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ミステリーと時代小説が合体!読み応え十分の傑作 米澤穂信の「黒牢城」

「黒牢城」 米澤穂信 著  角川書店 刊

直木賞受賞作は、ハズレが多いのであまり読まないのですが、本書は大当たりでした。

この本を買ってから思い出したのですが、著者の米澤穂信さんは2014年に「満願」という短編ミステリー本も出しており、なぜか私の本棚には2冊並んでおります。2冊買ってしまうくらい面白かったということ?
実は、奥さんも買っていたというのが正解。私たち夫婦の本の趣味は全く合わないので有名ですが、唯一、かぶった本がこの「満願」でした。

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黑牢城とは、今の伊丹市に築城された有岡城のことで、当主は荒木村重。なんとあの織田信長に反旗を翻し、籠城作戦をとります。

それを説得に来たのが黒田官兵衛。豊臣秀吉の名参謀として有名な人。しかし説得は失敗。普通は殺されるところですが、村重はそうせず、官兵衛を牢屋に入れ、物語はここからスタートします。

籠城中に奇妙な事件が4つ起こります。その謎を、牢屋に閉じ込められて身動きできない官兵衛が、安楽椅子探偵よろしく、謎解きしていきます。

そんな事件に翻弄されながらも、荒木村重の籠城作戦はどうなっていくのか?いつ、信長と決戦するのか?

わたしの知る限り、有岡城の戦いで信長が手痛い敗戦をしたという話は聞いたことがないので、どんな負け方だったのだろう、そんな好奇心がムズムズ。本書はミステリーがメインですから、史実は知っていても問題ないだろうと思い、ウィキペディアで”荒木村重”を調べると・・・えええ!ビックリ!そーだったの!そんなことしたの?

私は戦国ものには疎いのです。20年前に山岡荘八の徳川家康をほぼ全巻読んで、そこで戦国時代ものへの興味が失せてしまったのが原因。漫画の「花の慶次」は読みましたけど。あと、映画は「清須会議」とか「関ヶ原」とかは観ました。まあ、そんなレベルです。

後悔しましたよ。あーあ、ウィキで調べなきゃよかったと思いました。

まだ、本書を読んでいない方で、有岡城の戦いの結末を知らない人は、そのまま知らずに読み進めることをおすすめします。
とってもよい本でした。

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