さんが多いです。
Q:なぜビールサーバーのような淹れ方を日本茶で実践しようとしたのですか?
A:もともと、初期構想の段階からサーバーを利用した淹れ方をしようとは考えてはいませんでした。というよりも、最初はこれまでの日本茶ではなく、新しい要素や楽しみ方を日本茶に取り入れたいと考えていました。
そこで、『日本茶をオシャレに楽しむ』というコンセプトを決め、そのためにアップデートしていこうとアイディアを練りました。その時に、従来の急須を使った淹れ方を変えることに注目し、サーバーやカクテルシェーカーなどを利用して、日本茶を淹れることに挑戦しました。
日本茶というのは、今まで誰もやってこなかったことが多いため、ブルーオーシャンな業界です。だからこそ、これまでの日本茶をアップデートしていき、これからも新しい日本茶の楽しみ方を考えていきたいですね。
ここまでお話を伺ってみると、ドラフトティーが誕生した経緯に、三浦さんの日本茶への想いが込められていることが伝わってきました。
次に、チャバッカに足を運ぶお客さんのことを伺いました。
Q:チャバッカはどういった層のお客さんが多いですか?
A:20代~30代のお客さんです。その中で、6:4か7:3くらいの割合で女性のお客さんが多いですね。
このチャバッカの主なターゲット層は、半径50km圏内に住む『20代中盤~30代中盤』の『日本茶とは親しみの少ない世代』で、『日常において感度の高い人たち』として定めています。実際にそういった世代の方々によく訪れていただいています。
エリアだと横浜や川崎、茅ケ崎といった場所から来ていただく方が多いです。もちろん、地元である鎌倉からのお客さんも多いですよ。
また、チャバッカで今後もたくさんのお客さんを楽しませていきたいと三浦さんは話していました。
また、最近、メディアで取り上げられることが多い点についても伺ってみます。
Q:テレビ出演など、メディアで取り上げられることが多いですが、やはり「ドラフトティー」が注目を浴びているのでしょうか?
A:そうですね。
初めてお越しいただくお客さんもこのドラフトティーを目当てに来られる方が多いです。
取材だと、ドラフトティーがきっかけでお声掛けいただくことが多いですが、茶葉の「品質」や「種類の多さ」にもこだわっているので、そういった点に注目してもらうことも多いです。
あとは、「まちのコイン」や「サブスク」といったSDGsな取り組みもよく取材していただきます。
Q:一つ前の質問で、茶葉の品質や種類の多さにもこだわっていると話していましたが、それほど多くの茶葉を集めるのはやはり大変でしたか?
A:はい。かなり大変でした。
あらゆる地域に足を運んで、実際の農家さんとコミュニケーションを取りながら、数えきれないほどの日本茶を飲み比べました。本当に地道で泥臭い営業を続けていました。
しかし、その際にただ美味しければいいというわけではありません。僕は茶葉の選定において、『一番鮮度が高い春積みの一番茶を揃える・有機栽培・同世代の農家・シングルオリジン』というキーワードを決め、それに合った茶葉を厳選していきました。
同世代の農家さんは、自分たちの作った茶葉で新しいことに挑戦したいと、僕と同じような熱意を持っている方が多いため、茶葉選定の際のキーワードとして決めています。
ここまでのお話で、三浦さんの「好奇心」と「行動力」、そして何よりも「泥臭い努力」がチャバッカの裏側に隠されていることが理解できました。
最後に、こんなことも聞いてみました。
Q:今後、どういったことに取り組んでいきたいと考えていますか?
A:茶園を管理し、海外から留学等で来た人やインターン生の雇用を増やしていきたいです。
まず、現在の茶園では後継者不足の実態があり、減少傾向にあります。そこで、海外から来た人で仕事を必要としている人やインターンをしたい学生を雇用していくことで、茶園の管理だけでなく、雇用といった面でも社会に貢献していけると考えています。
日本茶のアップデート、そして発展させていくことに限らず、雇用といった社会的な面でも貢献していくことを考えており、素晴らしい目標を掲げていることが分かりました。
最後に、三浦さんはこのようなことも話していました。
『ビジネスはロールプレイングゲームだ』
ビジネスの人とのつながりを増やし、集めた資金などでどのようにビジネスを成功させていくかという考え方は、ラスボスを倒すためにどの武器やどういう仲間が必要なのかというロールプレイングゲームの考え方と似ています。
そのように語った三浦さんからは、今後も日本茶を起点として多くの武器や仲間を集めていき、ボスキャラを倒すために成長していくという熱意を感じました。そして、そんな三浦さんと一緒に日本茶の進化はこれからも続いていきます。